トヨタが静岡県裾野市、東富士地域にあったトヨタ工場の跡地に建設中の「Woven City」は着々と進んでいるみたいですね。
「Woven City」とは、トヨタの従業員とその家族、そして退職した夫婦など合計360人しか住めないリアルな人間の生活で実証実験を行うためのいわば「作られた都市」になります。
現在の「Phase1」は最初に実証を開始するエリアとして指定している約50,000m2に建物や街並みを作っていきます。
※「Woven City Leaflet」より
なぜ、トヨタはこのような街を作っているのでしょうか?
それは、「永遠に未完成」をコンセプトに、本物の人間の暮らしと共に最先端技術を実験するためにあります。
ロボットやAIなどによる自動運転バスや自動移動販売などを走らせ、これらの技術を「Woven City」で暮らす住民たちに体験してもらい、そこに発生する検証・改良点を見つけ出し改善していく。
まさにこの街で暮らす人々にとって「幸せの量産」を目指すための実験都市というわけですね。
「Woven City」では、Iot、セキュリティ、食・農業、医療、エネルギー、ヘルスケア、教育、エンターテインメントなどの分野で研究開発が行われています。
その中で最も注目されている研究が自動運転技術であり、この街に敷かれた専用の道路で様々なテストが行われるそうです。
自動運転を街中で実験するために、本当に人が暮らす実験用の街を作ってしまったわけですから、あまりにもスケールが大きな話ですよね。
以前の記事でも書いたように、実際、サンフランシスコやロサンゼルスでは、アルファベットの子会社である「Waymo」が、自動運転によるタクシーが走っています。
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「自動運転車」と言うとまだまだ遠い未来のお話のような気がしてしまいますが、アメリカの一部地域では既に一般の誰もがアプリをインストールするだけで乗れるようになったようですね。 「ウェイモ」がサンフランシ ...
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さらに、中国の北京でも無人運転によるタクシーサービスが始まっています。
自動運転車が当然のように街中を走るようになっている現代において、トヨタを始めとする大手自動車メーカーは莫大な額の投資を行っています。
自動車業界にとっては、まさに業界の新しいトレンドが到来していると言ってもいいでしょう。
自動運転の市場規模は今後3年で10倍以上に成長すると言われています。
「自動運転」と言えば生成AIですが、自動車業界のAIを使った今後のテクノロジー開発にはますます目が離せなくなりそうです。
トヨタのランドマーク的な建物として長年愛されてきた東富士工場を閉所した後に作られていくこのスペシャルな街は、最終的に人口を2,000人まで増やす予定だとか。
「Woven City」が日本の未来の街づくりにどう反映されていくのか・・もちろん日本の技術力が世界を驚かせると確信していますし、いつの日か日本のいたるところに「Woven City」ができ上るのかと思うと、日本で暮らす一人の住人としても非常に楽しみですね。