2024年12月20日、新しい商業施設が函館市にオープンしました。
とは言っても、いわゆる居抜きでありその前にあった施設は「イトーヨーカドー」です。
今、日本全国各地で「イトーヨーカドー」が閉店していますが、函館市も例外ではなく市内そして道南地域に唯一1店舗だけだったヨーカドーが1年くらい前に閉店し、ようやく新しい商業施設「グランディールイチイ」がオープンしたのです。
函館市を訪れたかたは分かると思いますが、夜景が見られる函館山周辺は観光地になっていて、実際に市民が多く住むエリアは観光地から北上したエリアである「旧亀田市」エリアになります。
そのエリアの東西に渡って産業道路が通っているのですが、その産業道路沿いにこの「グランディールイチイ」があり、隣には「ドン・キホーテ」が建っています。
まぁ、割と賑やかな感じのところにこれらの商業施設が建っているわけです。
1階にスーパーの「トライアル」が入っていて、階数は全部で3階建てです。
そして、都会で暮らしている人たちからすると「はぁ?」となるかもしれませんが、函館市内そして道南地域で初の「サイゼリヤ」が1階に入ります。
ただ、サイゼリヤは今月の月末オープンなので、お店はまだ開店していません。
というわけで、本日ようやくこの新しい施設へと行ってみました。
各階ともまだテナントが入っていなかったり、オープンしていなかったりで少し歯抜けな感じがしましたね。
というより、全然寂れていました。
時間も平日の18時半くらいの時間だったのに、ビルの中は人がガラガラで、「トライアル」も食品や総菜が品薄な感じでした。
正直なところ、もう少し全体的に活気があるイメージをしていたので、驚きの方が強かったかもしれません。
まだオープンから1カ月も経っていないのに・・。
でも、これが人口が減り続けている地方都市の現実かもしれませんね。
函館市が今、一番力を入れようと画策しているのはなんだと思いますか?
「新幹線の函館駅乗り入れ」です。
そう、北海道新幹線が停まる駅は、「新函館北斗駅」という隣の北斗市にある駅なのです。
札幌市までの延伸が決まっている北海道新幹線を函館駅まで乗り入れさせるのが、現職の大泉潤市長の悲願でもあるのです。
スターである”あの”大泉洋のお兄さんです。
でもこれって、何に期待しているかというと「観光客」なんですよね。
一旦、北斗市の「新函館北斗駅」を到着駅とする案で解決した2016年よりも前の段階では、函館市も「人口減」についてそれほどの危機感を持っていなかったと思います。
ところが年々人口が減り、消滅都市としてカウントされるようになった今では、やはり「何とかしなければ」という思いがあったのでしょう。
結局、函館駅への新幹線乗り入れが蒸し返されたような印象を受けてしまうのです。
確かに函館市への観光客は多いので、新幹線が直接函館駅まで乗り入れてくれれば空路だけでなく、陸路からも「さらに観光客が増える」と思います。
しかし、人口減の対策の1番手が「観光客頼み」では、根本的な解決にはならないでしょうし、多少函館駅に新幹線で行きやすくなったところで、市としての人口誘致政策にもならないでしょう。
昨日の記事でも書きましたが、やはり人口減に対して自治体としての対策をきちんとしているところは、昨日のランキングの集計元になったアンケートにもしっかり答えているし、むしろそれを広告塔にしてまた人口を増やしているのではないでしょうか。
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残念ながら、函館市や北斗市はこのアンケートには答えていなかったですね。
「グランディールイチイ」のオープン、そして「サイゼリヤの初出店」などは大々的に報じられて、地元民の期待も結構高かったのではないかと思うのですが、このようなスカスカな新しい商業ビルが未来を暗示している気がしてなりません。
「新幹線の函館駅乗り入れ」ばかりがクローズアップされますが、人口減対策もしっかり取り組んでほしいものですね。