2022年7月22日、芸能関係で、とあるニュースが大きな話題となっていましたが皆さんは覚えていますか。
「TKO木本武宏に”詐欺罪”、”横領”の可能性」
そう、お笑い芸人のTKO木本氏に、「投資詐欺の疑い」がかかった件です。
後輩芸人やスタッフなどに投資話を持ち掛け、5億円以上の出資金を集めていたそうですね。
出資していた人の名前もテレビによく出ている芸人の方が多く、1人1人が出資した額も大きかったために、センセーショナルなニュースとして話題となりました。
それにしても、なぜこれだけ被害額が大きくなってしまったのでしょうか。
これは、投資詐欺において最も被害者の多い「ポンジ・スキーム」だったからだと思われます。
ポンジ・スキーム
アメリカの天才詐欺師「チャールズ・ポンジ」が由来。
「出資金を募り、投資先の運用益を配当金として支払う」として投資家から資金を集めるが、実際は運用をせず、新規の出資金を配当金に回す手法。
最初から「最後は飛ぶ」が前提なので、運用は一切しない。
今回もおそらく、以下のような流れがあったと思われます。
投資詐欺の簡単な流れ
- 詐欺師が「投資すれば投資資金の30%を配当として支払う」ともちかける
- 何らかの運用をしていると見せかけて実は何もしていない
- 新規顧客の出資金を「配当金」として既存客に支払う
- 配当をもらった既存客は喜んでさらに出資する
- 詐欺師はタイミングを見て消息不明となる
今回の木本氏の場合も、実際に出資したお金が運用されていたわけではなく、木本氏が配当金として手にしていたお金は、新規顧客が投資した金額の一部から払われていたのでしょう。
このような「ポンジ・スキーム」の多くは、「新規顧客を紹介すると、紹介料がもらえる」ために、「いい投資話がある」と、どんどん自分の周りの人たちに薦めて、結果的に被害を広げてしまうのです。
つまり、知らない内に自分も加害者の一人となってしまうわけですね。
では、「ポンジ・スキーム」に引っかからないためには、どのような注意点(というか心構え)が必要になるのでしょうか。
何かおかしい・・
- 高すぎる配当金
- 紹介すればキャッシュバック
- 新しい投資手法
この辺りでしょうか。
順番に見ていきましょう。
高すぎる配当金
どのような投資先に、どれだけの投資金額が集まって、そのためにこれだけの配当金が出る、という流れを明確に理解できない場合は、投資詐欺を疑いましょう。
「よく分からない内に、年利40%も50%も配当金がもらえる」などと言うのは詐欺の典型ですね。
紹介すればキャッシュバック
なぜ、紹介料が高額に謳われるのかというと、新規顧客の投資資金を配当金の原資にしているからです。
つまり、最初から「新しく多くの人が紹介されないと成り立たない」仕組み(スキーム)なわけです。
新しい投資手法
「新しい投資手法」や「これまでにないAIを駆使した分析力」など、”今までにない投資技術のような新しいもの”を謳っている場合、それが自分の理解できるものかどうかをまずは調べてみましょう。
「投資」というからには、投入するべき先となる「資本」や「資源」があり、これらがどのように成長していくか(あるいは鈍化するか)によって、投入した自分の資産も上下するわけです。
ここが何も見えない・・もしくは
ぼやけている・・
ようでは、魅力的な投資対象とはならないでしょう。
まとめ見極めが大事
さて、昔から多くの投資詐欺として挙げられてきた「ポンジ・スキーム」について、芸能界を騒がせたニュースと合わせて今一度確認してみました。
「投資は難しいから誰かに任せたい」、「投資はできるだけ面倒くさくない方法で行いたい」という人ほど、実は投資詐欺には引っかかりやすいです。
今回のように、仲間内や知り合いなどから薦められたら簡単に断るのも難しいかもしれません。
そのためにも、「自己の金融リテラシー」を上げなくてはなりませんね。
個人での投資というのは、実は地味であったり、時間がかかって結果が出たりとそれほど簡単にうまくいくものではありません。
うまい話が舞い込んできた時には、自分がその投資を理解できるものかどうかをまずは見極めてください。