2024年9月3日、あるニュースが世間を騒がせました。
それは、エヌビディアに対してアメリカ司法省が、「独禁法の調査を本格的に開始した」というものです。
さらに、決算発表が市場の期待を裏切ったものとなり独禁法の調査に拍車をかけてしまいました。
エヌビディア株を保有していた投資家は、ずっと好調を維持していたエヌビディアの動向に注目していたと思います。
そして、その報道後にやはり株価も反応を見せ、米国株の1銘柄としては過去最高となる1日で約9.5%の下落となりました。
なんと1日で時価総額約40兆円が消えた計算となります。
実は、この暴落はエヌビディア株を持っていた一部の人達にとっては既に織り込み済みでした。
そう、それはエヌビディアの経営陣です。
8月30日時点でCEOのファン氏が自社株を売却していたのです。
その売却額は、約39億円。
9月2日は、「レイバー・デー」のためアメリカは休日となり、市場はお休みでした。
そのため、8月31日(土)、9月1日(日)、9月2日(月)は3連休。そして、9月3日に暴落・・・。
つまり、ファン氏は株価が下落するギリギリ直前に自社株を売り抜いたわけです。
エヌビディアの株価は2024年に入ってからも好調で、半年ちょっとで株価は2倍を超えていました。
したがって、このタイミングで都合よく株を売り抜けるのは、もはや内部関係者のみしかいないというわけです。
インサイダーの取引は全て公開されるので、誰でもその動きを見れば「何かが起こるかもしれない」と疑問を持てるのですが、インサイダーによる取引は1日に大量に行われているため、そのすべてを追うのはとてもできるものではありません。
そのため、特に今回のエヌビディアのような大企業の株を保有している投資家のかたは、実績のある経営陣によるインサイダーの動きにも注目しておくといいかもしれません。
つまり、インサイダーの動きを追うのは、投資手法の1つとして非常に有効な手段となるのですね。
もちろん、すべてにおいて経営陣の自社株の売買を追えばいいというわけではありませんので、「なぜ、この会社の経営トップがこんなに自社株を買っているのか?(もしくは売っているのか?)」という怪しい動きは、チェックしておくといいでしょうね。
SECのデータベースやYahoo!Financeで金融の英文を読むのは相当難しいですけどね(苦笑)
さて、1銘柄で史上最高の下落を記録したエヌビディアもその後、直近の最高値の半分くらいまですぐに株価を戻しました。
まだまだ、市場のエヌビディアに対する期待値は高いようですね。