今日はタイトルに挙げたそのままのお話をしようと思います。
同じ地域の同じ業種で活動している会社であれば、その会社同士は「ライバル」という関係と言っていいでしょう。
もちろん、お互いが切磋琢磨して共に売り上げを伸ばしている「ライバル」もあれば、片方だけがきちんと対応してもう片方は自分の利益優先でやっているような「ライバル」としては差が付いている場合もあるでしょう。
共に自分の利益優先のみを考えてやっている場合は、その会社たちの先行きは見えていますね。
この中で、片方だけがきちんと対応している場合についてもう少し掘り下げてみたいと思います。
以降、きちんと対応している会社はA、自分の利益優先でやっている会社はBとします。
料金
同じ業種で同じようなサービスを提供しているのであれば、そのサービスを受けるお客様が比較するのに手っ取り早い方法は「料金」になると思います。
Aの料金は至極まともな料金であり、安すぎもせず高くもなくお客様が安心してサービスを受ける金額を提示していたとします。
その料金には、受けるサービスに必要なものすべてが含まれていて、後になってから追加される料金はありません。
一方、BはAとの価格競争に勝ちたいのですが同じ料金体系にすると利益が少なくなります。
そのため、一般的に公開している金額はAと同じようにしておいて、実際にサービスを提供する段階になって「これが追加で掛かります。あれも追加で掛かります。」と金額を上乗せしていきます。
このやり方は、その時には利益が上がるかもしれませんが、長期的に見るとお客様の信用を失います。
でも、Aと対等に渡り合うためには、「金額をAと同じ水準の設定にしないとお客を取られる。」と考えてしまっているのですが、問題は料金ではなく真摯な対応を行っているかどうかです。
つまり、料金を同じにしても中身が伴わないので、Bの事業はいくらやっても良くならないわけです。
広告
Aは適正な金額でうまく事業を回していますが、そのサービスの認知に広告を打っているとしましょう。
Aは、真摯な言葉と共に自社のサービスの紹介をしています。
Bは、そのAの広告を見て慌てて同じ媒体に広告を打ちます。
Aが出している広告枠と同じ大きさの枠で広告を出し、書いている内容はAの上を行こうとします。
例えば、設立年数は近隣の同業他社よりも長い、みんなから愛され〇年、勝手に満足度1位などを謳います。
Bが勘違いしているのは、「Aが広告を打っているのならウチも同じ場所に広告を出さないとお客を取られる。」と考えているのですが、Aのサービスの提供の仕方がお客様から共感を得ているから人気が上がってきているわけです。
広告の文面でAの上を行こうとしても、サービスの中身が伴わないのであればどんなに広告の文面を変えてもダメです。
女性スタッフ
Aには、お客様から信頼されている女性スタッフがいるとしましょう。
その女性スタッフの噂がお客様の間に浸透してしまって、「この業種であればAに頼みたい」というお客様が圧倒的に増えてしまいました。
男のサービスマンしかいなかったBは慌てます。
せめて電話対応だけでも女性の声を聞かせて、自分のところにも女性スタッフがいるよ、と相手のお客様を惑わせようとします。
つまり、Bに連絡しても女性スタッフが対応すれば、お客様はAと勘違いするかもしれない、と高を括っているわけです。
外面だけ女性スタッフを用意しても中身が変わらなければ何をやってもダメです。
支店
Aは、順調に事業を伸ばし、支店をいくつか出しました。
そうするとAは「Aグループ」として日本のあちこちに支店を持つ大きな会社に成長しました。
それは外から見ても「Aは成長したな」と見えるわけです。
そして、Bはまだ事業を起こしたその場所で1つの会社として営業しています。
しかし、Aの大きくなっていく姿を見て慌てます。
とりあえず、自分の身近な人や社員などで借りられた住所(登記はしない)を「~支社」のような形にして「Bグループ」とホームページなどで謳います。
Aに負けない大きく見える「グループ会社」としたかったからです。
しかし、実体が伴わない偽物のグループ会社はやっていく内にボロが出ます。
そして会社の実体を大きく見せたところで、中身が伴わないのでやはり何をやってもダメです。
(まとめ)何が言いたかったのか・・?
さて、今日の話の論点は1つです。
「経営者はまず自分の事業に集中しなければならない」・・・それだけです。
相手の出方を見て、外側だけいくら対抗しても中身が伴わなければ事業がうまくいくわけがありません。
他社との比較を気にしてもしょうがないのです。
いやいや、問題はそこじゃねーだろーってツッコミたくなります(笑)
自分の事業の現在地で何が間違っているのか、どこを修正しなければならないのかをまず考えてから、他の同業者を参考にしたりする分にはいいと思います。
しかし、「料金を下げれば大丈夫だろう」「広告を打てば大丈夫だろう」「見せかけでも女性や支店を置けば大丈夫だろう」では、やはりその経営者の事業に対する観点がずれていると言われても仕方ありませんね。