以前、NTTのタウンページが2026年に廃止になり、Webページの「iタウンページ」に1本化される話を書きました。
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そして、タウンページに広告を出稿していた筆者は、iタウンページへの移行のため、NTTタウンページ株式会社の担当者とやり取りをしてページの作成・修正を1カ月半くらいかけて行ってきました。
もちろん、「iタウンページ」に頼らずに自分で別枠で広告ページを作成してもいいのですが、「NTT」や「タウンページ」という看板がWeb上でどの程度の威力があるのかを検証したく、引き続き「iタウンページ」を使ってみようと思ったわけです。
とりあえず、ページを作成・編集するまでのやり取りで「う~ん」と思うところが結構あったので、以下に書いていきたいと思います。
今後、「iタウンページ」を使おうと思っている事業主のかたの参考になれば幸いです。
意外にカスタマイズが効かない
まず、全般的にカスタマイズがあまり効かない印象ですね。
例えば、トップがLP仕様になっているのですが、ページを下に行くと同じような項目で「サービス」や「写真」の上下を入れ替えられなかったり、料金表がこのLP仕様の中では表示できなかったりで結構ストレスがたまります。
まぁ、それもそのはずで「iタウンページ」は、テンプレートに「Wix」のエンタープライズプランを採用しています。
Wixを個人で利用した経験のあるかたなら分かると思いますが、特に難しい操作を必要とせずテンプレートにそのまま当てはめていくような形で「簡単」にWebページを作成できるのが売りです。
エンタープライズプランであってもそれは同じで、セキュリティ面などは強化されますが、基本的にはWixの顧客である「NTTタウンページ」がたくさんのサイトを管理しやすいように効率化されたプランですから、1つ1つのサイトの「カスタマイズ性」を求めるのは無理がありますね。
Wix
上に続きますが、「Wixか~」と思ったかたが多いかもしれません。
「iタウンページ」に支払う料金が「月額15,000円」になるのを考えたら、自分でドメインを取得してWebページを自前で作った方が遥かに安上がりですし、クオリティもいいものを制作できるかもな、と思ったかたも多いのではないでしょうか。
文字数制限
これもカスタマイズ性のお話になります。
文章での説明、つまり言葉を少し長く入れる設定箇所があり、タウンページサイドから頂いた文章ではどうもしっくりこないので、”文章全体を「~~~」のように修正してください”とお願いしたんですね。
すると、「頂いた文章だと文字数がオーバーするのでできません」と返答が来ました。
結局、既定の文字数以内に収まるようにさらに文章を絞る必要がありました。
区画内の文字数まで制限がかかるとは思いませんでしたね。
写真の「coming soon」が外れない
1つの関連枠に4枚の写真を表示できるのですが、例えば3枚しか用意できなかった場合に1つの写真枠が余りますよね。
この余っている枠には、カメラのイラストに「coming soon」と書かれた代替画像が表示されるのです。
でも、「4枚も写真はいらない、3枚でいい」という場合にこの代替画像を削除したいのですが、それはできないようです。
よって、何が何でも写真は枚数分用意しなくてはならないというわけですね。
文章の体言止め
さて、ここからはシステム設定というよりは、文章作成レベルのお話になります。
担当者によっては違った結果になった可能性もありますが、今回筆者のサイト制作を担当した人の文章は「まぁ~ひどい」(笑)
普段文章を書いている身としては、あまりのレベルの低さに驚き、結構文章全体をこちらで書いてあげないと、とても公開できるレベルには達しなかったですね。
そのレベルが落ちる理由の一つが文章の体言止めです。
これ、当サイトでも結構取り上げているのですが、「体言止め」というのは文章を名詞・代名詞などの体言で終えるやり方です。
例えば「~として実施。」や「いつも笑顔でお出迎え。」、「弊社ならそれは可能。」のような形ですね。
普通の読みものとしての文章もそうですし、広告内の説明文であってもそうなのですが、どこか偉そうに聞こえてしまうのです。
どうしても使うなら”ここぞ”と言う時に使った方がいいです。
ではなぜ、体言止めを使ってしまうかというと、文章の語尾のリズムが悪くなるからです。
今回作ってもらった文章で、体言止めが使われていた前後を確認すると「~実施します。~で実施。~提供します。」となっていました。
おそらく当初は「~します。~します。~します。」と語尾に変化がなく一定の調子になってしまったのでしょう。
そこで、2番目の「~実施します。」を「~で実施。」と体言止めを使って変化を付けたわけです。
普通に読ませる文章であれば、文章の並びを変えたり言い回しを変化させたりして、体言止めを使わずとも語尾をリズミカルに読ませる修正はいくらでもできます。
今回、文章を作成した人は本当にこの体言止めが好きなようで、至るところに散りばめられていました。
ただ、実はそれ以外にも体言止めを使わざるを得なくなってしまった原因がありそうだと分かったのです。
それが次の内容になります。
同じ内容を繰り返し
「iタウンページ」は広告なので、決まった文字数において、やはりそれなりに文章に厚みを持たせたかったのだと思います。
もらった文章を読んでみると最初の「~実施します。」と2番目の「~で実施。」の内容にそれほどの違いがないのです。
つまり、同じ内容を言い回しを少し変えて並べているだけでした。
そこで、この2つの「~実施」の文を1つにまとめて、「~実施します。~提供します。」と2つの文章へと変更しました。
体言止めもなくなり、文章の文字数もそれほど変わらず、すっきりとした文章に仕上がったのです。
文字数を増やすための苦肉の策がその後の体言止めまで繋がってしまったいわゆる「文章レベルが落ちてしまう」典型的な例を見ましたね。
言葉の統一感
最後に、これはこちらから指摘するまでもなく、きちんと対応してほしかったなと思える内容です。
言葉に統一感がないのですよ。
例えば、同じ説明の中に「お子さん」と言ってみたり「子供さん」と言ってみたりという場合ですね。
サイト全体、ページ全体、詳細項目ごと、提示する言葉はやはり統一した方がいいでしょうね。
(まとめ)お得感は元々期待していない
「タウンページに丸投げできて楽できる」というお得感は全く期待していなかったので、これくらいのやり取りが発生したのはある意味想定の範囲内でした。
Wixのシステム絡みと文章の書き方に関してタウンページとのやり取りを振り返ってみると、「自分で制作しても良かったかもな」と思えるくらいのものでしたね。
まぁ、公開後にどれくらいのアクセス数が集まるかに期待してみましょう。
Webサイト制作のシステムなどに関するお話が苦手で、iタウンページに依頼しようと思っている事業主のかたは、せめてサイト内の文章チェックは「自分たちだけでもきちんとやろう」という心づもりをしておいた方がいいかもしれません。