ホント申し訳ありませんが、今日は誰にとってもどうでもいい内容を書かせていただきます。
我が家には玄関とは別にキッチンに裏口があって、そこから小さいのですがテラスに出たり、庭に出られるようになっています。
裏口のドアは、中央がガラスになっていて中からでも外の様子が見えるようになっています。
ドアを開けて左手にテラスがあるのですが、正面には2段ほどのタイルの階段があって、そこを降りるとそのまま庭となります。
明日から大雨になるという予報を受けて、空がどんよりと曇っていた今日の朝でした。
目覚めのほうじ茶を飲むためにキッチンでお湯を沸かしていた時に、いつも通りドアのガラス部分から外を眺めていたのです。
まぁ、お湯を沸かしている間は外を眺めるのがルーティンになっていて、今日も庭の奥の木々などを見ていました。
ふと、何となく動いているものが目に入りタイルの階段の方に目を向けました。
何か小さいものがモゾモゾしている・・・。
何だろうと思い、IHを切ってからドアを開け外に出てみました。
階段の方に身を屈めよーく見てみると、何か虫らしきものがひっくり返っています。
小さくて灰色のような体で足らしきものがにょきにょきと動いています。
「あ~、ダンゴムシか。」
そう、そのモゾモゾ動いていたのはダンゴムシでした。
なぜそんなに動いているように見えたのかと言うと、ひっくり返った状態から動けなくなっていたようで、足をバタバタさせて体を揺らしていたために少し遠めからでも違和感を察知できたのだと思います。
決して暇人ではないのですが、なんとなくダンゴムシの様子をじーっと眺めていました。
不思議に思ったんですよ。
ダンゴムシというのは、危険を察知すると体を丸めるじゃないですか。
あの体は、結構固いらしく地面が土のような柔らかい場所であれば踏みつぶされずに力を吸収してしまう程なのだとか。
「ダンゴムシよ、そこは思い切って体を丸めて人間で言う腹筋のようなイメージで転がって起き上がればいいじゃないか。」
そう問いかけてみたものの当然通じるはずもなく、ダンゴムシは相変わらずたくさんある足をばたつかせていました。
まるで、目の前で御託(ごたく)を並べている人間に助けを求めるかのように・・。
ダンゴムシは一度ひっくり返ると起き上がりづらいと言われているので、このダンゴムシも試練の時を迎えていたのかもしれません。
しかし、それ以上にこのダンゴムシを起き上がりにくくしている1つの要因がありました。
それは・・・水滴です。
水滴??
テラスと庭に降りる階段の真上には雨避け用の天井が付いているのですが、この屋根の端から水が垂れていたのです。
おそらく、深夜から明け方にかけて少し雨が降ったのでしょう。
その雨水が庭の方に向かって丸くなっている天井を滑り落ち、端にたまり水滴を作っていたのです。
そして、重力に逆らえないのは水も同じで、重くなった水滴は真下に向かって落ちていきます。
その水滴が、もろにダンゴムシの腹に命中していました。
しかも、一定間隔で垂れてくるのでまさにサンドバック状態だったのです。
もしかしたら必死で起きようとしていたかもしれないのですが、そのたびに”ズン”と腹に水滴が落ち、また足をばたつかせていました。
「ダンゴムシよ、おもろいなぁ~」
と少しの同情を持ちつつも独り笑いしながら様子を見させていただきました。
最終的にはダンゴムシを助けるつもりでいました。
しかし、なぜだか分からないのですが、
「簡単に助けていいものなのか、まだまだこの外界の荒波に揉まれて生きていかなければならないダンゴムシに神の手を差し出すべきなのか・・」
「いやいや、待てよ。もしかしたら、水分補給をしているだけなのかも・・」
ダンゴムシにとっては「何を悩んどんねん!」と突っ込みを入れたくなったかもしれませんが、そんな風に本気で悩みました。
いや、もしかしたら自力で頑張って起き上がろうとしているのではないか。
それであれば「余計な手出しをしやがって!」と思われてしまうかもしれませんし、せっかく助けてあげたのに何だか癪です。
う~ん、、、どうしよう・・・。
あっ、そうだ!沸かしたお湯が冷める。
ふと我に返って、沸騰したお湯をそのまま放置してあったと思い出しました。
とりあえず、右手の人差し指だけでお腹の横から”ほいっ”と少し力を入れて起こし、ダンゴムシはようやく本来の状態に戻りました。
慌てた様子で階段を降りていく姿を見た時に、「あ~、やっぱり助けてほしかったのかぁ」と少し申し訳ない気持ちになりました。
せっかく助けたのに、笑われて屈辱だったのか早々に姿を隠したダンゴムシに「ごめんよ。」と声を掛けながら家の中に入ろうとした次の瞬間。
自分の足元の近く、テラスの端で何かがモゾモゾ動いているのがどう頑張っても視界に入ってきました。
そこには別のダンゴムシが転がって足をバタバタさせていました。
「えっ、うそやん・・また。」
くどいと思われるかもしれませんが、決して暇人ではないのです。
「まぁ、今日はもういいか。水滴が落ちてこない場所だし。」