株式投資と比べてまだ投機的に見られているのが暗号資産です。
暗号資産と言えば「ビットコイン」が有名でしょう。
他にも有名・無名合わせても膨大な種類があり、これから価値の上がりそうなものも多くある暗号資産と言えども、日本ではイマイチ話題性に欠けているようですね。
暗号資産の裏側にある「ブロックチェーン技術」はAIよりも市場の注目度が高いと思っているのですが、爆発的に生活に浸透していくまでにはもう少し時間がかかるかもしれません。
実は暗号資産界隈において、8月の半ばに日本で画期的なニュースがあったのをご存じですか?
それは金融庁が初めて日本円建ての「ステーブルコイン」を承認したのです。
ステーブルコインというのは「価値が安定しているコイン」という意味で、8月に承認された「JPYC」は、フィンテック企業のJPYC社が発行しています。
社名と同じ「JPYC」は通貨の単位であり、1JPYCが1円と同じ価値を持ちます。
アメリカでは、既にテザー社の「USDT」やサークル社の「USDC」がステーブルコインとして流通していて、ドルと同じ価値を持つこれらの暗号資産が取引に使われています。
日本でもようやく自国発のステーブルコインが、これから流通するようになっていくというわけですね。
冒頭でも触れたように、暗号資産の代表的存在と言えばビットコインです。
しかしビットコインでは値動きが激しいので、日常の決済取引では使えないのです。
そこで透明性や安全性などを担保に即決済ができる暗号資産の強みを生かしつつ、日常の取引で決済しやすいステーブルコインに注目が集まり、今回日本で初めて発行が決まったのが「JPYC」なわけです。
日本円との交換が保証されているのは、JPYC社が同額の預貯金や国債を保有しているからです。
今後、店舗などでもJPYCが使えるようになっていくでしょう。
その際の決済手数料は、クレジットカードやQR決済と比較しても安くなるようでユーザーの利便性も向上します。
JPYCは、JPYC社のサイトで購入できます。
ただ現在は新規取引を一時停止しているので、発行が再開されるのを待ちましょう。
この間にJPYCなどの暗号資産を管理する任意のウォレットアプリを使えるように準備しておくとよいですね
例えばブロックチェーン上では、自分が銀行のようにお金を借りたい人に直接貸して、利息収入を得るという使い方もできます。
今までの現金では、以下の様でした。
現金を貸して利息収入を得るためには、間接的に銀行などの金融機関に一旦自分のお金を預ける必要がありました。
そこから金融機関が、営業などで借りたい人や企業にお金を貸して利息収入を得ていきます。
そして最終的に、金融機関が得た利息収入のほんの一部が、お金を貸していた私たち預金者の元に支払われる、という流れが現状であり長年続いてきた預金取引の仕組みでした。
ではJPYCではどうなっていくのか?
JPYCのようなステーブルコインは流通していくと価値が安定しているために使いたい人はどんどん増えていくと予想されます。
JPYCを必要としている人に直接貸し出して、貸し出した金額に応じた利息をもらう。
そこには間に介在する金融機関は存在せず、ブロックチェーン上の暗号資産の取引だけで成立します。
ブロックチェーン上の資産運用を考えると、将来の資産形成は全然違う仕組みになっているかもしれませんね。
今回のような投資に関するお話というのは中々巷には表れず、特に暗号資産関連はメディアでもあまり取り上げられません。
しかし実際には日本円建てのステーブルコインが初めて発行されようとしていますし、徐々に暗号資産やブロックチェーン技術も浸透していくでしょう。
暗号資産やそもそも投資自体に拒否反応が出てしまうかたもいると思います。
インターネットと同じようなビッグバンの可能性を秘めている暗号資産やブロックチェーンが、世の中にまだ受け入れられなくても一歩ずつ着実に私たちの生活は変わっていくでしょう。
目を背けてもいられません。まずはこの日本初のステーブルコインがどのように進化していくか注目したいところですね。

