AI市場が盛況になるにつれ、様々な問題が浮上しています。
多くの人の目には、画像や動画を生成できるAIツールや仕事の補助的な役割を果たすAIチャットなどの利用方法や効果的な使い方、またはAIを使った稼ぎ方などに注目が集まっていると思います。
しかし、世界の投資家が見ている先は、AIがその性能を如何なく発揮するために必要となる電力の開発だったり、基幹サーバーの設置、サイバー攻撃へのセキュリティ対応だったりします。
AIそのものではなく、AIの動作を後ろでカバーする様々な技術に対して注がれているわけです。
さて、そんなAI市場の盛況と合わせて、日本にも海外のテック企業が続々と「データセンター」を設立していますね。
生成AIの稼働やクラウドデータの管理など、多くのデータサーバ―を管理するデータセンターの設立場所は、物理的にも非常に重要となります。
例えば、世界の紛争地と言われる、もしくはこれから紛争や戦争に発展しそうな場所には設立できないですし、外国に設立する場合は国際空港に近い場所だったり、治安のいい地域、インフラがきちんと整っている地域であったり、と色々な条件が考えられます。
上に挙げたような条件で考えた時に、日本のある地域が注目されたようです。
日本も紛争や戦争へと突入する可能性は0ではありませんけどね・・
それが、千葉県の印西市です。
2000年頃に、北総線が全線開通して京成線との直通運転により都内や成田空港までのアクセスがよくなり、その間の印西市は「千葉ニュータウン」として発展してきました。
筆者が小さい頃、あの印西市(その頃はまだ印西町だった)付近というのは沼ばかりの印象しかありませんでしたけど、鉄道が通るとあっという間に変わるものだなぁと思った記憶があります。
小さい頃に、柏市から南下して、鎌ヶ谷市を抜けて船橋市や習志野市・千葉市と国道16号線を車で通ってよく出かけたものですが、印西に関しては申し訳ないのですが「その南北ルートから外れた外側のスタート地点にある小さな町」というイメージしかありませんでした。
それがあっという間にニュータウンですからねぇ。
そういえば船橋市と書いて思い出したんですけど、北総線の小室駅の所在地って実は「船橋市」なんですよね。
船橋と言えば、やはり総武線の船橋駅や西船橋駅とか海に近い、今で言えば「ららぽーと」があるあたりが船橋市のような気がしますけれども、船橋市の北の端がちょうど北総線の「小室駅」あたりになるのです。
「小室駅」の両隣の駅が印西市と白井市なので、その間の駅が船橋市ってちょっと脳みそがバグるんですけど、なんだか面白いですよね。
ちなみに、もう一つ脱線すると、新京成線の習志野駅と北習志野駅の所在地も船橋市になります。
さて、そんな印西市ですが今ではすっかり、海外のデータセンターの設立場所である「INZAI」として有名な地になってしまいました。
先ほど書いた通り、国際線の成田空港が近いというのも立地として合っていたのでしょう。
「千葉ニュータウン中央駅」周辺は、住宅街やショッピングセンターなどで充実していますが、まだまだ未開発の土地が結構余っていて、そこに各社がデータセンターを設立しているのです。
上の地図で言えば、北のはずれにあるのがあの「グーグル」のデータセンターになります。
2023年にGoogleが約1000億を投じて作ったデータセンターになるのですが、これもやはりデータセンターの増設を日本で展開し、これまでのクラウドサービスやAI市場(GoogleはGeminiを開発)で勝ち抜くための投資戦略なのでしょう。
グーグルが日本にデータセンターを設立したのは印西市が初です。
他にも、ヨーロッパ全域でデータ通信・インターネット接続事業を展開する「Colt」も一足早く2017年に印西市にデータセンターを設立していますし、データセンター世界大手の「エクイニクス」、日本からも「NTTデータ」など多くの企業がこの「印西市」にデータセンターを設立しているのです。
これから、データセンターやそこで使われる電力の需要、電力を抑えるための「機器の冷却システム」など、拡大していくAIサービスを正常に稼働させるための裏側の設備投資がまだまだ盛り上がっていきそうですね。
2000年以降で、街の様相があっという間に変わってしまった印西市ですが、各テック企業の「INZAI」への進出は今後も増える可能性が十分にあります。
他にも日本のIT企業の多くが「印西市」に集まるようになると、ベイエリアにあるカリフォルニアのシリコンバレーならぬ千葉の「スウォムプエリア」のシリコンバレーとしてさらに「印西市」の発展へと繋がっていく可能性も秘めているでしょうね。
向こう10年でどのように街が様変わりしていくのか非常に楽しみです。