今回は、「オプション取引」を分配金の原資としているアクティブファンドについて語ってみたいと思います。
その前に、リスクヘッジのお話もしておきましょうか。
投資信託の各ファンドは、運用で損失を防ぐために、株式やファンドの売買以外にリスクヘッジを行う場合があります。
リスクヘッジの主な方法として「為替取引」や「オプション取引」が挙げられるでしょう。
よく同じファンドなのに「ヘッジあり」と「ヘッジなし」に分かれている商品がありますね。
これは投資した先のファンドが持っている外国資産(外国株など)が、為替変動によって円に換算した時の価値が変動しないようにするためで、投資家が為替の変動を気にしなくてもファンド側で為替変動に対応しながら運用してくれるのが「ヘッジあり」の商品となります。
一方、ファンドの運用は投資対象の値上がり・値下がりだけを考えられて、リスク変動には一切対応していないのが「ヘッジなし」の商品になります。
両者の違いとして、「ヘッジあり」の方が運用の手数料が高くなります。リスクを軽減するためのコストが余計にかかるためです。
それではファンドに付帯している「ヘッジ」で多く見られる「為替ヘッジ」について見ていきましょう。
為替ヘッジ
為替ヘッジで多く使われる手法は「通貨のフォワード」です。
フォワードとは「将来の特定レートで交換する“義務”の契約」になります。
例えば、「現在1ドル150円で、1か月後でも1ドル150円で交換する契約を結ぶ」などです。
「先物」と似ているのですが、銀行や証券会社と個別に契約できる上、証拠金やオプション料などの余計な経費も不要なので、一般的に為替ヘッジはこの手法が使われます。
ファンドの規模によっては「通貨スワップ」を使う場合もあります。
為替レートの変動によって損益が発生する点は一緒ですが、通貨スワップはFXとは仕組みが違います。
言ってみれば、異なる通貨同士であってもその差が取引に影響しないように調整してくれるものであります。
「ヘッジあり」のファンドを購入したからと言って、投資家はこの為替を裏側でどう調整しているかまでは全く意識していないでしょう。
そして次の「オプション取引」も一部でリスクヘッジに使われる金融商品となります。
プロテクティブ・プット
オプション取引を使ったリスクヘッジは、株価などの下落局面で「損失を一定にカバーする」手法で、プットオプションの買い(プロテクティブ・プット)を使います。
コールオプションの売り(カバードコール)とプロテクティブ・プットを組み合わせた「コラール」を使う場合もあり、これは上値も下値もどちらも限定するやり方です。
とは言え、これもヘッジとして利用される場合は投資家がそれほど意識するものではないでしょう。
「そういうヘッジを行っているんだ」くらいのものかもしれませんね。
ファンドで設定されているオプション取引はこのような「損失を限定する」ヘッジとしての使い方とは別に、収益を増やすための戦略としても用いられます。
「オプション取引」自体はウォーレン・バフェットのような超有名な投資家であっても、投資の一部に取り入れるくらいに「収益」を上げる手法でもあります。
先ほどの「カバードコール」などは、インカムを増やすための手法としても使われるのです。
そんな「カバードコール」を使ったアクティブファンドが、今人気となっています。
その人気の秘密はやはり「毎月発生する分配金」にもあるのですが、何と言っても10%を超える高利回りが魅力となっています。
それが、楽天証券が提供している「楽天・米国成長株式・プレミアム・インカム・ファンド(毎月決算型)」になります。
カバードコールファンド
販売されてからまだ日が浅いファンドで、ここまでは順当に分配金を払っているようです。
手数料は0.658%と少し高めですね。
このファンドは、米NASDAQを投資対象としたカバードコールで、将来の値上がり益を放棄して、現在のプレミアム収入により利回りを高くしています。
将来的な値上がり益を放棄する手法がメインのため、ファンドそのものの基準価額の上昇率は芳しくありません。
カバードコールファンドの特徴は、相場が上昇している時には値上がりについて行けない一方で、相場が下落している時には基準価額が下がっても分配金はもらえるようになっています。
例え高利回りでも、ファンドの価値そのものが上がっていかない可能性は高いです。
「毎月分配金」と「高利回り」という定番の謳い文句に惑わされないようにしたいですね。
資産の一部をこのようなカバードコールファンドに回してもいいと思いますが、深追いしないように気をつけたいところです。


