1カ月半くらい前に、慣用句や有名なセリフなどを多投したよくあるフレーズの文章は恥ずかしい文章だよ、Z世代には響かんよというお話をしました。
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Z世代には通じない?!こんな慣用句・言い回しにはご用心
こうやって日頃からつらつらと(だらだらと?)文章を書いていますが、実を言うと裏では色々と気をつけている点が結構あります。 今回はその内の1つについて語ってみましょうか。 それは、「慣用句の使い方」・・ ...
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昨日、たまたま電子書籍出版のサポートをしている企業の広告を記事として書いたので、その流れで今回も文章を書く上で気をつけたい「紋切型の表現」について書いてみたいと思います。
自分の想像で書いていないか
前回、お伝えした慣用句というのは、例えば「唇を嚙んだ」や「開いた口が塞がらない」のようなどこかで聞いたようなフレーズを言います。
素直に「悔しい」と「驚く」でいいのですが、ちょっと文章を捻ってみようと誰もが知っている慣用句を安易に使ってしまう人が結構いるのです。
これらの表現は、時間と思考の節約のために自分で紡ぎ出した言葉のように「これでどうだ!」と言わんばかりに使われてしまっています。
これらの誰もが知っている慣用句を使っていないかを確認するためには、「実際はどうだったのか」を思い出しながら書いてみましょう。
上の例で言えば、「〇〇さんは唇を噛んだ」と書いてしまったのであれば、〇〇さんはその瞬間本当に唇を噛んで悔しがっていたのかどうかです。
「開いた口が塞がらない」にしても、目を大きくして驚く人もいれば、体を少しのけ反らせて驚く人もいるでしょう。
本当に驚きで口が開きっぱなしになっていたのかどうかを思い出しながら文章を書いてみると、「使い回しの慣用句を今まさに使おうとしていた」と気が付くかもしれません。
季節の比喩表現には注意
季節的な文章を書く際にも、なぜか各季節で提携と言われる比喩表現があります。
代表的な物を挙げるとすれば、冬の「銀世界」なんてのはまさにそうですね。
一面雪景色に覆われた風景をこのように表現しますが、今では雪がある風景はなんでも銀世界と表現される気がします。
春になれば「ポカポカ」して、夏の青空は「抜けるような青空」、秋になると「絵具で塗ったような紅葉」など様々あります。
これらの季節の状態を何らかの比喩で表現するのはやはり文章が陳腐化します。
天気のいい夏空であれば、その下で活動している人の様子や気温による景色の異変、暑さの片隅で夏空から隠れられるような木陰の様子など実際に見たり間接的に聞いたりしたものを文章として表現するだけで、文章の質としてはだいぶ変わってくるでしょう。
嘘の表現になっていないか
例えば、悲しい事件が起こったとしましょう。
周りがみんな泣いている人たちばかりで、「ある人がとても悲しんでいる女性の肩をそっと優しく抱きしめた」という文章があったとします。
では、この”ある人”は本当に女性の肩をそっと優しく抱きしめたのでしょうか?
もしかしたら、こんな悲しい事件が起きて悔し泣きで女性にがばっと強くもたれかかるように抱きついたのかもしれません。
サヨナラホームランの瞬間を観戦していたとしましょう。
ベンチで戦況を見守っていた選手たちもホームランを確信するとお祭り騒ぎになった。
本当にお祭りのように全員騒いでいたのでしょうか?
負け投手になりそうだったピッチャーは、このサヨナラホームランで負けが帳消しになり安堵の表情を浮かべて俯きながら小さくガッツポーズしていたかもしれませんし、ホームランが中々打てないバッターは感嘆の眼差しをスタンドの方に向けていたかもしれません。
つまり、悲しい現場で誰もがそっと音を立てないような表現になっていないか、盛り上がった場面ではいつもお祭りのように騒いでいないか、自分が書いた文章を確認してみましょう。
どこかで聞いたような表現を文章にするため、嘘の現場を自分で作りだしてしまっていないかチェックしておきたいものですね。
エンディングの定番
文章の最後に「そんな今日この頃です。」で締めるのは陳腐なんですけど、気付かずに、ついこれで締めてしまうケースが多いのです。
探してみると結構当サイトでも使っていました(笑)
WordPressの場合、記事一覧の画面で検索ボックスに「今日この頃」と入力すると、タイトルや文章中にこの検索語句が使われている記事一覧を検索結果として表示してくれます。
ありましたねぇ(苦笑)
3件もあったので、慌てて修正しました。
文章やプログラミングというのは、最初と最後が難しいんですよね。
その文章の締めをどのようにまとめるか・・・。
「~と思う今日この頃です」はもの凄く文章を締めやすいのですが、逆を言えばどんな話でもこの締め方で終われるので、やはりうまくないでしょうね。
(まとめ)誤字・脱字も気をつけよう
後は、誤字・脱字でしょうか。
書き終わったら一度読み直してみて、誤字・脱字や文章的におかしな言い回しになっていないかを確認します。
ネットの記事やYouTubeの概要などは後から簡単に直せますけど、メルマガや紙媒体の記事は修正が利かないですから特に注意が必要となります。
誤字・脱字もたまにであれば読む方も許せるかもしれませんが、多すぎるとせっかくの良い話・文章も台無しになるし、「この人は・・・」と人となりも怪しまれるようになってしまうので気をつけたいですね。