2024年7月、日本は大きな転換を迎えました。
何だと思いますか?
そう、日銀の利上げです。
これまでしばらくゼロ金利が続いていたのに、急に日銀が利上げを決定したのです。
この時0%から0.25%へと久しぶりに政策金利が上昇し、日経平均は急激に下落、為替相場は一気に円高へと進みました。
そして今年1月にはさらに0.25%の利上げを実施し、現在0.5%の利上げとなりました。
政策金利を引き上げ(利上げ)すると、なぜこのような事態になるのかよく分からないかたもいると思うので簡単に説明しておきます。
一般の各金融機関は日銀からお金を借りて、そのお金を企業や個人に貸し付けます。
この日銀からお金を借りる際の金利が政策金利となるので、一般の金融機関は政策金利が引き上げられると企業や個人へ貸し付けする際の金利も上がってしまい、企業は設備投資などでお金を借りづらくなり、個人の住宅ローン(変動金利)も利息の支払いが増えるため、消費が抑制されるわけです。
その代わり、各金融機関の利息収入が増えるので、個人の預金の利息も少し上げてくれます。
つまり日経平均が下落したのは、企業の生産性や成長性が抑えられるかもしれないと悲観的になったためであり、円高になったのは円を持っていた方が利息収入が上がって貯蓄意欲の上昇から円が買われたためです。
日銀が金利を上げた要因は端的に言うと「景気がよくなってきたから」だそうです。
国民の多くは「そうか?」と疑問ですよね。
景気が良くなったと言うのは、「美味しい物を食べたい」、「お金があるから海外旅行に行っちゃおう」、「新しい車買おう」、「別荘買おう」などのように消費が過熱している場合です。
そしてこのような活発となった消費を抑えるために金利を上げるのです。
物価が上昇しているから、それを少し抑制するために利上げを実施し、それに踏み切れたのは賃金も上昇しているからだと言うのですが・・。
これまでの増税に加えて利上げとなると、国民の感覚からすればさらに景気が冷え込むような感じを受けてしまいますね。
さて現在住宅ローンを変動金利で契約しているかたは、これから利息の支払いが増えてしまいます。
日銀は段階的に政策金利を1%まで上げると言っていますが、金利が1%上がると住宅ローンの支払いがどれくらい増えると思いますか?
もちろん住宅ローンを組んでいないかたやしばらく固定金利が続いていくかたは、何も気にする話題ではないでしょう。
現在、変動金利で絶賛返済中のかたは、こんな時こそAIにお伺いしてみましょう。
住宅メーカー勤務・住宅のプロになってもらう
今回はGeminiに「住宅メーカーに勤める宅建の資格を持った住宅のプロ」になってもらい、色々計算してもらったのですが、以下の条件の場合の支払総額を比較してみました。
条件
・5,000万円の新築の家を35年のフルローン
・すべて変動金利
・元利均等返済
・金利を0.5%の時と1.5%の時で比較
そうすると、以下のような結果になりました。
金利 | 毎月返済額 | 返済総額 | 総支払利息 |
---|---|---|---|
0.5% | 約126,000円 | 約53,000,000円 | 約3,000,000円 |
1.5% | 約155,000円 | 約65,000,000円 | 約15,000,000円 |
金利が1%増えるというのは、元本が大きいと相当影響があります。
この支払総額の差がヤバいですね。
つまり利上げというのは、これだけ大きな影響を与えるものなのです。
ちなみに、返済方法を「元金均等返済」にした場合は、支払総額の差は10,000,000円を若干切りました。
その代わりローンが始まる最初の数年の支払い金額が大きくなりますから支払い能力がないと厳しいですよね~・・。
住宅ローンの総額が「5,000万円じゃきかないよ~、1億だよ~・・・」というかたは、AIに計算してもらって現実を直視してみてください。
ローン試算はAIにお任せ
Geminiは最近無料ユーザーにも「DeepResearch」が解放されるなど、パワーアップしましたね。
今回はAIの得意な計算をたくさんしてもらいました。
資格検定の問題集を作成してもらったり、複雑な計算を解説してもらったり、最近の筆者の環境では調べるよりもこういった計算でAIを使う場面が増えています。
筆者の抱えている住宅ローンは6,7年後に変動金利へと切り替わるので、まだ利率の低い固定金利の恩恵を受けられますが、変動金利になった時にローン残額とさらなる利上げによる利率を予想した上で、どのような支払い額になるのかAIで計算してみました。
これから住宅ローンを組まれるかたは、高い利率での支払いになる可能性が高いですから、事前にご自分でAIとやり取りして計算してみてください。