「ドリームズ・カム・トゥルー(以降、ドリカム)」の歌に「何度でも」と言う曲があるのをご存じですか?
ドラマ「救命病棟24時シーズン3」の主題歌にもなっているこの歌は、ドリカムの曲においても人気の高い一曲となっています。
救命病棟のシーズン3は、東京に大地震が発生した直後の病院関係者や患者と地域の人間模様を描いていて、ここぞという時に流れるイントロにぐっと来るものがありますよね。
「何度でも」の歌詞には「1万回やってダメでも1万1回目は何かが変わるかもよ・・」という勇気が湧いてきそうなフレーズがあります。
何かを毎日1回ずつやるとして1万回続けた場合、約27年と4ヶ月かかる計算になります。
27年と4ヶ月間毎日やってみるのも結構しんどそうですが、その継続期間がダメだった時にその次の日に「変われるかも」と思うのは相当メンタルの強さを求められるし、なんだったら「もう変わらんでしょ」ってなる気がしますよね。
ゴールとして1万回を設定したのなら・・・ですけど。
池井戸潤の小説で「ようこそ、わが家へ」と言う作品があります。
この小説は相葉雅紀主演でテレビドラマ化されているのですが、小説には登場せず、テレビドラマだけに登場するある出版社の編集長という人がいて、これを佐藤二朗が演じています。
この編集長がある女性を好きになるのですが、あの手この手を使って近づこうとするも結局あしらわれている、という姿が何回も映し出されます。
ところが、ドラマの最後の最後でこの出版社からある一冊の本が発売される運びとなった描写があり、そのタイトルが「一万回メールを拒否られても、幸せを掴んだ中年男の話」というものでした。
察するに、編集長がおそらくあの手この手の一部であったと思われる「メール」を1万回送ってみたら、おそらく女性からOKをもらったのだと推測できます。
メールの文面が「好きだ」、「付き合って」、「食事しよう」など短い文面で送信していたのであれば、もしかしたら1日に10~20通送っていたのかもしれません。
その行動が是か非かはとりあえず置いておきます(笑)
さて、もし1日に20通のメールを毎日送っていたのだとしたら、1万通のメールが相手に届くまで500日かかります。
ざっと計算しても1年4ヶ月くらいですか。
例え、文面が短くても毎日20通のメールを欠かさず1年4ヶ月もの期間送り続けるのは中々しんどい”作業”ですね。
それじゃぁ、毎日はしんどいしストーカー規制法に引っ掛かっては悲しいので、1週間に20通のメールを送ってみようと考えたら、今度はOKをもらうまでの期間が長くなってしまうわけです。
それなら、野球の素振りはどうでしょうか。
素振りを1日100本、毎日練習すれば100日で1万回の素振りを達成できます。
3ヶ月とちょっと、毎日素振りをすれば101日目の1本目をスイングしてみたら何か違いに気が付くかもしれません。
「数字が少し苦手」と言うかたは、1万回という数字を見た時にとてつもなく大きな数字に見えるかもしれませんが、考え方次第で1万回の達成方法などいくらでもあるものです。
1日に複数回やってもいいし、1万回という回数から期間を逆算してどのように工夫したら1万回を達成できるのかを考えてもいいわけです。
毎日継続的に1回ずつ前進していってもいいし、達成までの10年、20年という期間が嫌であれば、途中で回数を変えたっていい。
女性と仲良くなりたい、というゴールがあるのであれば1万回と言う数字すら意味がなくなります。
何かをやるにあたって1万回こなすのは相当大変です。
ドリカムの歌詞のようにおそらく”へとへと”になるでしょう。
数字をゴールにするのであれば、その数字を達成するためにどのように考えるかは工夫次第でいくらでもゴールを目指せるのです。
最悪、1万回は無理だからまずは100回とゴール設定を変更してもいいわけですから。
でも、ドリカムの歌詞も佐藤二朗も(厳密には佐藤二朗ではないのですが)、1万回を目標にしているわけではないんですよね。
無我夢中でやってみたら結果的に1万回やってた、1万1回目も当たり前のように来るけど今まで通りやるわ、と言う意味なんですよね。
今まで何も変化がなかったかもしれないけど同じように1万1回目もやってみたら何か変わるかもしれないし、というわけです。
ビジネスとしては、数字と言うゴールを決めてそこに向かっていくのが正しいのかもしれませんが、本来、一番幸せなのは「あきらめずにやってたら結果的に1万回もやっていたよ」という方なのかもしれませんね。