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メディアコンテンツのお話

「海に眠るダイヤモンド」で印象深いのは「記憶」

2025年2月9日

久々にメディアコンテンツのお話でもしようと思います。

先日、やっとTBSドラマの「海に眠るダイヤモンド」を見終えました。

長崎県の端島(軍艦島)を舞台に、端島で生きた人たちの記憶と彼らのその後を、昔端島で暮らしていた女性(宮本信子・演)と出会った現代の売れないホスト(神木隆之介・演)が追いかけるお話です。

YouTubeに考察系がたくさん上がっているので、ここでドラマの内容を深堀りするつもりはないのですが、この後書く内容がネタバレになる可能性もあるので、まだ見ていない人は、ドラマ全話を一度見た方がいいかもしれません。

まず、驚いたのが視聴率ですね。

TBSの「日曜劇場」枠では、なんと「ワースト2」の視聴率だったそうです。

ワーストで驚くというのは当然「意外だった」という意味であり、ドラマの内容はとても面白かったのです。

ただ、視聴率というのは今の時代、はっきり言ってあてにならないのですよ。

これはリアルタイムでテレビを見ている人の統計であって、筆者もそうなのですがTverなどの動画配信サービスで、後でまとめて見た人たちは視聴率にはカウントされません。

2024年10月20日から始まったリアルタイムでの放送期間では、第2話で選挙特番が入ってしまったらしく、初回で間延びしてしまった感が否めないですよね。

今回、4日間連続で「1,2」話、「3,4,5」話、「6,7,8」話、「9,10」話と見ましたが、このドラマは逆に1週間おきに見ない方がいい部類に入ると思います。

現代パートと70年前のパートの両方を交互に見せるので、特に序盤はそうなのですが物語の流れが分かりづらい印象を受けるのです。

ただ、連続で見ると、端島に生きる人達の生活や現代パートとの流れがすぐに思い出せますし、後半の「閉山」から「鉄平がリナと誠を連れて端島を出る」怒涛の展開は、やはり一気見の方が断然面白いでしょう。

端島が終わりを迎えて、朝子が鉄平の真実を知る最終回の展開で各考察も盛り上がったように、感動の幕引きで終わりましたね。

しつこいですが、ドラマを見ていないかたは先に見た方がいいです。以下、ネタバレにならないように演者などぼかして書きます。

さて、この「海に眠るダイヤモンド」のテーマにもなっている70年に渡る人間ドラマで、一番印象深かったのはやはり「記憶」だと思うのです。

現代パートのいづみさんは、生まれ育った端島の記憶は嫌なものでしかなかったのです。

それは、愛する鉄平が自分の前からいなくなってしまった記憶が残る場所だったから。

同じく、現代パートの玲央にも幼少期のいい記憶がありません。

都会で生きづらそうにしていて、おまけに鉄平に似ている玲央を見たいづみさんは、玲央の向こうに端島の記憶を少し取り戻しかけました。

そして、サワダージも自分の生い立ちを知りながらいづみさんの秘書になりました。

それは、いづみさんへの贖罪でもあったわけですが、それでも端島を出た時の母・リナの「記憶」を聞かされていたため、端島を脱出してからの鉄平の真実が書かれた11冊目の日記を思わず隠してしまったのです。

鉄平の真実を知っていた賢将は、「鉄平の真実を朝子に伝えるべき」と言う自分の思いと「朝子には絶対に言うな」と言われた鉄平の思いの狭間で苦しみます。

賢将は、預かっていた鉄平の日記を自分の最期に息子に託したわけですが、そこには鉄平の「端島での美しい記憶と追われる辛い記憶」の両方が刻まれていました。

朝子は、端島での「記憶」を封印しましたが、年を重ねた後に記憶とは違う真実があったと知るわけです。

それぞれが、端島の美しい記憶と共に抱えている真実が違っていました。

それでも、鉄平の最期は、朝子が願った「好きな人と一緒に端島をコスモスでいっぱいにする」という夢を叶えていましたね。

真実は「すべて罪を被った人生」となりましたが、鉄平にとって端島の美しい記憶は「朝子との記憶」でもあったわけです。

鉄平とリナが逃げた真実とは違い、端島の島民は「鉄平がリナと駆け落ちをした」という本当は間違っている記憶が真実となってしまいました。

朝子にとっても真実とは違う記憶が刻まれてしまったわけですが、願わくば賢将と同じように真実の記憶を朝子が持ってくれていたら、鉄平の「朝子を巻き込まない」という強い意志がどこかで崩れてくれれば、と考えずにいられなかったですね。

前回、「マンデラエフェクト」の記事を書きましたが、これは大勢の「記憶」が真実とは違う記憶を持っているという都市伝説のようなオカルトのようなお話でした。

マンデラエフェクトー記憶違いはあの1つだけー

「マンデラエフェクト」ってご存じですか? 「事実とは異なる記憶を大勢の人が共有していた」という一種の陰謀論や都市伝説とされています。 しかし、あまりにもこの異なる記憶を持っている人が多くいるため、その ...

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もちろんオカルトとは違いますが、本当は真実ではない記憶が真実として刻まれてしまったこのドラマの場合は、本当に切なくなりましたね。

「昔の記憶」を追いかける作品は今までもありました。

今回の「海に眠るダイヤモンド」は、端島で生きる人間の強さと人間模様の美しさが映像でも際立っていましたし、視聴率の悪さを感じさせない素晴らしいドラマに仕上がっていましたね。

お勧めです。

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