当サイトでは筆者がつらつらと文章を書いているせいもあって、文章を書く時に注意する点なんぞを偉そうに語っている記事がいくつかあります。
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[結論は最後]文章力を上げるためのフローと「数学的思考」とは
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「数学的思考」で考える文章構文のお話は、「結論を最後に書く」でした。
これまで特にWeb上で記事を読んでもらう場合には、「結論を最初に書く」が主流として語られ、出だしのリード文で既にこの結論とそこに至る理由や体験談などを簡潔にまとめて書くといいと言われていました。
無料で読める文章だから前半で離脱されないように、リード文で読者を掴むためですね。
これは「PREP」や「SDS」、「PASONA」など文章を構成するための法則ではすべてに当てはまり、そのどれもが要点だったり結論を先頭に持ってくるものです。
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さて、そんな文章構成で最近注目を集めている構文があります。
それが「マコモ湯構文」ですね。
マコモ湯が分からない、いやそもそも「マコモ」から既に分からない人のためにも念のため説明しておきますと・・・
マコモとは
古くから食用や薬用、生活用品として利用されてきました。
特に、マコモの葉や茎を乾燥させて煎じたものが入浴剤として使われ、これが「マコモ湯」の由来と考えられます。
マコモには、体を温めたり、皮膚を健やかに保つ効果があると言われています。
マコモ自体は、抗炎症作用があって肌荒れなどに一定の効果があると言われているのです。
そのマコモを原料として持っている入浴剤をお風呂に入れるのが「マコモ湯」ですね。
では「マコモ湯」がなぜ「マコモ湯構文」と言われるのか。
マコモ湯構文とは
そう宣言した動画がバズったのです。
そのオリジナルの動画の最初のフレーズが、あちこちの動画で使いまわしされるようになりました。
そのフレーズが「実は私〇〇年間××していません。××って知っていますか?」というものでした。
そう、オリジナルの動画では「実はうちのお風呂1年半お湯を替えていません。マコモ湯って知っていますか?」というフレーズだったのです。
最初はこの話の衝撃が語られていたにもかかわらず、だんだんとこのフレーズの方が有名になってしまい、最終的にはこのフレーズが「マコモ湯構文」と言われるようになったのです。
「マコモ湯構文」を使ったフレーズには以下のようなものがあります。
マコモ湯構文の例
- 実は私1年半息していません!肺キャンセル界隈ってご存じですか?
- 実は私1年半宿題していません!宿題恐怖症ってご存じですか?
- うちの家歯磨き後にハチミツ舐めてもいいんです!生ハチミツって知っていますか?
- 実は私前の授業が終わってから一度も自分の席に座っていません!自分の席って知っていますか?
- 実は私まだ2014年にいます!2014年って知っていますか?
マコモ湯構文のハッシュタグで検索するとたくさん出てきます。
とりあえずマコモ湯のやばさはここでは置いておきます(笑)
オリジナルで家の風呂の事実をカミングアウトした人も、「マコモ湯構文」と呼ばれるようになるのを狙ったわけではないと思うんですけど、インパクトがもの凄く分かりやすく伝わってきますね。
最初に「驚きの事実」を告白してからその事実の答えを披露する展開です。
PREP法なども最初に「Point」となる事実が語られて、その後に事実を説明するための理由や例示が語られます。
構文としては同じでも最初の展開が突拍子もない事実から始まるので、ついその先を見てみたくなる構文となっています。
筆者は「数学的思考で文章を作る」記事でも挙げたように、結論を先に書くよりも「導入→主張→解説→結論」と最後に結論がドーンと提示される流れの方をお勧めしています。
「マコモ湯構文」も常識とはかけ離れたものを最初に結論として提示される手法になっていますが、それはあくまでも後々の解説から最後の「実は問題ない」という本当の結論までに持っていく導入部分なのかもしれません。
この導入部分があまりにも驚きの事実なのでついつい結論まで見てしまう、という構文になっているような気がするのです。
「実はわたし1年以上〇〇していません。××って知っていますか?」という書き出しはあまりにも有名になりすぎてしまったために、筆者としては自分の文章としては使わないかもしれません。
しかしこの驚きの事実という衝撃的な導入部分から最終的にその事実でも問題ないんだよ、という結論を提示する流れは結構使えるような気がしています。
あの黒いお湯のマコモ湯を見てしまったら、誰でもお湯を1年半替えなかった”あなた”の話は聞いてしまいますよね。