株の値上がり益に比べると配当株による収益は、地味に感じるかたもいるでしょう。
しかし配当株投資も毎年増配している企業の株を早い段階で購入しておくと、レバレッジ効果を期待できるので、是非活用したいところです。
今回は「配当株や増配銘柄への投資で利用したいサイト」について少しお話してみたいと思います。
配当の増減は企業の決断のみ
配当金を株主に毎年支払っている企業が、前年の配当金額よりも多い配当金を支払うのが「増配」になります。
配当金を増やすか現状維持にするか、それとも配当金の支払いそのものをやめてしまうかは、企業の決断だけとなります。
東証などからの助言や要請が企業の配当金額の決定に影響を及ぼす場合があるとは言え、株価の増減のように世界情勢や政治的な理由、自然災害などはそれほど影響しません。
企業の経営状態が前年より悪くても配当金は現状維持だったり、多少の経営不振でもこれまでの配当金が少なすぎたから少し配当金額を増やしたりする場合もあるからです。
内部留保から配当へ
どちらかと言うと日本株は、利益が出ても配当というよりは「内部留保」する傾向にありました。
しかし近年は株主への還元を重視する企業も増えたので、人気があり株価が成熟していても、配当利回りが上昇傾向の企業も見られるようになりました。
各証券会社の銘柄サーチだと「利回りでパーセンテージの大きい順」など並べ替えられるようになっています。
ただ毎年増配している銘柄や増配率、連続増配期数などを同時に一覧として確認できるようなツールは提供されていない場合が多いでしょう。
そんな増配データを調べたい時に使いたいサイトをご紹介したいと思います。
日本株は日本のサイトを米国株は米国のサイトを使用します。
残念ながら一部データが隠されている場合は有料プランに加入する必要がありますので注意してください。
日本株も米国株も増配銘柄をチェック
まずは日本株の増配銘柄をチェックできるサイトになります。
2つとも有名なサイトなのでご存じのかたも多いでしょう。
株探
最初に株探の画面から見ていきたいと思います。
株探のトップページの上部に、「銘柄探検」というボタンがあります。
このボタンをクリックすると、下の方の一覧に「配当連続増配ランキング」というリンクがあるので、これをクリックします。
一覧表の花王やSPKなどの企業銘柄が表示されていて、花王であれば連続増配期数は「36」となっているのが分かります。
つまり36年間の増配を達成しているわけですね。
残念ながらすべての増配企業データを見ようと思ったら、プレミアム会員になる必要があります。
では同じようなデータを上位20企業で見られるサイトを見てみましょう。
ダイヤモンドZAiオンライン
こちらも有名な「ダイヤモンドZAiオンライン(以降ZAi)」になります。
ZAiのページはトップページの中間あたりまで下がると、「配当【増配・減配】最新ニュース」という一覧があります。
この一番上のリンクをクリックします。
増配予想などを発表した最新の企業情報が表示されます。
最新の企業情報のページを下がっていくと、途中に上のような「連続増配ランキング」というリンクがあるので、これをクリックします。
先ほどの「株探」と違って、「ZAi」の方は上位20位までの増配ランキングが表示され、それぞれの企業の詳細情報も解説してくれています。
増配ランキングに出てくる企業が毎年きちんと増配してくれると、ランキングのメンツにほとんど変化はありません。
したがって最初に出てくる増配の最新情報で表示された企業などは、初めての増配となっている可能性も高いので、要チェックかもしれませんね。
Dividend.com
次に米国株の増配銘柄をチェックする場合には、「Dividend.com」というサイトを利用してみましょう。
サイトを日本語に翻訳しています
トップページ上部の「ガイド」をクリックして、「配当チャンピオン」をクリックしてみます。
この一覧は、増配を25年以上続けている銘柄の一覧が上場先に関係なく表示されます。
トップの「アメリカン・ステーツ・ウォーター社」は71年増配を続けています。
ウォーレン・バフェットが長年保有している「コカ・コーラ」も64年ですし、「P&G」として日本でも有名な「プロクター・アンド・ギャンブル」も70年と増配期間が長いですね。
増配銘柄のレバレッジとは
1990年当時、「コカ・コーラ」の株価は4.88ドルで、配当金は0.1ドルでした。
つまり配当利回りは約2%(0.1÷4.88)です。
この時点から「コカ・コーラ」を1株でも保有し続けていると、2024年12月期時点の配当金が1.94ドルなので、配当利回りは約40%(1.94÷4.88)にもなります。
1990年時点で「コカ・コーラ」に10,000ドル(1ドル100円計算で百万円)分を購入したとしましょう。
当時はインターネットで購入できるわけでもないですから、手数料等は結構掛かるとは思いますが、その辺を無視して計算すると、2049株程を持てます。
この当時で既に年間204.9ドル(20,490円)を配当金として受け取れます。
そのまま保有し続け、現在の配当金1.94ドルで計算すると・・・
年間で3975.06ドル(397,506円)の配当金が受け取れるわけです。
同じ購入金額でずっと持っているだけなのに、増配してくれただけで勝手に受け取れる金額が上昇していく。
つまり配当銘柄で継続的に増配している銘柄は、長期保有しているだけで利回りが劇的に向上するわけですね。
投資でのレバレッジとは、小さい資金で多くの利益を獲得する方法なので、10,000ドルという小資金で年間3975.06ドル獲得でき、さらにこの先も増配すればさらに年間の配当金が増えていくのは、非常に効果的なのです。
ただこの方法はとにかく時間が掛かるのが分かるでしょう。
1990年に4.88ドルの株価で購入した株を30年以上も保有し続けてようやく現在の40%の利回りを達成できます。
「コカ・コーラ」という企業を好きでないと、ずっと保有するのは難しいかもしれませんね。
ちなみに現在のコカ・コーラの株価は70ドルくらいなので、今この瞬間にコカ・コーラの株を購入しても配当利回りは2.7%(1.94÷70)くらいになります。
増配銘柄に投資してレバレッジ効果を期待するには、どうしても銘柄が配当金を増やしていくまでの長い時間が必要となるので、「バイアンドホールド」を長期的に計画できる若い世代に有効な方法となるでしょう。
(まとめ)
現在の株価が割安で、これから長く増配していきそうな銘柄を探すのは簡単ではないかもしれません。
米国株であれば先ほど挙げた「Dividend.com」のようなサイトで、25年以上増配している企業の一覧と各企業の配当利回り、配当性向、EPS、PER、EBITDAなども合わせて確認できます。
証券会社のスクリーナーでは配当に関する情報はあまり多くないので、今回のようなサイトを使って各銘柄の配当情報を是非探ってみてください。








