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バランス重視と同じように、国債や公社債などの「債券」に投資する「債券型」も非常に人気があります。

今回は、値動きの少ない「債券型ファンド」の安全性について見ていきたいと思います。

リスクが低い?債券型ファンド

「債券」と聞くと、銀行預金に利子が付く安全性の高い投資商品と同じように括る人がいます。

確かに、株式よりも値動きが小さく満期償還時までに一定の利子を受け取れるので、債券を中心とした「債券型ファンド」は一見安全性が高い投資対象に映るようです。

しかし、政策金利によって債券価格が上下したり、国の政策や財政状況などでも債券価格は変動します。

また、国債ではなく、社債だけに投資するファンドもあり、新興国だけではなく先進国であっても格付けの低い会社が発行している社債に投資する場合は、倒産のリスクも高まります。

つまり、「債券型ファンド」であっても運用成績がマイナスになる可能性は十分にある、と言えるのです。

債券に発生する様々なリスクとは

債券も先進国、新興国でリスクが変わってきますし、外国債券であれば為替のリスクも発生します。

国債

日本先進国新興国
為替リスクなしありあり
信用リスク低い低い高い
利率低い低い高い

「国債」は、日本を始めとする先進国はリスクが低い分受け取れる利息が少なくなります。

先進国を中心としたファンドの場合、利息よりも為替の影響を大きく受けやすくなるでしょう。

円安に動くと、運用成績がプラスへと向かいますが、逆に円高局面ではマイナスに向かい、低い利率の収益では補えないくらいの為替変動が発生する可能性もあります。

社債

債券にはもう一つ企業が発行する「社債」があります。

信用の低い企業が発行する社債は、「ジャンク債(ハイイールド債)」と呼ばれ、デフォルトのリスクもあるため、投機的に扱われるなど値動きが荒くなります。

その分、利息は高めとなります。

日本債券型ファンドを買った方がいい?

「日本で暮らしていると、暮らしやすさや治安など諸外国とは比較できないほど住みやすい」と思う方は当然多いでしょう。

そういった観点からもやはり日本の企業や国の信用は高めになるわけですが、それだったら『日本債券だけに投資するファンドだったら安定した成績を残せるのではないか』と言うと中々そういうわけにはいきません

現在、すっかり低金利が定着してしまった日本では、国債の値段が高くなり、最終利回りでもマイナスになってしまう状態が続いています。

最終利回りマイナスまでの流れ

金利が下がる→債券価格が上昇する
債券価格の上昇→債券の額面価額よりも時価の方が高くなる
債券を満期まで保有すると額面の金額で償還される→償還差損となる
途中に発生する利息の受け取り分を計算に入れても償還差損を補えない→最終利回りがマイナスで終わる

では、償還差損を被らないためにはどうしたらよいのか、と言えば・・・そう、満期まで債権を保有しなければいいわけですね。

低金利(時にはマイナス金利となりましたが)であれば、債券価格が下がらないので、債券価格が額面価額(購入価格)より高い時に売り抜けて利益を確保すればいいのです。

つまり、債券価格がどこまで上昇するか分からないけど、上昇して売れば利益、もし額面より下で推移すれば損失・・

これって株式の売買とそれほど変わらないですよね。

日本型債券で運用している投信であっても、決して成績が安定したり収益が増えたり、というわけではないのがこの部分だけを見てもよく分かります。

異なる3パターンの債券型ファンド

では、「楽天証券」の買付ランキングで上位3本の「日本債券型投信」の成績を見てみましょう。

eMAXIS Slim 国内債券インデックス

おなじみ「eMAXIX Slim」シリーズの「日本国内債券型」となります。

日本国債に8割以上を投資している「インデックス型ファンド」ですが、現在は基準価額を下げています。

分配金を出さず、純資産総額が増えているファンドなので、投資対象の債券(国債や公社債など)価格の下落により基準価額が下がってきているのでしょう。

運用成績は悪い(基準価額の下落)のに、日本債券型は相変わらずの根強い人気を誇っている(口数増加)ため、純資産総額が増えているわけですね。

参考純資産総額=基準価額×総口数

日本債券ベアファンド(5倍型)

2番目に人気の日本債券型ファンドは、「ブル・ベア型」となります。

ブル・ベア型とは

先物などを使用して株価指数の上昇・下落を予想して、その数倍の利益を目指す。
「ベア型」の場合、先物取引で売りから入り、株価指数が下落した後に、安値で買い戻し利益を獲得する。

インデックスの5倍を目指す「ベア型」のファンドですが、これはファンド名に「日本債券」と書いてあるだけで、実際には債権に投資しているファンドではなく、「長期国債標準物先物」を取引しているファンドになります。

以下の記事でも書きましたが、ファンド名に「日本債券」と入っていても必ずしも債券へ投資しているとは限らないので、ファンド名に騙されてはいけません。

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債券先物取引がメインの「ベア型」は、長期保有には向かないので、売買タイミングの多い方向きですね。

東京海上セレクション・物価連動国債

3番目に人気の「東京海上セレクション・物価連動国債」は「物価連動国債10年物」にほぼ100%投資します。

「物価連動国債」というのは、「物価の動きに連動して元金額や利子額が増減する国債」になります。

現在、このファンドが組み入れている「物価連動国債」の特長は、以下のようになります。

  • 償還時に元本保証がある
  • 表面利率は10年間一定である
  • 元金額が物価によって増えれば利息も増える
  • 利息の支払いは年2回である

現在このファンドが保有している「物価連動国債」は元本保証があるのも、運用にいい影響を与えているのかもしれません。

元本保証とは

「物価連動債」において、物価の下落により額面価額(発行時の元金額)が値を下げても、償還時(満期時)は額面価額での償還が保証される。

当然、満期まで保有していなければ元本は保証されない。

例)満期10年の物価連動国債が10年後に償還を迎えた場合
購入時の額面価額:100万円
10年後、物価は下落
償還時の想定元金額(物価連動を含めた債券の元本):90万円
しかし、元本保証ありなので、償還金額は額面金額通りの100万円

上の例の場合、10年間物価が下がり続けると、表面利率は一定のため受け取る利息に関しては減少します。

発行額面の元本保証を始めたのが、2013年以降発行のものからなので、そのタイミングで(かどうかは分かりませんが)少し運用がプラス面へと推移し、純資産総額も増加しているのが分かります。

同じ日本国債でも、「物価連動」で元金や利息が変動するパターンは、運用するファンドマネージャーの力量も少なからず影響します。

投資家の立場から言えば、インフレ時のリスクヘッジとして資産の一部に持っておくのはいいかもしれませんね。

まとめ期待値は少ない?

今回は、債券に投資するタイプのファンドの特長や日本債券に特化したファンドについて見てきました。

どうしても、安定的に”利益が出る”と勘違いする方が多いこの債券型ファンドですが、私的に言えば「多少リスクのある預貯金」のような感じで、債券型ファンドで利益を得ようとは思わないですね。

「分散」という意味では、債券型ファンドを持っておくのはありですが、ハイリターンとはなりにくい分野でもあるので、自分のポートフォリオ内でハイリスクハイリターンが増えている場合の対局の存在として持っておく分にはいいのではないかな、と思います。

「物価連動債」に投資するファンドは、償還時(満期時)の元金が物価の変動により想定できないため、「最終利回り」を計算できませんが、通常の債券だけに投資するファンドであれば、運用会社が報告している「月次レポート」に、レポート報告時点の「最終利回り」が表示されています。

ちなみに、先ほど1本目で紹介した「eMAXIS Slim 国内債券インデックス」の月次レポートが以下になります。

このファンドの「最終利回り」が0.3%、支払う信託報酬は0.132%(上の画像内に記載はありません)となっています。

つまり、最新のデータでは、投資家の利益はおおよそ0.2%弱ほどになっているのが分かるというわけです。

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