僭越ながら少しでも被害が少なくるように、と願いを込めて当サイトでは投資詐欺のニュースを定期的にお知らせしています。
今回の発生源は北海道釧路地方なんですが、事件の概要は以下のようになります。
- 被害者は60代男性
- SNSによる投資詐欺
- 相手は片言の日本語で帰国子女を謳う女
- 4000万円以上を取られる
まず、今の60代、70代のかたは普通にスマホも使えてSNSもガンガン使いこなしますよね。
10年くらい前であれば、還暦を過ぎたかたがSNSによって被害を受けるというのはあまりなかったと思いますが、今の高齢者のかたであれば難なくスマホやSNSへの参加ができてしまうので、今回のような投資詐欺に遭う確率を高めてしまっています。
ただ、発端は出会い系サイトだったと言うから思わずため息が出てしまいましたね。
今回の詐欺は、犯人がフェードアウトするまでの期間が結構長かったです。
被害男性はおそらく知り合ってからすぐに心を許した感じで、それが犯人にも伝わっていたのだと思います。
2023年3月に出会い系サイトで知り合い詐欺行為を開始してから2024年8月にドロンするまで1年5カ月あり、その間に4000万円をだまし取ったので入念に少しずつお金を振り込ませたのでしょう。
犯人は「片言の日本語を話す帰国子女の投資家」という設定で近づいたようで、出会い系サイトで知り合ったというくだりからもお分かりのように性別は女性です。
そこからSNSに誘導し、CO2(二酸化炭素)取引に関する投資話を持ち掛けたら、見事に今回の被害男性が引っ掛かったという感じですね。
被害男性はSNS上で、この犯人から特定のインターネットサイトを紹介され2カ月間で現金935万円を振り込んだら、9000万円の利益が出たと画面に表示されたのを見て信じてしまったそうです。
この2カ月の間に、振り込みに訪れた先の金融機関の担当者から「大丈夫ですか?」と声を掛けられるも「知り合いに振り込むだけ」と答えていたそうです。
そして、2024年8月にサイトにアクセスできなくなり、警察に相談して発覚したのが今月ですから被害男性が自分なりに調べていたのか、女性を探したのか、家族や知り合いに泣きついて相談していたのかいずれかもしれません。
最初の2カ月で935万円ですから詐欺案件にしては比較的少額で、男性も「少しの余裕資金を投じた」ぐらいの気持ちだったのかもしれません。
最終的に4000万円ですけどね・・・。
ここまで事件の背景をざっくり読んでみて、どうでしょうか?
「もしかしたら家族のいない60を過ぎた男性が、SNSで知り合った日本語のままならない女性をつい可哀そうなのか可愛いのかそう思って、手助けのつもりもあって話に乗ってしまったのかもしれないな」
と投資詐欺と言うよりは完全に恋愛詐欺に近い感じの被害男性に同情してしまった人もいるかもしれませんね。
しかし、お金が絡んできたらまずはどんな事情があっても絶対に相手を疑ってかからなければなりません。
この手の話ではありがちなのですが、実は被害男性は犯人の女性に一度も会っていないんですよ。
すべてSNS上でのやり取りで、少しずつ本当に少しずつお金を搾取されているのですが、お金を投資してと言われた時点で「おかしい」と疑っていれば、SNSだけで一度も会っていない相手に心を許しお金までつぎ込むわけがないのです。
もしかしたら心に”寂しい・・”という、いわゆる哀愁の漂う雰囲気が被害男性にあり、それを察知されてうまく丸め込まれたのかもしれませんが、丸め込まれたのだとしたらその先にお金を要求される「話の転換点」が絶対にあるはずなのです。
今回のお話で言えば、被害男性が「会えたらアレしてコレして・・」という邪な考えを持っていたのかもしれません。
恋愛も投資も自由にできますが、自由と言うのは怖いもので、恋愛も投資も詐欺に繋がっている可能性がある以上、自由の中にも自分を律しなければならない部分が必要なのです。
現代では全世代がスマホでSNSを操作できる時代です。
自分のお金を扱う際には十分注意したいですね。