前回の[Part1]では、北海道新幹線と消えた在来線のお話をしました。
北海道で暮らしている人は北海道内の移動の方が大変だったりする?!(Part1)
その昔、関東は埼玉県に住んでいた頃。 北の大地へ遊びに行こうと思ったら、それはそれは距離があるし・・・というより羽田まで行くのに疲れるしなぁ。。。 やっぱり、少しまとまった休みを取らなければ簡単には行 ...
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今回は、北海道内をあちこち移動する場合に、”うわー、まじかぁ!”と思わずため息の出る「飛行機事情」について書いてみたいと思います。
飛行場はどれくらいある?!
北海道はとにかく広いです。
車社会とは言え、車でどこか遠くへ移動するにも2時間、3時間以上の長旅になることはざらです。
では、一番目的地に早く着く飛行機の発着する場所、
そう、「飛行場」はどれくらいあるのでしょうか。
国管理空港 | 新千歳空港 |
函館空港 | |
釧路空港 | |
稚内空港 | |
特定地方管理空港 | 旭川空港 |
帯広空港 | |
地方管理空港 | 中標津空港 |
女満別空港 | |
紋別空港 | |
利尻空港 | |
礼文空港 | |
奥尻空港 | |
共用空港 | 札幌飛行場(丘珠空港) |
こう並べてみると、管理している場所は違えど主要な街には空港が配置されていて飛行機での移動には事欠かないような気がします。
しかし・・・
これらの飛行場は、新千歳空港を除いてすべて「大都市からの着陸、そして大都市への出立のために存在している」と言っても過言ではありません。
それでは、新千歳空港を除いた各主要空港のフライト状況を少し見ていきましょう。
国管理空港からのフライト情報
函館空港発、国内線の目的地 | 東京(羽田) |
成田 | |
大坂(伊丹) | |
名古屋 | |
札幌(新千歳) | |
札幌(丘珠) | |
奥尻 | |
たんちょう釧路空港発、国内線の目的地 | 東京(羽田) |
札幌(新千歳) | |
札幌(丘珠) | |
稚内空港発、国内線の目的地 | 東京(羽田) |
札幌(新千歳) |
函館空港は、この中では優秀な方で、道外の大都市へは、羽田、成田、大阪(伊丹)、名古屋と主要空港までの便がすべて揃っています。
釧路空港や稚内空港は道外だと羽田までの便しかありません。
特定地方管理空港からのフライト情報
旭川空港発、国内線の目的地 | 東京(羽田) |
名古屋 | |
帯広空港発、国内線の目的地 | 東京(羽田) |
旭川市は、北海道で2番目に人口の多い市ですが、札幌までの距離が近いため、大きい市の空港では唯一札幌までのフライトがありません。
その代わり、定期便の中で1日に1回、名古屋までの便が存在します。
帯広空港は、定期便が羽田へのフライトしかありませんが、季節によっては名古屋までのフライトがあります。
また、羽田での乗り継ぎにおける乗り継ぎ割引路線があるのも特徴ですね。
地方管理空港からのフライト情報
このあたりの空港になると、ほぼ羽田までのフライトしかありません。
ちなみに、平昌オリンピックで一躍話題となったカーリング娘たちの拠点に近い「女満別空港」は、1日の便数が少し多めで名古屋までのフライトがあります。
離島に関しては、残念ながら利尻空港は、新千歳と札幌だけ。
礼文空港は、現在休止中。
奥尻空港は、函館との1日1便のみでほぼ物資輸送が主。
という感じで、道外にすら行くことはありません。
丘珠空港の存在と国際線の状況
北海道の国際空港と言えば、「新千歳空港」ですが、中心地である札幌市の東区には「丘珠空港」があります。
「つどーむ」と書いてあるそばが空港です。
元々は自衛隊専用の飛行場だったところを共用飛行場として使うようになりました。
そのため、管理者は「防衛省」となっています。
東京や大阪、名古屋などの大都市への便は新千歳空港に譲って、道内では函館、釧路、利尻島への定期便が運行されています。
空港サイズとしては小さいのですが、人口の多い札幌市という立地から本州にある地方都市へのフライトも存在しているのが特徴です。
- 青森(三沢)
- 長野(松本)※夏季限定
- 静岡(富士山静岡)※夏季限定
道内からの国際線は、もちろん新千歳空港が主要となりますが、函館空港、旭川空港の2つには台湾へのフライトが用意されています。
※函館から韓国(仁川)、中国(天津)、中国(杭州)へのフライトは2018年6月現在休止中です
釧路まで行くのに近いのはどっち?!
さて、道内の各空港の状況を簡単に書き連ねてきましたが・・・
もうお気づきですね。
そう、道内の主要都市を結ぶ航路が全くないのです。
ちなみに北海道内における人口の2位から4位までの順位は以下のようになります。
- 2位:旭川市
- 3位:函館市
- 4位:釧路市
これらを結ぶ航路すら1日1本もない・・・。
つまり、各航空会社にしても飛ばしたところで採算が合わない、ということですね。
函館から旭川まで行こうと思えば、まだ旭川が札幌に近いので札幌まで飛行機で飛んで、レンタカーで旭川まで行くという方法はありかもしれません。
まぁ、オール車移動でもいいのですが、やはり7,8時間(夏道)の運転はちょっと面倒くさく感じます。
では、函館から釧路に行こうと思ったら・・・これはもう簡単には行けない、ということになります。
同じ北海道なのに・・・都心にいた時よりすっかり遠い地となってしまいました。
では、釧路に行く方法を函館周辺にいた場合と東京都周辺にいた場合で比較してみます。
飛行機乗り継ぎ
時間がかからずにすむのは、もちろん「飛行機乗り継ぎ」でしょう。
その場合、羽田から釧路への航路と比較しても、遜色なくなります。
遜色なくなるだけで、勝てるわけではないんですね。
実は、東京から釧路まで直行した方が時間は早いと思います。
函館から釧路まで乗り継ぎに時間がかかると2時間以上かかる場合もありますが、羽田から釧路までだと1時間45分で到着します。
もちろん、空港までの移動時間を含めると簡単に比較はできませんが、
単純に空港から空港までの時間で比較すると、羽田から飛び立った方が短くて済むということになります。
料金は、乗継割引が適用されれば、羽田からの往復運賃よりは少し安くなるでしょう。
ただ、乗継割引は曜日や季節によって使えないこともありますので、移動する時期によってはあまり料金差を感じないと思う場合があるかもしれませんね。
こう見てみると、「飛行機料金の高さ」に加え、やはり「時間も羽田からよりかかることもある」ということが、けっして道内間の移動を近くに感じることができない理由の1つでもあるのです。
すべて電車
函館から釧路まで電車で行こうと思ったら、特急で行くことになります。
しかし、これがまた遠いのです・・・。
南千歳駅での乗り換えが発生しますが、時間的に早くて「8時間~8時間半」。
料金は、全席指定席だと指定席券も含めて往復30,000円以上かかります。
もちろん、飛行機で行くよりも料金が安くて済みますが、8時間の列車の旅はちょっと窮屈です。
電車での旅が好きな方には申し分ないかもしれませんけどね。
東京周辺から飛行機で釧路に行く方とは、時間的にまず勝負になりません。
マイカーや高速バス
さぁ、最後は北海道民の足である車ですが・・・。
釧路までは、大沼公園から高速に乗ったとしても函館近辺からだと8時間から9時間というところですかねぇ~。
高速バスだと10時間以上はかかります。
料金的には一番安くて済みますし、北海道内をマイカーで移動できるのは、やはり北海道民の特権ではあります。
本州から車で北海道に渡ろうと思ったら、青森からフェリーに乗らなければなりませんから。
「旅を楽しむ」という観点ではマイカーや電車もいいかもしれませんが、急用で向かわなければならない場合は、あまりにも遠すぎます。
近そうで遠い場所ばかり
『移動の時間が一番早い飛行機に、各都市への直行便が1本でもあればなぁ・・・』と思い、今回のお話を書いてみました。
それにしても、埼玉県に住んでいた時には思いもしなかった飛行機事情を思い知らされました。
空港の数はありますが、それはすべて本州の大都市からの足のためにあることなのです。
北海道の人たちは、地方都市から地方都市へ移動しようと思ったら、必ず新千歳空港を経由しなければなりません。
つまり、北海道民にとっても、道内の各都市に行くより距離のある東京に行く方が時間的には近い、と言えそうですね。