自分がこれまで携わってきた仕事で、例えばたまたま自分の会社を訪ねてきたお客さんだったり、仕事で自分がたまたま訪れた先の料理屋の女将さんだったり、その時の自分とは一見関係ない職種についている人と会う機会はたくさんあります。
普段自分とはあまり会わないような人たちから聞くその道の経験談や過去の(特に)失敗談というのは、とても貴重なお話となります。
そういう風に考えてみると、自分の身近にいる人たちだって、自分にはない何かしらの経験談を持っている人たちばかりになります。
普段身近にいる職場の同僚でさえ、自社の共通の仕事を抜きにして語ると、色々な過去の経験談や現在ハマっている趣味など自分が知らない話を聞けるチャンスもたくさんあるでしょう。
仕事の取引先のかたも仲良くなれれば、仕入元と取引先という関係以上に何か有益な話が聞けるようになるかもしれません。
最近、10代のお子さんがコミュニケーション不足に陥っているのではないか、と心配されているある知り合いのかたがいました。
スマホ世代ですから、どうしても画面の向こう側を相手にする機会が多く、普段からあまり人と話をするのが好きではないようなのです。
どこかで外に出るきっかけをつかめなければならないと思うのですが、直接人と会って話を聞けるタイミングというものを親が作り出す必要があるかもしれません。
そう、それ以前にそのお子さんにしてみたら、親だってそもそも数々の貴重な経験を持った人なのです。
まずは、親であるあなた達からそのお子さんに色々な話を聞かせてあげるのはどうですか、という話をしてとりあえず最後は落ち着きました。
今はいくらでも一人で籠れます。
「YouTubeやSNSなど、AIに聞いたって色々な話が山のようにあるのだからそこからでも知識は得られるじゃないか」と思われる人もいるかもしれませんが、SNSもみんながやるわけではないし、やはり対面で直接聞ける話はSNSを見るのとはまた別物です。
どうしても、パソコンやスマホ画面の中で満足したり、オンライン上ですべて完結したりという場面が増えると、人と会うのが億劫になってしまうかもしれません。
今の時代、面倒くさいと思うかたが多いかもしれませんが、やはり対面で様々な人にお会いするというのは、とても貴重な体験なのだと実感します。
取材能力、話術、営業力など、相手との対話で相手から何かを聞き出す力、相手に気持ちよくしゃべってもらう力というのは、自分の中で常に意識しておきたいものですね。