生成AIを使って、「自分の労力が半減した」と自信を持って言える人は中々いないかもしれません。
使ってみたけど、イマイチ活用方法が分からない・・・と悩んでいる人もまだまだたくさんいらっしゃると思います。
AIを十分に活用するためには、どうしても「プロンプト入力」という「AIに対して指示を出す力」が求められます。
結局、「自分が何を求めているのか」を自分自身がきちんと理解し、それを「どのように適切に伝えるか」を意識できていない限り相手にはうまく伝わらず、それは相手が例えAIであっても同じなのです。
「相手に伝える指示を軽視」している部分が「AIを使って楽できる」という誤解とリンクしているような気がするのですが、まずはそこから意識する必要があるというわけですね。
以下、人間とAIに対するマネジメントについて、少し考えてみたいと思います。
AIに対するマネジメント | 人間に対するマネジメント | |
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特徴 | AIは、人間が指示した内容に対してだけ適切な回答を返します。 例えば、「自分はこう思っているんだよね。」という思いもすべてAIに言葉として伝える必要があります。 | 人間には感情があるため、指示してきた人間の顔色を窺いながら態度を変えたり、状況に応じた回答を返せます。 つまり、人間であればこちらの感情を組み取ってそれ以上の働きをしてくれる可能性があります。 |
指示を出す人間に必要な能力 | 伝えきれていない思いや感情などのすべてを適切に言語化する能力が必要となります。 イレギュラーが発生すれば、それも処理してもらうために逐一言語化できる能力も必要となります。 | 相手の感情や意図を汲み取るコミュニケーション能力が必要となります。 イレギュラーが発生しても、人間の処理能力に頼れるかそうでないかを判断する能力も必要となるでしょう。 |
筆者もAIへの指示の出し方は、まるで設計書を書く時のように気を遣う時があります。
そのため、長文になってしまう時もありますが、その指示が相手に分かりやすい文章になっているかは、例え相手がAIであっても何度も推敲します。
一方で、ちょっとした質問をした時に、思っていた以上の答えを返してくれる時もあります。
先日、別の記事で「検索」と「AIへの質問」の違いについてお話した記事がありました。
「Google検索」と「AIへの質問」の違いが分からない人に説明してみた方法とは
先日、ある人からこんな質問をされました。 「AIに聞くっていうのがよく分からない。調べる行為は同じなのに検索するのと何が違うのですか?」 このかたは、普段からAIをまったく使っていないそうで、「AIの ...
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この時は、「1から100までの合計の答え」をAIに聞いてみたわけですが、「答え」だけに留まらず、途中の公式や公式に当てはめた数式までも一緒に教えてくれました。
このような回答を目にしてしまうと、「ちょっと聞いただけでAIはなんでも答えてくれるぅ♪」と思ってしまいがちですが、この数式の場合、完全な答えが分かっているものを引っ張り出すだけでした。
つまり、過去にきちんと正解が判明しているものを答えてくれる場合、その答えに付随する情報も一緒に教えてくれる可能性もあります。
「1から100までの合計の答え」というのは、答えも分かっていて、その解き方も公式まで判明している。
AIにとっても回答は楽だったでしょう。
しかし、人間がAIに頼みたい願望、指示したい仕事内容は、おおよそ「未来に向けて成し遂げたい何か」だったりしませんか?
それは、人間に向けて依頼する以上に、指示通りに動くAIには細かく言葉で説明ができなければなりません。
指示がうまく伝わらない・・故に「使いこなせない」となるわけですね。
指示を出すプロンプトを楽するのではなく、「指示を出した後に本来人間が行うはずだった作業をAIに行ってもらって楽をする」という意識は、まだ現状のAIを利用する上では持っておきたいところです。