先日、よーぐるとまとめんさんから以下のようなお問合せを頂きました。
ご質問
いつも拝見しています。私は文章を書くのがとても苦手です。仕事の関係上、メールやチラシ、サイト上に文章を書く機会が多いので、すらすらと文章がかけるようになりたいと思っています。宮嶋様は何か文章力を鍛えるような訓練をなさっていたりしますか?不躾で申し訳ありませんが、ご教授をいただければ幸いです。よろしくお願いします。
よーぐるとまとめんさんありがとうございました。
文章を書くのは難しいですよね。
ジャーナリストのように理路整然とそれでいて臨場感のある文章を、小説家のように登場人物の外見と内面の描写、点と点を線にしていく巧みで人を驚かせるような文章を書いてみたいと、ついつい思ってしまいますよね。
このようなプロの方々に混じって、大なり小なり「文筆家(小説家・ライターなどなど)」という人がネット時代となって多数登場してきました。
筆者と同じく悪戦苦闘を続けている人も多いかもしれません。
これまでに当サイトでいくつか書いてきた「文章力を上げるため」の記事の内容も踏まえながら、今回のご質問にお答えしていきたいと思います。
最初に少し「すらすらと文章が書ける」の部分について誤解を解いておきましょう。
認識の相違があればご了承ください。
文章が上手く書ける人は、実はいつもすらすらと書けているわけではありません。
もちろんその時の調子で筆が走っているなぁ、と感じる場合は筆者にもありますし、世の大勢の文章を書く人たちにもそういう経験は普通にあるでしょう。
しかし文章を書く前に、まずは「どのような構成」で話を進めていくのかを考えます。
構成が決まれば、実は終わりの方が先に書きやすい場合もありますし、終わりが決まって先頭が固まってくる場合もあります。
先頭が決まって、次に終盤が決まって、最後に真ん中の説明重視を書き始める場合もあるのです。
頭から終わりまでストレートに書きたい内容が溢れてきてそのまま書けると言うものではない、という点は留めておいて欲しいのです。
そういった意味では、構成が素早く決まってすぐに書き出せるときには、「すらすら進んだな」と感じるかもしれませんけどね。
では文章を書く際に必要となる「文章の構成」とは何なのでしょうか?
順番に説明していきます。
言葉の単位
何を今さら、と言われるかもしれませんが、念のため「言葉の単位」を確認しておきたいと思います。
文章
話のまとまり。
例えば、このページの話で言えば、先頭から終わりまでが「文章」となります。
章
文章を大筋で区切ったもの。章の中にさらに小さい章を設ける場合もある。
このページの話で言えば、「言葉の単位」やその次の「文章の構成とは」。
「言葉の単位」の中には、さらに細かく「文章」や「章」、「段落」など6つに分かれている。
Webページでは「h2」や「h3」などのhタグで表される。
段落
文章もしくは章内の一区切りの文章。おおよそ改行されるまでが1段落。
文
「。(句点)」までの文章。「私は明日、旅行に行く。」
文節
文をさらに短く区切ったもの。「私は」、「明日、」、「旅行に」、「行く。」
単語
言葉の最小の単位。「私」、「は」、「明日」、「旅行」、「に」、「行く」
文章の構成とは
文章を書く上で、一番大切なのは「文章をどのような構成にするか」だと思います。
構成と言うと分かりづらいかもしれませんので、人体で言う骨格とでも言っておきましょう。
先ほどの「言葉の単位」でもお話しました。
文章をまとめてくれるのは、それを的確に分けてくれる「章」だったり、章内の段落や文となります。
この中で重要なのは「章」であり、章をどのような順番にするかがカギとなります。
骨格のそれぞれの部位が「章」になり、「章」の中に書かれる「段落」や「文」などの小さな骨が集まって、人体(文章)を形成するようなものになります。
構成で一番よく聞くのは「起承転結」です。
承(起で提示した内容を引き継ぎ、具体的に話を展開・深掘り)
転(メインで物語や話の流れにアクセントを加え、展開を大きく変える部分)
結(話全体の結論や結果をまとめ、締めくくる部分)
物語はよくこの構成で作られています。
Web上で記事を書く場合は、結論を先に書いて読者の離脱を防ぐのが良しとされる傾向が多いです。
その際に一番使われる構成が「PREP法」になります。
R(eason。なぜその結論かの理由を述べる)
E(xample。例を提示する)
P(oint。もう一度締めくくる)
ただこれありきではないよ、と当サイトで記事にしたのがこちら↓になります。
本当に結論は最初がいいのか?
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[結論は最後]文章力を上げるためのフローと「数学的思考」とは
ブログやnoteなど、文章作成が中心となるコンテンツ作成者に向けて「文章術」を解説しているサイトは少なくありません。 そして、その解説サイトの多くが、「Web上で公開する記事は結論から書く」というのが ...
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構成は上に挙げた手法以外にもあるので、書く内容によって自分で決めればいいと思います。
つまり読者が最後まで読んでくれるための構成であり、そのためにWebの記事では「見出し」を使ったり、「補足枠」を設けたり、リスト化して内容をまとめたりするわけですね。
またネット時代では、ある規則に沿った書き方がバズれば、それがネット上で共有される構文となり、多くの読者に読まれる場合もあります。
よく見るアレだ!
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マコモ湯構文
当サイトでは筆者がつらつらと文章を書いているせいもあって、文章を書く時に注意する点なんぞを偉そうに語っている記事がいくつかあります。 「数学的思考」で考える文章構文のお話は、「結論を最後に書く」でした ...
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そして、構成が決まればどこから書き始めても大丈夫です。
先頭から書くのが難しければ、メインとなる部分から書き始めてもいいわけですし、結論(自分が言いたい点)が既に浮かんでいるならそこから書けばいいと思います。
一段レベルアップするためには
後は文章を書く上での注意点を少し挙げてみます。
慣用句は程々に
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Z世代には通じない?!こんな慣用句・言い回しにはご用心
こうやって日頃からつらつらと(だらだらと?)文章を書いていますが、実を言うと裏では色々と気をつけている点が結構あります。 今回はその内の1つについて語ってみましょうか。 それは、「慣用句の使い方」・・ ...
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慣用句など、どこかで聞いたような使い回しされている表現は使わない、もし使うのであればその文章内で”ここぞ”という時に1回だけ使うような形に持っていきましょう。
紋切型の文章に注意
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紋切型文章になってしまう人の特徴
1カ月半くらい前に、慣用句や有名なセリフなどを多投したよくあるフレーズの文章は恥ずかしい文章だよ、Z世代には響かんよというお話をしました。 昨日、たまたま電子書籍出版のサポートをしている企業の広告を記 ...
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季節的な比喩表現や「~という今日この頃です」などの締め方など、紋切型の表現もどこかで聞いたようなものが多いので注意が必要です。
比喩表現に関しても、ありきたりのものであれば、1つの文章に1つくらいか全く使わないくらいの方がいいと思います。
普段から心がける
後は「文」単位での注意を挙げてみましょう。
- 主語と述語の関係性
- 主語がなくて分かりづらくないか
- 述語の締め方
- 修飾語の位置
これらが文章としておかしくなっていないかは、読み直して確認します。
文として主語が書いていないと分かりづらかったり、術後の締め方が単調になったりというのは読み直すとだいたい気が付くものです。
「修飾語の位置」は本来、被修飾語のそばにあるのが一番分かりやすいので、文そのものはおかしくなくても、読み直した時に修飾語の位置によって文が分かりづらくなっていないかをやはり読み直して確認するようにしてみてください。
要約も身につける
文章力は要約も必要です。
文字数の多い方が、必ずしもいいと言うわけではありません。
特に、人に読んでもらう場合には極力要点をはっきりさせて伝えたいものです。
そうでないと以下の記事の様に、誰かへのコメントや返信が、やたらとまとまりのない文章になって読むのに苦労させられる場面も出てきます。
要約は大事
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要約力を鍛える
だいぶ前ならテレビやメールマガジンのおたより、少し前ならブログのコメント、最近ならSNSのコメントのように、コンテンツの制作者に対して視聴者側からの意見というのはありのままを発信できるようになってきた ...
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「要点をまとめられる」というのは文章力のレベルアップにも必要となります。
雑誌記事やニュース記事などを読んで要点をまとめてみたり、AIが要点をまとめた文章を自分の物にしていくのもいい訓練になると思います。
(まとめ)
今回は頂いたご質問から、「文章を書くのが苦手」というかたのために、これまでに当サイトでお伝えした文章力に関する記事も踏まえながら書かせていただきました。
文章を書くのが苦手だから動画をやろう、と考える人もいますよね。
でも構成を考えるのは一緒なので、文章を書くのが苦手ならまずは文章力を鍛えた方が断然いいですね。
少し画像を挟むにしても文章だけで相手に納得してもらえるようにするのはとても大事だと思います。
文章力を上げるなら定期的に「文章を書き続ける」という気持ちが一番です。
書く先の媒体は何でもいいので、とにかく試行錯誤でも書き続けてみましょう。
よーぐるとまとめんさんが思い悩む「文章が苦手」の克服に少しでも救いとなってくれれば幸いです。






