テレビ東京のドラマ25枠「晩酌の流儀」が、現在シーズン3を放映中です。
「毎週金曜日の深夜(日付は土曜日)0:42からの放送」ですが、現在のところ「Tver」でも見逃し配信を行っているようです。
どんなドラマ?
テレ東のグルメドラマといえば「孤独のグルメ」が有名かもしれませんが、アニメを実写化した「孤独のグルメ」と違い、「晩酌の流儀」は原作がオリジナルです。
時間にして30分くらいなのですが、前半は仕事や職場の同僚などとのやり取り、中盤は晩酌のための買い物を行い、後半は料理を作って晩酌という決まった流れになっています。
不動産会社の優秀な社員である美幸(栗山千明)が、仕事を終えた後の晩酌で協賛している金麦ビールを本当に飲んでいる(と言われる)ドラマとなっています。
それにしても美幸の飲みっぷり、食べっぷりが本当に素晴らしいですよね。
つられて、自分もお酒を飲み始めたり、ドラマに出てくる一品料理を作ってしまったりという人もいるかもしれません。
そういえばXで自分の晩酌料理をアップするのが流行ったとか
晩酌に出てくる毎回美味しそうな料理は、このドラマにも出演している「ロバートの馬場裕之」が料理監修を担当しているんですね。
この一品料理ですが、少し凝ったものもあれば簡単に作れるものもあってレパートリーが豊富です。
我が家でも敢えて食材や調味料をそれ用に買って作ったりして、非常に参考になっています。
なぜ晩酌の流儀を語ろうと思ったのか?
さて、この「晩酌の流儀」を語るのであれば、当然料理の元になる買い出しの話や料理そのものの話、お酒の話になるかと思います。
美幸のルーティーンである、料理前の入浴シーン(サービスカット)に触れてもいいかもしれません。
しかし、「晩酌の流儀」で一番話題になりづらい前半の仕事中の話で取り上げたい部分があったのですよ。
それは、第3話「豚肉の味噌すき焼き」の回でした。
簡単に説明すると、この回、新入社員の研修生・西夏彦が、美幸の働く支店に研修に来ました。
物事を効率よく進めていきたい西は、自前のパソコンだけで全て済ませようとします。
例えば、新規物件の外観や間取り以外に何も情報がない時に、西はこの新規物件の住所を地図アプリで調べて地図アプリに載っている情報をそのまま案内文としたらどうか、といった具合にです。
新規物件から主要な場所への距離など、スマホの地図アプリがあれば、実際に現場周辺を歩く必要はないと考えているわけですね。
しかし、美幸は「実際に現場に行かないと分からない」として現場に向かいます。
「?」が浮かぶ西は、美幸の後を追います。
最寄り駅から物件まで10分で歩いた美幸に「実際はもう少し近く感じた」と西は言う。
美幸は「商店街を歩くから近く感じる。実際に歩いてみるとどんな10分かが分かる。」と答えます。
地図アプリとチャットを使いながらパソコンだけで調べようとする西と、物件の周辺情報を歩いて調べようとする美幸。
もうこの対比が素晴らしいですよね。
正に、スマホ世代と言い方が悪くなりますが古い世代の対比です。
足で稼いだ情報は間違いない
どちらが「正解か」と言うと、考えとしてはどちらも”正解”だと思うんですよ。
西のように、ある時には効率よく作業しなければならない。ツールを使いこなして最小の経費で最大の売上を出すみたいな。
でも、仕事の本質を理解した上で行動するなら美幸のように実際に現場に行ってみないと新規物件を探すお客さんにいい情報が提供できないですよね。
西のように誰でも閲覧できる地図アプリの情報を載せるだけであればその情報に価値はないわけです。
おそらく、古い世代の人であれば「効率よく動くべきかじっくり進めていくべきか」の見極めに長けていると思うのです。
だって、情報が簡単に手に入らない時代を知っているから。
だから、彼らはチャットGPTも使うし、Web検索もする、ちょっとしたプログラムコードを書いて社内仕事をスムーズに進める、でもその胸ポケットには手帳が入っており、机の一番手の届きやすいところにメモ用紙とボールペンと付箋が置いてあり、会議室にはホワイトボードが置いてあるのです。
これが「スマホで検索が当たり前の世代」はどうしても「なぜWebで調べればいいものをわざわざ・・」という感覚になってしまいがちですよね。
この「晩酌の流儀」の仕事に関して言えば、物件を探すエンドユーザーが見えていなかった、つまり価値を提供する(不動産会社)側が効率という名のもとに最善の情報を提供できていなかった、となるわけです。
まぁ西君は研修生ですから。美幸さんが最善の情報を提供してくれます(笑)
この「現場で体験してみる」という行動は、お客さんに価値やサービスを提供する側なら普通に持っておきたい感覚だと思います。
Webで調べたり、チャットGPTなどの生成AIに聞いてみたり、概要をこれらで把握しておきながら、最後はやはり現場へと赴く。
まさに「百聞は一見にしかず」ですよね。
というわけで、おそらく「晩酌の流儀」で一番語られないであろう不動産の仕事部分について語ってみました。
では、晩酌へ・・・失礼します!