アメリカは、ドナルド・トランプが正式に第47代大統領として就任しました。
そして、メキシコとカナダには2月1日までに25%の関税を課すと明言し、注目された中国への10%の追加関税は先送りとなりました。
ただ、今後の追加関税は避けられないでしょうから、日本も輸出産業は痛手を被るかもしれません。
日本とアメリカの外交関係は非常に重要です。
第一次トランプ政権の際、かつての安部元総理がトランプ政策の多くに反対を支持しながらも、トランプや世界各国の首脳(Cを除く)と友好関係を築いた外交手腕が現政府にあれば、今回も自国の立場をはっきり表明しながら各国との良い関係を構築できるはずです。
なので、本当ははっきりとアメリカに伝えた方がいいと思うのです。
アメリカが他国からの輸入品を関税で抑えて自国の産業を盛り上げようとするのと同様に、日本がアメリカからの輸入で抑えた方がいい品目があります。
それは、「アメリカ産の牛肉・豚肉」です。
輸入肉については、日本の輸入検査が甘いので、日本国内で禁止されている「エストロゲン」という成分が含まれてしまっているのです。
この成分は、牛や豚を早く太らせるための成長ホルモンであり、日本では「がんの増殖因子」となるので使用を禁止されています。
しかし、アメリカからの輸入肉にはどんどんこの成分が使われている・・。
そのため、消費者側がきちんと産地を選別して購入しないとならないわけです。
では、オーストラリア産の牛肉ならいいのか、となるのですがオーストラリア産も同じように「ホルモン成分」で厚みのある肉を日本に送っているので、アメリカ産とはたいして変わらないのです。
さらに、日本へのアメリカ産牛肉の関税が半分になって、どんどんスーパーなどに並んでいる状態です。
確かにアメリカ産やオーストラリア産の方が金額は安いので飛びついてしまうかもしれませんが、「がんリスク」を考えた時にはきちんと国内産を消費した方がいいでしょうね。
さらに、「ラクトパミン」という牛や豚のえさに混ぜる「成長促進剤」があります。
これも人間には中毒症状を引き起こすので、日本以外の国はこの成分を国内仕様でも輸入でも禁止しているのです。
日本も「エストロゲン」と同様に国内での使用は禁止しているものの、輸入肉に混ざるこの成分については検査をしていません。
一方、いち早く外国産(アメリカ、オーストラリア産の)牛肉や豚肉を禁輸したEUは、EU諸国で暮らす人々の安全を考え自給率もあげたのです。
その後、学会誌が発表した論文では、EU各国で乳がんでの死亡率が軒並み減少していたという報告もあるくらいです。
実際にアメリカ産やオーストラリア産の牛肉や豚肉をスーパーなどで手に取った時に、「成長ホルモンは使用していません」と書いてあれば安全と考えていいかもしれません。
ただ、外国産の肉で「成長ホルモンを使用していない」商品は、きわめて少ないと思われます。
参考鈴木宣弘著「いのちを守る食卓」より