生成AIブームの影響もあり、半導体分野で急成長を遂げた企業が「エヌビディア」ですね。
最近では、証券会社からのメルマガや特集記事などで購入をお勧めされる定番の銘柄となっています。
「エヌビディア」と言えば、AI半導体の世界シェアが約95%と、まさに他を寄せ付けない強さを見せつけています。
ここ5年間で見ると、株価は約30倍となり、会社の規模を表す時価総額も3兆ドルを超えた時もありました。
さて、実はその半導体企業を引っ張ってきた「エヌビディア」のGPUを敬遠している動きが、今年に入ってから明らかになっています。
「エヌビディア」のGPUに頼らず、半導体を自社で開発し始めた企業が増えてきているのです。
まずは、「Google」が先行してAI専用の独自半導体の開発を始め、2024年5月に第6世代となる「Trillium」を発表しました。
さらには、「Amazon」、「Microsoft」、「Meta」などがAI向けの半導体を自社開発しています。
さらに、生成AI「ChatGPT」を世に送り出したあの「OpenAI」も長年エヌビディアと一緒にAI業界を盛り立ててきましたが、ここに来てエヌビディアへの依存度を下げようとしています。
マイクロソフトと共同開発をしている「AIスーパーコンピューター」の半導体にも、「エヌビディア」のGPUの代わりにマイクロソフトの半導体を導入しようと考えているようです。
しかも、OpenAIのCEOである「サム・アルトマン」氏は、「エヌビディア」のGPUの代替となる半導体を独自開発するためにベンチャー企業を起ち上げようとしています。
なぜ、これほどまでに各メガテック起業が「エヌビディア」からの撤退を考え始めたのか・・・。
結局は、需要が拡大してしまった原因である半導体不足によるところが大きいでしょう。
一極集中となってしまった「エヌビディア」の半導体価格はどんどんと値を上げ、さらには、納品まで年単位で待たなければならない状況が続いていました。
それならば、いっそ自分たちで・・という流れは至極当然と言えますね。
直近の「エヌビディア」の株価急落は、アメリカでの「8月ISM非製造業景況指数」の下落から景気失速懸念が原因の一つとなっていますが、実は裏ではメガテック企業の深刻な「エヌビディア」離れが懸念されている理由もあるのです。
アメリカの大手投資銀行も次なるGAFAMを探して新たな半導体製造企業や各セクターのスタートアップ企業を探し、既にもう目を付けている企業が何十社もあると言います。
さすがに今回、「エヌビディア」急落が大々的に報じられたので、日本の各証券会社もお勧めの銘柄としては上げづらくなったとは思いますが、半導体製造企業が全般にダメになったというわけではありません。
「S&P500」も約500社の内トップ数社の出来に左右されるくらい全体のパフォーマンスは落ちていますので、単体の米国株銘柄に切り替えて探しているかたは、これまでの王道と言われた銘柄ばかりではなく、成長性のある企業に投資をしても面白いかもしれません。