北海道の福島町で、男性を襲った熊がとうとう駆除されました。
今回は久々に北海道のお話でもしましょうか。
福島町という名前から東北の福島県を想像されるかたもいらっしゃるかもしれません。
「ふくしまちょう」は北海道道南の松前郡にある小さな田舎町です。
ちなみに北海道は「森町」以外すべて「~ちょう」と読みます
北海道の道南と言うと、「函館」、「松前」、「江差」あたりが観光地としては有名で、函館に遊びに来た人がちょっと遠くに行こうと思ったら、北海道で唯一のお城がある「松前町(まつまえちょう)」に行くパターンが多いのかなと思います。
松前藩は江戸時代に幕府の「上知令」の対象となった時期もありましたが、概ね蝦夷地の統治を任され、アイヌとの交易も盛んにおこなわれていました。
そのため蝦夷地には複数の藩が存在せず、藩と言えば「松前藩」しかなかったので、本州などで見られるお城は松前城が唯一となるわけですね。
さて松前町に行くのであれば、空路は函館空港、陸路は新幹線で函館に向かう途中の「木古内町(きこないちょう)」にある「木古内駅」や北斗市にある「新函館北斗駅」を利用します。
函館から松前まではおおよそ100kmあり、道中は信号のない海岸線や山道をひたすら車で突き進みます。
その松前町に向かう一つ手前にある町が、今回熊騒動でニュースとなった「福島町」になるわけです。
道南地域に暮らしていて、福島町に仕事で向かうような時を除けば、おそらく「福島町に行きたい!」と言う人は・・・ほとんどいないでしょう。
ただし相撲のオールドファンであれば、あの「千代の富士」関の地元になるので、「道の駅 横綱の里・ふくしま」にある千代の富士会館に行ってみたいと考える観光客のかたはいるかもしれませんね。
ちなみに道の駅には、「ウルフ力餅」というスイーツが販売されています
今の「ウルフ力餅」を「うるふかもち」と読んだかたは残念!
これは「うるふちからもち」です。分かりづらい・・・。
なぜ「ウルフ」なのかは、昭和時代の大相撲で千代の富士を見てきた人たちには簡単すぎますね。
分からないかたは、その辺の昭和世代の人をとっ捕まえて聞いてみてください。
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この福島町をグーグルマップなどの地図で見てもらうと国道228号線が町と町を繋ぐ生命線となっているのが分かると思います。
上の地図は福島町の町中に向かうために、町内の山の上にあるトンネルを抜けてから新幹線の線路とクロスしているところまでの地図となっていて、この228号線は登坂車線となっている急こう配の道路です。
地図上では新幹線とクロスしているように見えますね。
しかし新幹線はこの時点では既に青函トンネルの中ですから、実際に新幹線の線路はこの道路からは一切見えません。
また新幹線の線路というのも少し違って、この部分は共用線路となっているため、同じ場所を本州からやってきた貨物列車も通ります。
そう新幹線は既にトンネルを通っているという点からもお分かりの通り、この道路の両サイドは山・山・山です。
道路沿いに数件の家が建ち並び、さらに松前方面に向かうと福島町の町中(スーパーや学校、道の駅があるような開けた場所)に出ます。
それでも町中は、結構狭い範囲でぐるっと山に囲まれていて、地元の人は山の手前にある公園なんかは「熊が出るから気をつけて」という感じです。
今回の熊はその公園よりも内側の住宅街まで入ってきて、男性を襲ったのです。
「福島町」はその地形から、海岸線の道路沿いにも住宅が結構並んでいます。
しかしすぐ後ろはもう山で、海沿いだからと言っていつ熊が下りてきてもおかしくない場所となっているのですね。
つまり住宅街だから、海沿いだから、というのは熊の出没とはあまり関係がないわけです。
そして、福島町では今日も新たな熊が目撃されました。
これから電気柵を設けていく話にはなっているようですが、まだまだ追いつかないと思いますから今回のように次から次へと熊が出没する可能性があります。
観光で来られるかたは、移動はほぼ車だと思うのでコンビニやスーパーなどに立ち寄る時には、油断せず周辺に注意を配った方がいいでしょう。
今回の事故発生現場が、筆者も以前に歩いた経験のある場所だったりするので、熊の行動範囲が人間の生活エリアに関係なく入ってきているのは驚きましたね。
こんなに普通に住宅があるところでは出てこれないだろう、というのは福島町に限っては通用しないと思うので・・。
熊は頑丈です。
威嚇射撃は熊を興奮させるだけなので、かえってハンターが危険になります。
頭蓋骨の形状や肉の厚みなどもあって、頭の急所はごく限られた場所しかなく、ケガをさせるだけと言うのが中々難しい動物です。
どうしても一撃で仕留めるために心臓や肺などで即死を狙う必要があります。
熊は山で、人間は麓で、と共生できるのが一番いいでしょう。
それでも熊が山を下りて人間の生活エリアに入ってきてしまえば、対処方法を持っている人間側はどうしても駆除せざるを得ません。
4年前に女性が襲われて亡くなった時に、町として対処するべき対策が先延ばしになってきました。
ようやく熊対策へ本腰を入れたわけですから、これからはまた「千代の富士ゆかりの地」として取り上げられる町となってくれれば、と思いますね。



