「フジ・メディア・ホールディングス」の株価が2025年の1月は急騰しましたね。
もちろん、この会社はフジテレビの親会社なので、最近のお騒がせ状況から株価が下がるかと思いきや見事に上昇し、今日1月28日時点で株価は2,000円に到達しました。
今年最安値は1月9日時点の1,599円だったので、25%も上昇したわけです。
さて、今月この株を購入した人には、投機目的と投資目的の2通りがいたと思っています。
投機目的
株価が値上がりした理由が、ネット上で経営陣刷新を目論む人たちがフジの株を購入している状況からだと判断し、会社の業績などとは関係なく「投機的」に購入した場合です。
もし、1月の半ばくらいでフジの株を購入していれば短期で大きく稼げた人もいるかもしれません。
また、実質の利益だけでなく、総会への参加という点も考えられます。
3月決算ですから、次の株主総会は6月末に開催されると思いますが、3月31日までに株を持っていれば株主総会に出席できます。
つまり、3月末までは、この株主総会への参加チケットのような形でフジの株は買われ続ける可能性があります。
逆を言えば、3月末を過ぎると一斉に売りに出されて急落する恐れもあるので、この辺りを見越して買ったり売ったりするわけですが、これは投機となりますね。
次のフジの株主総会は、株を買ったたくさんの著名人が出席すると思います。
そして、目的通り経営陣の退任を求める声が飛ぶでしょう。
フジの株を購入すると、この総会を株主という一当事者として目の当たりにできるチャンスでもあります。
フジの株を購入した他の投資家ともども、「新しいフジテレビを作っていこう」という新たな瞬間に関係者として立ち会えるかもしれません。
投資目的
こちらは、投資の本質を見極めて購入する場合ですね。
財務分析や将来性を見て企業価値を判断します。
現在、フジテレビからはスポンサーが続々と撤退しています。
決算資料によれば、フジテレビの2024年度の広告収入は1,473億円で、これは全体の売上の25%となっています。
しかし、このグループの利益構造は、「サンケイビル」や「グランビスタ」などの不動産収益が、メディア・コンテンツ事業の2倍ほどの営業利益を稼ぎだしており、フジテレビの影響がどの程度不動産事業の方まで及ぶのかによります。
このメディア・コンテンツ事業の利益には、FODなどのサブスクや映画・アニメの販売も含まれているので、純粋にフジテレビの広告事業単体で見た時には、もう少し利益が少なくなっていると思われます。
これらを総合すると、メディア・コンテンツ事業の影響はグループ全体としてはそれほど大きくないかもしれませんし、不動産から撤退が相次ぐと買収案件になったり上場廃止になったりとボロボロと崩れていく可能性も秘めています。
こういったあたりを踏まえて、フジの株を今後購入するのかどうか見極めていくのが投資での購入となるでしょう。
(まとめ)参加型でもいい
今回のフジテレビの問題は、オールドメディア事業の一大変革期なので、総会に参加するための参加チケット的に株を購入(つまり投機的)してもいいかもしれませんね。
「株主がオールドメディア企業の取締役を選任する」という場面は、今後も早々あるものではないでしょうから。
ただ、もし購入するのであれば、購入した目的とそれをどのような状態になったら手放すのか(売るのか)の方向性は自分なりにきちんと持っておきたいところですね。