ブログやnoteなど、文章作成が中心となるコンテンツ作成者に向けて「文章術」を解説しているサイトは少なくありません。
そして、その解説サイトの多くが、「Web上で公開する記事は結論から書く」というのが定説のように語られています。
しかし、営業資料やプレゼン資料でもそうなのですが、本来の文章構成の順番としては、最初にこれから説明する「言葉の意味」をしっかり理解してもらい、「話をする目的」を説明した上で、その先の本題から結論へと繋げていくのが理想です。
今回は、この文章作成におけるフローについて、「深沢真太郎」氏が提唱する「導入→主張→解説→結論」という話し方について語ってみたいと思います。
そして、このフローの導入と解説においてはさらに、「数学的思考」を使って話を整理し、展開させようと説明しています。
なお、この後の説明における参考文章として、前回の記事を使っていきますので、以下のリンクよりご参照ください。
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パソコンで使う音声入力方法4選
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導入(本題に入る前の定義)から主張
説明文や記事内容、プレゼンで直接話す場面において、本題に入る前に言葉や説明の定義を明らかにしておきます。
導入部分における数学的思考が定義となります。「縦をx,横をyとする」のようなものです。
記事の主題が「音声入力」だったのですが、ここで説明していく内容は「パソコンで利用する音声入力である」と先に説明しています。
「音声入力」と聞くと、スマホの音声入力方法で何か面白い方法があるのか、スマホアプリで何かいい入力方法があるのかと考えてしまう人もいるかもしれません。
そのため、まず前提として記事のタイトルでも挙げた通り「パソコンの音声入力である」と誤解のないように改めて書いています。
後は、この記事では特に明記していませんが、例えば「この記事を読むのに〇〇分かかります。」などの時間の定義を入れる場合もあるでしょう。
そして、最初の大見出しで「パソコンで音声入力は便利なのか?」と問いかけました。
この記事を読む前提として、「パソコンでキーボードによる入力より音声入力が優れていると言いたいわけではない」と定義を明らかにしています。
パソコンで使う音声入力方法を4つのパターンに分けて紹介する記事ではあるものの、その記事内容の目的は「音声入力をひいきするわけではない」と最後に主張を加えているのです。
解説
前提ができれば、後は本題へと入るわけですが、ここで話題にしたい内容をリスト化するなど、どういう内容がいくつあるのかを分かるようにしています。
解説部分における数学的思考が分解・比較・構造化・モデル化となります。見出しを分けて後述します。
この記事では、全部で「4パターンある」と書いていますので、それら4つを大見出しで分けて、音声入力方法としてどのような違いがあるのかを書いています。
今回の記事はあらかじめ伝えてある通り4つの方法を書いたわけですが、そのトピックとして最初に以下のようなリストを提示してもいいかもしれません。
- マイクロソフトの「ディクテーション」
- Windows標準の「音声認識」
- Googleの「音声入力」
- Chromeの拡張機能である「Voice In」
「音声入力」について4つのパターンがあり、その内容のトピックをまずリスト化して見せるのも分解ですね。
WordPressのようなCMSであれば、プラグイン等で見出し項目を「目次化」してくれる機能もあります。
ブログ内に目次があれば、各見出し項目へのリンクも貼られるので、読みたい部分だけを簡単に移動できるように読者を誘導できます。
今回の記事ではほとんど使っていませんが、解説の中に「比較・構造化・モデル化」を組み込むと解説の内容がさらに分かりやすくなります。
比較
解説で一番使われる「比較」は、数字を使ったデータの比較です。
『昨年の第一四半期の売上は、前年比-1.5%だったが今年の同時期の売り上げは前年比+5%だった。』のように同じ対象で数字を比較する方法です。
比較に関しては数字を使ったものが一番多いでしょう。
今回の記事で言えば「数字」ではなく、「機能としてあるかないか」の比較は少し入れてみました。
マイクロソフトの「ディクテーション」にはあるが、Googleの「音声入力」にないものの例として、以下の2つを挙げています。
- 「改行」では改行できないので「新しい行」と話す
- 「(」を入力する時に「かっこ開く」と話しても入力されない
比較している内容が少ないですが、解説中に見出し項目で分けたものを「こっちはできるが、こっちはできない」のように例として挙げてもいいでしょう。
構造化
「構造化」はいわゆる「例え話」に通ずるそうです。
A社とB社が合併して新たなビジネスモデルが生まれる場合は、「A社+B社=Cというビジネスモデル」という計算式ができ上がりますが、「A+B=C」と言う構造に違う物を当てはめてみます。
『「赤と青が混ざると紫になる」ように、A社とB社の全く色の違う会社が合わさるとCという紫に輝くビジネスが誕生するのです。』のような同じ構造を利用して例え話を作る方法ですね。
筆者はこのような構造化を使った例え話のセンスがないので、うまく伝わっていないと思いますが(苦笑)
モデル化
そして、最後に「モデル化」を使う場合もあります。
これはいわゆる「法則性」のお話ですね。
解説中の事例を有名な法則に当てはめたり、公式や原理などを使って説明したりします。
例えば「パレートの法則」というものがあります。
「80%の売上は、20%の顧客から発生する」、「結果の80%は、20%の原因から発生する」という「80:20の法則」と言われているものでもあります。
解説している内容が、このような法則に当てはまるのであれば、「今回の事例はパレートの法則に当てはまる。」と説明すると説得力を増す方法にもなるわけです。
(まとめ)話のうまい人
今回は、「導入→主張→解説→結論」という型が話を聞く相手、文章を読む相手に伝わりやすい理想であると書いてきました。
実際に話が下手な人は、導入や主張がやたら長かったり、解説が一辺倒でよく分からなかったりしませんか。
例えば、メルマガの発行者が自身宛に届いた感想などをメルマガ内に載せるケースがあると思います。
そのお便りが自分の身の上話などを延々と話した後に、感想がぼやけていたり、質問内容が貧弱だったりして、それを読んだメルマガの購読者も「何が言いたいんじゃっ!」とずっこけてしまうようなものを読む(読まされる)機会がたまにあります。
つまり、よく分からない話を延々と聞かされると人は不快になるわけです。
相手が不快に思わないようにきちんと文章の構成を考えられる人は、比較や例え話をうまく挟みながら分かりやすく話の流れを作るのが上手なんですよね。
実際に人前で話す場合も、こうやってブログ記事にする場合もやはり「相手に伝わりやすく分かりやすい流れ」を常に意識しておきたいものです。