投資を始めると、常に”ある問い”を自問自答するようになると思います。
それは、「いつ買ったらいいのだろう?いい感じに上がっていきそうだ・・・いや、これから下がるかもしれない・・もうちょっと待ってみようか」
こんな1人劇場を心の中で展開した経験はありませんか?
株や投信、債券などを「買うタイミング」というのは中々難しいものです。
日本株の場合は、購入時も決済時も「日本円」でのやり取りになるので、株価などの変動だけを気にしておけばいいのですが、米国株などの外国証券になると、それに加えて「為替差損」にも気を配らなければなりません。
特に、最近の「円安」によって、「今、米国株を買って、この先、もし円高に振れたらそれだけで為替差損が発生してしまう。」と米国株の購入に二の足を踏んでしまっている方も多くいるかもしれません。
為替差損とは
株価が10ドルの米国株を10株購入しようと思うと、「10ドル×10株=100ドル」となり、日本円に直すと14,000円かかります。
円高となり1ドルが130円になりました。
上の株がまだ10ドルのままで、同じ数量である10株を持っていても、円高になっただけで価値が13,000円となってしまいました。
このように為替の変動により損失が発生するのが「為替差損」となります。
そんな「買うタイミング」を迷ってしまう方には、「ドル・コスト平均法」という購入方法をお勧めします。
「ドル・コスト平均法」ってなんだ???と言う方のために、3つのメリットと1つのデメリットを見ていきたいと思います。
ドル・コスト平均法のメリットとは
「ドル・コスト平均法」のメリットは、以下の3つが挙げられます。
メリット
- 平均購入単価を抑えられる
- 感情に振り回されない
- 初期投資にまとまったお金がいらない
平均購入単価を抑えられる
「ドル・コスト平均法」とは、毎月一定の金額を投資する方法になります。
価格が低い時には購入量が多くなり、価格が高い時には購入量が少なくなります。
購入単価が一定になるような積立方法となるので、リスクとリターンが平準化されます。
(ただし、「必ずリターンを得られる」というわけではありません。)
価格変動の大きい銘柄などは、「ドル・コスト平均法」によりリスクを減少できるのです。
感情に振り回されない
一定期間、決まった金額を投資する「ドル・コスト平均法」は、「いつ買ったらいいのだろう・・?」という迷いをなくしてくれます。
銘柄の価格が上がろうが下がろうが、一定金額を投資するわけですから、「リスクの存在する積立」と言えるでしょう。
いわゆるコツコツ派には非常にやりやすい手法となりますね。
当然、時間と共に購入数量が増えてきたら、運用面も注視していかなければなりません。
購入単価を変更したり、決済により利益を確定したり、と当初自分で定めた目標へと向かって調整していく必要があります。
初期投資にまとまったお金がいらない
投資と聞くと”最初にまとまったお金が必要になる”と思う方もいるかもしれませんが、「ドル・コスト平均法」で投資をすると、一定金額を一定期間捻出するだけなので、初期投資であってもお金をコントロールできます。
着実にコツコツと積み立てる最初の1歩も金銭的・精神的ともに負担にはならないでしょう。
ドルコスト平均法のデメリットとは
では、「ドル・コスト平均法」のデメリットとは何でしょうか?
デメリット
- 短期投資には向かない
- 右肩上がりの値上がり銘柄ではリターンが少なくなる
短期投資には向かない
「ドル・コスト平均法」は、一定金額を一定期間積み立てていくので、投資タイプとしては「長期投資」となります。
”短期で利益を上げたい”、という思いからリスクをある程度取れる場合には、退屈な投資方法となります。
右肩上がりの値上がり銘柄ではリターンが少なくなる
選択した銘柄が、その後右肩上がりに成長していく銘柄であった場合、初期投資でまとまった金額による投資(一括投資)を行っていた方が、リターンは多くなります。
もちろん、この場合は結果論です。
「ドル・コスト平均法で投資する」、と決めたのなら結果的にリターンが少なくなっても、感情的にならず穏やかにコツコツ積み立てられたこれまでの時間を良しとしましょう。
まとめドル・コスト平均法
長期投資で一定期間、コツコツ積み立てられる「ドル・コスト平均法」のお話でしたが、本文にも少し書いた通り「リスクがまったくないわけではありません」。
例えば、選択した銘柄が右肩下がりに下がっていけば、この銘柄に関する収支をプラスへと転換するのは難しいかもしれません。
あくまでも、「時間を使って購入単価を平準化しリスクを軽減する」手法であります。
そのため、自分のポートフォリオ内で、「短期投資」、「長期投資」、「トレード」などと分散して、投資金額の一部を「長期投資(ドル・コスト平均法)」で運用してもいいわけですね。
今後の資産形成において、自分なりのルールで良い投資を行ってください。