北海道の道南でも日中に30度を超すような蒸し暑かった先日・・。
うちの周辺を配送している大手運送会社のドライバーと少し話をしていました。
大手運送会社と言えば・・どちらかはご想像におかませします(笑)
以前に筆者が住んでいたエリアを配送している時からこのドライバーはよく知っていて、それこそもう10年以上は確実にその運送会社で働いているはずです。
一昔前のこの運送会社のドライバー職と言えば、給料やボーナスが良すぎて社員が長続きしないという話をよく聞きました。
稼ぐだけ稼いだら辞めて行ってしまうわけですね。
運送会社側も離職を防ぐための給与改革を行った影響もあり「昔ほど稼げる時代ではなくなった」とは言え、それなりにやっぱり稼げる職種であるのは間違いなかったのでしょう。
今まで何度も彼との世間話や身の上話を重ねてきても、「お金」に関する話題は一切出てきませんでした。
仕事の愚痴や下請けに対する愚痴などはあっても、お金に対する不満は一切なさそうだったので、なおさら今回彼の口から出てきた言葉には吃驚しました。
「副業しようかなと思ってます」
副業?副業と言うのはあの副業?
まさか大手運送会社のドライバーを長く勤め、新築の家に住み、子供もいる彼の口からそんな言葉出てくるとは思わず、返す言葉が見つかりませんでした。
ん?しかし・・・
「確かお宅の会社は副業を禁止しているはずじゃ・・?」
そう副業を簡単にできない会社にいてもなお、やっぱりお金が足りないので「真剣に」副業を考えていると言います。
本心では副業はできないと分かっているけど、「何かいい副業はないか」と思わず訴えかけなければならないほど、切羽詰まっていたのかもしれません。
家のローンを抱えお子さんもいるので、当然収入が減ってしまうと悲痛になるのは分かります。
ただこの話を聞いたタイミングの少し前に、日本郵便がちょっとした事件を起こしていたのを知っていた筆者としては、今そしてこれからの時期であれば運送会社の仕事も給与も増えるのではないかと思っていました。
そう日本郵便の「点呼未実施による一般貨物自動車運送事業の許可取り消し騒動」ですね。
日本郵便が実際に事業停止を食らえば、今後最低5年間は再度の許可を受けられなくなるので2大運送会社にとっては仕事が忙しくなり、その先には・・・と一般人である筆者の目には見えてしまっていたのです。
ところがこの日本郵便の件は、処分が確定しても軽自動車や2輪車での配送は処分対象になっていないため、影響があるとすれば処分確定後のもう少し後の方になると言います。
それよりも「物流そのものの減少」や「働き方改革による労働時間の減少」で、自分が稼ぎたいだけの収入を稼げなくなったようでした。
「お先真っ暗」と悲痛になっている彼にこう質問してみました。
「これまでに給与収入以外の収入は考えてみなかったのか」と。
30も半ばに差し掛かろうとしている彼にも、例えば独立してみるとか、何かに投資してみるとか、そういった給与収入以外に考えた思いがあるのではないかと質問してみたのです。
ところが「まったく・・」とドライバー職でしかも大手ですから、何も考えずにここまでやって来たようでした。
これまでずっと給与収入に縛られてきた彼に対する助言になったかは分かりません。
そんなに時間もなかったので、3点だけ要点を伝えました。
一つは「副業するならドライバー職に差し障りのない、相手のポケットマネーでお金がもらえる仕事を選ぶ」点です。
メインであるドライバー職の給与水準が下がり、思うような金額を稼げないとしても、やはり現在のメインの収入はドライバー職なわけですから、仮に本当に(内緒で)副業をするにしても運転に影響しないようなものを
選ぶのはもちろん、2か所以上から給与収入をもらうと年末調整しているメインの運送会社にバレますから、その辺は要注意となります。
もう一つは「ただし副業も体力を使って稼いだ分から税金を支払う効率の悪い給与所得である」点です。
もし副業先で給与をもらうのであれば。
給与収入を2か所以上でもらう手間以上に、何か稼がなければならない事情ができた時に、メインとなる仕事の合間を縫って自分の体力(屋内でも屋外でも)を使わなければなりません。
さらにその収入からも稼いだ分に対して税金を持っていかれます。
本当に手持ちの「現金だけ」を増やす手段にしかならず、おおよそ今後の自分の糧になるようなものを作り出せるかどうかは微妙なところでしょう。
最後に「自分の経験などを稼げる形に変化させられるよう常に考える」点です。
自分の経験を資産化できる人は強いです。
結局自分の収入を効率よくアップさせるには、自分がいなくても稼げる状態を作る環境の構築が必要なのです。
ましてやドライバーなので体力勝負のところがありますし、資産となった経験を生かしてある程度売れ続けるように熟考するのが望ましいかもしれません。
そしてこの方法が一番時間がかかるので、本当に実行しようとするとおそらく躊躇するでしょう。
後は本当に金融資産運用のように、持っているお金を上手に活用して金融資産を増やす方法です。
家庭にまだまだお金がかかるとは言え、これまでの収入である程度まとまった資金があるのであれば、それを有効活用した方がいいでしょう。
どうしても「もっとお金が欲しい」と考えると、手っ取り早くお金を稼げる方法に走ってしまいがちです。
資産を増やすためにはどうしたらいいかを考えられるかが、今後の彼にとっての勝負となるでしょうね。
一時的な収入を上げるよりも、彼の年齢を考えたらまだまだきちんと計画を立てて資産づくりに精を出した方が成功すると思いますけどね。
と、最後の部分は伝えていません。
”資産づくりは時間が掛かるよ~”で終わっておきました。
そんな筆者の言葉に「そうだよね」と苦笑いを返しながら、彼は次の配送先へと向かっていきましたとさ。

