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【マンガ】テセウスの船

2021年1月17日

「テセウスの船」の冒頭

妊娠中の妻・由紀(ゆき)と暮らす田村心(たむらしん)は、教員免許を取得したが自身の生い立ちを理由にその夢を諦めようとしていた。

いよいよ、由紀の出産が近づくと心は生まれてくる子供と由紀のために幸せになろうと決意する。

 

しかし、出産直後、由紀は息を引き取り、生まれたばかりの娘・未来(みく)だけが残ってしまった。

心は、生まれてきた未来の”みらい”を守るために、北海道へと向かう。

 

北海道へ向かった理由・・

 

時は、28年前の平成元年(1989年)、北海道音臼村の音臼小学校で起きた無差別大量殺人事件の犯人として現職の警察官が逮捕された。

 

教師・児童21人を無差別に毒殺したその警察官とは・・・心の父親である「佐野文吾」だった。

 

心は、無差別殺人犯の息子という烙印を押されて生きてきたため、それと同じ思いを娘の未来にさせたくなかったのだ。

 

生前、妻の由紀がスクラップしていた音臼村事件の記事によると、佐野には冤罪の可能性もあるらしい。

その可能性を探るため、現在服役中の父親と謁見するつもりだった。

 

父親の冤罪を証明できれば、自分も娘もこれからの人生で「殺人犯の子供」という目で見られなくて済む・・・。

 

 

父親との謁見前に、心はまず音臼村に立ち寄った。

 

現在、ダム建設が進んでいる音臼村には誰も住んでおらず、廃村となっている。

事件のあった音臼小学校には、慰霊碑が建てられていた。

 

・・・なぜか、急に霧が立ち込めてきた。・・・

霧が晴れると・・・

 

今は6月のはずなのに、なぜか一面に雪が積もっている。

そして、廃村のはずのこの村に民家や人の姿が見えた。

 

心は、1989年にタイムスリップしていた。

それはくしくも音臼小無差別殺人事件の発生した年でもあった。

 

村の中を歩いていると、雪に埋もれた少女を発見する。

それは、紛れもなく自分の姉である小学生時代の鈴(すず)であった。

 

病院に運んだ鈴と病院にとどまる心の前に、慌てて駆け寄ってくる一人の警察官の姿が見える。

それは父親の佐野文吾だった。

 

マンガ評(少しネタバレ)

 

2020年にテレビドラマ化もされて、話題となった「テセウスの船」ですね。

 

パラレルワールドを描いた作品で、主人公の田村心は、現在と1989年を行き来し、過去を変えることで現在の歴史を変えていこうとします。

最初のタイムスリップで、心は当時小学生の姉・鈴を助けるのですが、そのまま”父親を捜す”名目で佐野家に居候します。

 

心は、自分が生まれる前の佐野家の家族、そして何よりずっと恨んできた父親と一緒に過ごしてみて、父親の冤罪を信じていくようになるんです。

 

教育実習として、音臼小学校に臨時で赴任するようになり、だんだんとこの時代の生活に慣れては来るものの、無差別殺人事件を引き起こした「真犯人」は当然、心の存在を疎ましく思うようになります。

そんな折、実際の歴史上と同じくして三島医院の娘・明音が行方不明になります。

そして、この時代にはまだいないはずの心が、心が音臼村に現れた時から疑いを持っていた金丸刑事に、三島明音行方不明の件で任意同行を求められてしまうのです。

釈放されたものの、自分が知る未来と別の未来が進行中だと思った心は、とうとう佐野に音臼小学校で発生する無差別殺人事件について語り始めます。

そして、自分が佐野文吾の息子であり、佐野が現在も無差別殺人事件の死刑囚として服役中、家族が殺人犯の家族として生きているという事実を伝えるのでした。

 

当然、佐野は心が未来からやって来た自分の息子であると信じられる訳がありません。

佐野は心を「ただ未来を予知できる若者」としか見ていなかったため、心が自分の息子だという訴えはおろか、自分が無差別殺人事件の犯人であると言われても納得できないし、事件が起きる前にこの村を出て行った方がいい、という心の助言にも耳を傾けなかったのです。

 

結局、佐野に”村から出ていけ”と言われた心は、失意のまま音臼小学校へと向かいます。

 

そして、見慣れた霧が立ち込め・・・心は、また現在にタイムスリップしたのです。

 

現在に帰ってくると、そこでの歴史は、心がこれまで生きてきた歴史とは微妙に違いが生じていました。。。

 

現在に戻っても、佐野が無差別殺人事件の犯人である事実は変わらず、心がタイムスリップしていなくなった後、佐野が心からの助言を聞いて行動していたにも関わらず、歴史を変えられませんでした。

 

実際の1989年を体験した心は、微妙に修正された現在で、改めて父親の無罪を信じて奔走することになります。

ばらばらになった家族は、戻ってきた現在ではどうなったのか。

音臼村の関係者のその後は、どのように変わったのか・・・。

 

そして、肝心の音臼小学校無差別殺人事件の「真犯人」とは一体誰なのか??

タイムスリップを繰り返す心が、負の歴史を修正した結果、最終的にたどり着く”事実”は、最初の歴史と同じと言えるのか?

物語の最後に登場した心は、物語が始まった時の心と同じなのか?

 

あなたも「テセウスの船」という「パラドックス」を噛みしめながら、無差別殺人事件の謎を読み進めてみてください。

 

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テセウスの船の情報

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作者東元 俊哉
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