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あなたの知らない北海道の真実

雪はきれい?幻想的?それとも・・・

2019年3月9日

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国境の長いトンネルを抜けると「雪国」だった

夜の底が白くなった・・・。

 

川端康成の小説として有名な「雪国」の始まりの描写ですね。

汽車に乗っている主人公の「島村」が群馬県と新潟県の県境である

「清水トンネル」

を抜けて新潟県の湯沢へと到着した場面ですが、

読んでいくにつれ「雪の深さ」、「日本海側の寒さ」、そして「はかない美しさ」を感じることができ、

”雪は白くて美しい”と、読み手はその素晴らしい情景を想像してしまう一冊です。

 

もちろん「雪」と言えば、

ここ北海道も、冬にはなくてはならないものであります。

 

秋口から初冬にかけて、だんだんと寒くなり

カーラジオのお天気予報で聞く

「雨は夜更け過ぎから雪へと変わるでしょう」

というあのクリスマスシーズンによく流れる曲の歌詞と同じフレーズは、

季節の変化を感じたり、

雪かきの面倒くささを思ったりで、感傷的な気分を運んできます。

 

とにかく、「雪」と言えば

「北海道」

「雪景色がきれい」

「幻想的な風景」

「スキー・スノボー」

「かまくら」

「北の国から」

etc

と言った、美しいイメージを想像される方が多いと思います。

 

ちなみに、日本で一番雪が降る都道府県は北海道ではないのですが、

「雪の大地」=「北の大地」という図式は定番ですよね。

↑こういったイメージや、

↑こんな雪道はもちろん、美しいですし、思わず

シャッターを切りたくなる風景です。

 

しかし・・・

実生活で目にする「雪」というものは、

邪魔であり、危険で、汚く、その内解けていなくなる・・・

という全く美しさを連想させないものばかりなのです。

 

例えば、雪国の車線は、雪よけができるように

道路幅が広く取られています。

 

一般的には、道路幅は4m以上必要とされていますが、

雪国では6m以上と片側で1m余分に広く作られているのです。

 

しかし、

当然1mぐらいの幅ではよけた雪もだんだん道路側へとはみ出してきます。

 

そのため、2車線ある道路は1車線半ぐらいの中途半端な道路となり、

いつもの感じで2車線通行をしていると、突如として目の前に雪の塊と鉢合わせし、

無理な車線変更をする・・という具合になります。

 

もちろん、きちんと除雪をしていれば問題ないのですが、

除雪が追い付かない場合もありますから。

 

冬のシーズンは、ほぼ毎日氷点下の世界となります。

それでも、たまに日中の気温がプラスとなったりすることもあります。

そうなると厄介なのが・・

そう、「雪」です。

 

大きい幹線道路などは車もよく走るので、少し気温が上がるときれいに解けたりすることもあるのですが、

狭い道路などは、それほど簡単に解けたりはしません。

そういった道はどうなるかと言うと、

圧雪された雪が少し湿り気を帯びます。

氷雪皿を冷蔵庫から取り出した時の氷を思い浮かべて頂くと分かりやすいかと思います。

少しつるつるした表面の雪が夜になってそのまま凍ります。

まさにスケートリンクの上を走っているかのように危険な状態となるのです。

ちなみに、圧雪が少し解けた状態によっては、

車が5km,10kmの徐行で走っていても、

ブレーキをかけた途端に、その場で1回転するという光景をごく稀に見ることができます。

 

雪のある道路なんてものは、↑こんな状態がほとんどです。

気温が上がり、暖かくなると

除雪された雪が解けて、雨が降った後のような水分の多い道路となります。

 

そこを走る車が泥水となった水を跳ね上げ、

除雪された雪がその泥水を被ります。

春が近づくにつれ、道路脇の雪たちは、真っ黒な雪へと変貌します。

 

「雪かき」をしていてよく出てくる言葉は、

”どうせ解けてなくなるのに・・”

ということであります。

 

それでも、放っておいたら車も人も通れなくなるし、

何より運動不足の解消で必死に雪を掻く人もいます。

積み上げた雪でかまくらを作ったり、

そりで滑ったりすることもできますし、

自転車が乗れないこの季節は、場所によっては、

そりに買い物の荷物を乗せて運ぶ人もいます。

 

今年の雪も

実生活では邪魔で危険で汚く見えることがほとんどでしたが・・・

そんな雪たちもようやく姿を消し始めた今日この頃です。

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