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フリートーク

[池井戸潤のドラマで思う]一番大変な一人だけの黎明期を勝ち上がるドラマが見たい・・・

「半沢直樹」、「ルーズヴェルトゲーム」、「花咲舞が黙っていない」、「民王」、「空飛ぶタイヤ」、「陸王」、「下町ロケット」、「ノーサイドゲーム」、「シャイロックの子供たち」。

これらのドラマタイトルは、原作者が「池井戸潤」であるという共通点があります。

皆さんは、どのドラマが好きですか?

池井戸潤は、銀行員としての経験を活かし、企業小説を中心に働く人々の姿を描いた作品を数多く発表していますよね。

作品の特徴としては以下のようなものが挙げられます。

  • 銀行、自動車メーカーなど、様々な企業を舞台に働く人々の葛藤や成長を描く
  • 銀行員としての経験に基づいた緻密な描写が特徴で、読者に高いリアリティを感じさせる
  • 仕事の面白さや厳しさを、スリリングなストーリーで描き出し、読者を飽きさせない

主人公のどん底からの逆転劇は非常に痛快ですが、それ以上に企業内の悪人と呼ばれる人たちは、徹底的に悪役ですよね。

視聴者は、誰もが「キー、こいつをやっつけてほしー!」と願い、その願い通りに最後は土下座などで徹底的に叩き潰されて終わります。

これらのドラマを見終わるたびにいつも溜飲が下がっていました(笑)

そんな池井戸ドラマの主役の視点は概ね2パターンです。

お金を貸す「銀行側」から融資先への視点

  • 半沢直樹
  • 花咲舞が黙っていない

お金を借りる「企業側」が事業の融資を受けるための銀行への視点

  • ルーズヴェルトゲーム
  • 空飛ぶタイヤ
  • 陸王
  • 下町ロケット
  • ノーサイドゲーム

「民王」は、日本の総理大臣親子の中身が入れ替わるコメディーですし、「シャイロックの子供たち」は「半沢直樹」でも登場する「東京第一銀行」の一支店の不祥事に焦点を当てているので、ここでは取り上げません。

銀行勤務経験者が原作者であるし、これらのドラマを見ると企業が銀行からの融資を受ける場面をよく見ますよね。

この融資の場面を見るといつも思うのですよ。

この企業たちの規模で中小企業になるのか、と。

確かに、「陸王」のこはぜ屋は、歴史ある足袋を製造する会社で従業員もそれほど多くありませんから何となく中小企業のイメージが湧きやすいですね。

日々資金繰りに頭を悩ませている社長の姿を見ていると、銀行融資を受けられない辛さが伝わってきます。

そこで、新商品を開発しようとしてうまくいかなかったり、長く勤める従業員から反発を受けたり、踏んだり蹴ったりの状態も凄く分かります。

でも、それ以外のドラマに出てくる企業は、中小企業の中でも規模が結構大きいと思うんですよ。

「ルーズヴェルトゲーム」

精密機器メーカー・青島製作所は、大口取引先であるジャパニクスから生産調整を持ち掛けられ、銀行融資も危ない状況に陥る。中堅企業でありながら野球部を持つ。

「空飛ぶタイヤ」

赤松運送は、対立する大手のホープ自動車との対比もあり中堅運送会社の位置づけですが、トラックを何台も持つ中堅運送会社である。

「下町ロケット」

佃製作所は、下町の中小企業という位置づけですが、大企業の帝国重工の宇宙事業部に部品を卸したり、無人トラクターの機械を開発する中堅製造業である。

「ノーサイドゲーム」

トキワ自動車は、自社製造工場を持つ自動車メーカー。ラグビー部を持つ。

親の事業を引き継ぐなど、元々の地盤があって会社の時価総額や売り上げ規模も大きい。

社員を何十人、何百人と抱える企業の融資相談なので、融資金額も大きいですね。

これらを見ていて原作者にお願いしたいんですよ。

ガレージにパソコンと電話だけで創業したアマゾンの黎明期のようなスタートアップ企業が、いかにしてお金を集め会社を大きくしていくのか、というドラマを。

もしかしたら、原作者はスタートアップ企業の融資には関わっていなかったのかもしれません。

あるいは、スタートアップ、いわゆるベンチャー企業への融資とその企業が大きくなっていく様をドラマにするのは難しいのかもしれません。

それでも、青島製作所やトキワ自動車のようなスポーツチームを抱えるような中堅企業だったり、赤松運送や佃製作所のような親の地盤を引き継いだりといった「きちんと地に足のついた企業」ではなく、裸一貫から企業や銀行に相対して勝ち上がっていく様を描くドラマを作ってほしいな、と思うのです。

会社を新しく起ち上げると、この初期の資金繰りの大変さや金融機関からの総スカンは、誰もが通る道だと思います。

この辺りを銀行経験者である原作者は、銀行員の立場からどのように見ていたのかをいつの日かドラマを通して教えてほしいな、と思う今日この頃です。

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