アメリカメジャーリーグの「ロサンゼルス・ドジャース」と言えば、現在大谷翔平が所属しているチームですが、大谷以外の主力メンバーはすっかり日本でも有名になったと思います。
特に、MVPトリオの一人である「ムーキー・ベッツ」という選手の名前は、日本でもおなじみの名前でしょう。
このベッツという選手は、実は「ポッドキャスト」で自分の番組を配信しています。
筆者の周りにも
「ポッドキャストってよく分かっていない・・??」
というポッドキャストに疎い人が、比較的、年配のかたに多くいました。
ベッツは知っていても、ポッドキャストは知らない・・・
というわけで、今日は少し「ポッドキャスト」について語ってみたいと思います。
YouTubeとの違い
「番組の配信」というニュアンスを聞くと、先ほどのような皆さんは「YouTube」を思い浮かべるようですが、ポッドキャストは音声コンテンツの配信となります。
年配のかたには、YouTubeはテレビに近く、ポッドキャストはラジオに近い、と話すと皆さんよく納得してくれます(笑)
YouTubeのように映像を見る必要がなく、音声だけに集中するため、家事や移動中でも”ながら聞き”ができるのが特徴ですね。
YouTube | ポッドキャスト | |
---|---|---|
機材と制作 | 映像を撮影するためのカメラや編集ソフトが必要となる | マイクと録音ソフトだけで動画撮影よりも準備が楽 |
視聴者の習慣 | 短い時間の動画を好む傾向が強い | 長時間のコンテンツでも受け入れられやすい |
ポッドキャストは、クリエイター側も比較的手軽に始められるので、音声の方がコンテンツを届けやすい場合は、ポッドキャストの選択もありでしょう。
ポッドキャストのプラットフォーム
ポッドキャストのプラットフォームは、いくつかあり特徴や利便性が異なります。
日本で人気のあるポッドキャストプラットフォームを挙げてみましょう。
Apple Podcasts
iPhoneユーザーにとっては標準のポッドキャストアプリです。
日本では広く利用されているポッドキャストアプリで、Appleデバイスと統合された使い心地が特徴です。
Spotify for Podcasts
世界中で人気の音楽ストリーミングサービスですが、ポッドキャストも大きな部分を占めています。
独占コンテンツもあり、日本でも特に若年層を中心に人気があります。
音楽とポッドキャストを一つのアプリで楽しめる簡単な操作性が特徴です。
YouTube Music
Googleも「Google Podcasts」を展開していましたが、2024年にYouTubeの音楽専用サイトの「YouTube Music」に統合されました。
現在は、「YouTube Music」で検索すれば音楽だけでなく、ポッドキャスト番組も検索されるようになっています。
Himalaya
世界的なポッドキャストプラットフォームですが、日本でもコンテンツが充実してきています。
無料で聞ける番組もありますが、有料の番組も多くあります。
独占コンテンツを有料で提供する機能があるため、クリエイターにとっても魅力的なプラットフォームです。
Amazon Music
「Amazon Music」内でもポッドキャストが聴けるようになり、特にAmazonプライム会員やAudible利用者にとって使いやすい選択肢となっています。
Audibleではオーディオブックに加え、一部のポッドキャストも配信されています。
RadioTalk
日本発の音声配信プラットフォームで、ライブ形式の音声配信やリスナーとのリアルタイム交流が可能な点が特徴です。
日本語のコンテンツが豊富で、手軽に音声配信を始められるため、日本国内のクリエイターにも人気があります。
stand.fm
日本のスタートアップが開発した音声配信サービスで、スマートフォンだけで簡単にポッドキャストを録音・配信できるのが特徴です。
初心者でも手軽に番組を作成できるため、気軽に音声コンテンツを配信したい人に人気があります。
日本でのポッドキャスト利用率
日本でのポッドキャスト利用率は徐々に増加しており、2022年の調査によると、月に1回以上ポッドキャストを聴いている日本人は約1,680万人、これは人口の約15.7%に相当します。
この数はTikTok(8.3%)を上回っています。
また、ポッドキャストの利用は若年層ほど高く、特に15~29歳の28.1%が利用しています。
対して、30代では15.9%、40代では12.9%と年齢が上がるにつれて利用率は低くなります。
ポッドキャストの人気は他の音声メディアや動画メディアと比べて、手を使わずに情報を得られるという利便性が評価されています。
また、YouTubeのような動画コンテンツと比較して、視聴疲れが少ないといった意見も多く、リスナーにとって魅力的な点となっています。
全体としてはまだ動画コンテンツに比べて利用率が低いものの、特に若い世代ではポッドキャストの浸透が進んでおり、今後さらに広がる可能性があります。
日本の人気番組のカテゴリ
日本語で聞ける番組は、以下のようなカテゴリが人気です。
- ニュース
- お笑いタレントの語りやコント
- 英会話
- スポーツ
- 経済
- 歴史
- 雑談
ベッツが配信している「On Base with Mookie Betts」は、ポッドキャストのプラットフォームであればどこでも聞けます。
ただ、当然ながら英語での収録なので、MBLのファンであっても日本人だと聞いている人は少ないかもしれません。
収録画面の日本語訳付きがYouTubeにアップされているのでそちらを見ている人が多いかもしれません。
スポーツも人気ですが、お笑いタレントの番組も人気を博しています。
先ほど日本で使われるアプリの一覧に挙げた「stand.fm」だと、クリエイター側が自分のコンテンツを他のポッドキャストに配信してくれない限りは、リスナーは「stand.fm」で聞くしかありません。
例えば、お笑いコンビの「令和ロマン」は、「stand.fm」で毎週番組を更新していますが、彼らはポッドキャストにも配信してくれているので、「Apple Podcasts」のようなポッドキャスト専用のプラットフォームでも視聴できるようになっているのです。
stand.fmで公開している令和ロマンの番組「令和ロマンのご様子」
『「stand.fm」で配信の「令和ロマンのご様子」をPodcastでもお届け』と書いてありますね。
つまり、各ポッドキャストのプラットフォームには、自分たちが改めて配信しているのが分かります。
日本で視聴されている番組は、特に英会話が人気で有名人が外国人とタイアップしていたり、完全に素人のバイリンガルが運営している番組など様々です。
ポッドキャストでの主な収益化方法
特に人気が出てリスナーが増えれば、ポッドキャストで収益化も目指してみましょう。
具体的な方法はいくつかあり、状況やリスナーの規模に応じて収益化の手段を選べます。
広告・スポンサーシップ | 最も一般的な収益化方法の一つが、ポッドキャストの前後やエピソード内への広告の挿入です。 リスナーの数に応じて、広告収入が得られる場合があります。 また、特定の企業やブランドが、エピソードや番組全体をスポンサーしてくれれば、継続的な収入が期待できます。 これには通常、リスナー規模や番組の影響力が必要となります。 |
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リスナーからの寄付 | リスナーが自発的にポッドキャストを支援してくれる場合があります。 |
アフィリエイトマーケティング | 自分の番組で特定の商品やサービスを紹介し、その商品をリスナーが購入すると報酬を得られる仕組みです。 例えば、Amazonアソシエイトや特定のサービスのアフィリエイトプログラムなどが該当します。 |
プレミアムコンテンツの販売 | 特別なエピソードや深堀りしたコンテンツを有料で提供する方法です。 一部のエピソードを無料で提供し、リスナーがさらに深い内容や特典を得るためにはサブスクリプションの支払いが必要になる形式です。 例えば、Apple PodcastやSpotifyには、サブスクリプションモデルを導入しているクリエイターがいます。 |
商品販売(マーチャンダイズ) | 番組名やロゴを使ったグッズ(Tシャツ、マグカップなど)を販売して収益を得る方法です。 リスナーが多く、熱心なファンベースがある場合には効果的です。 |
オンライン講座やコンサルティングの提供 | あなたの専門知識をポッドキャストで披露し、その知識を活用した講座やコンサルティングを提供します。 |
収益化の際のポイント
リスナーは信頼して番組を聴いているので、信頼できる広告や商品、サービスの紹介が重要です。
リスナーとの信頼関係が壊れると、収益化どころかリスナー離れを引き起こす可能性があります。
広告やスポンサーシップは多くの場合、リスナーの数が収益に直結しますが、ニッチな番組でもリスナーとの深い関係を築いていれば、収益化も成功するでしょう。
一つの方法に固執せず、リスナーの反応や成長に応じて収益化の方法を調整してみるのもいいかもしれません。
例えば広告収入だけではなく、寄付やアフィリエイトも組み合わせるなどしてみましょう。
これらの方法を組み合わせて、ポッドキャスト番組を収益化できれば、それはリスナーにとっても価値あるコンテンツと言えると思います。
Voicyとの違い
最後に、音声コンテンツの配信で人気のある「Voicy」とポッドキャストの違いについて見ていきましょう。
Voicyは日本で人気の音声配信プラットフォームですが、厳密には「ポッドキャスト」とは少し異なります。
Voicyとポッドキャストの違い
ポッドキャストは、一般的にオーディオファイルがRSSフィードを通じて配信されます。
リスナーは自由なポッドキャストアプリ(Apple Podcasts、Spotify、Google Podcastsなど)で番組を聴取できます。
一方、Voicyはプラットフォーム内で音声コンテンツを配信するサービスです。
Voicyで配信されたコンテンツは、Voicyアプリやウェブサイトを通じてのみ聴取可能で、ポッドキャストのように他のプラットフォーム(SpotifyやApple Podcastsなど)に配信されるわけではありません。
Voicyの特徴
VoicyはポッドキャストのようにRSSフィードを使わず、専用のアプリやウェブで音声コンテンツを提供します。
Voicyでは、誰でも配信できるわけではなく、コンテンツクリエイターがプラットフォームの審査を通過する必要があります。
Voicyはリスナーとクリエイターの間でコメントやメッセージを使って、直接的な交流ができる点が特徴です。
ポッドキャストとの類似点
一方で、Voicyは音声コンテンツを提供するという点ではポッドキャストと類似しており、ユーザーはいつでも好きなタイミングで番組を聴取できます。
また、ビジネスやライフスタイル、エンタメなど、幅広いジャンルの音声番組が配信されている点でも共通しています。
(まとめ)始めやすく面白い
なぜ今回、ドジャースのベッツのポッドキャストを取り上げたかと言うと・・。
2024年9月25日(日本時間)からのサンディエゴ・パドレスとのナ・リーグ首位争い3連戦で、正に死闘を繰り広げている真っ最中の第2戦目終了後に、パドレスの主力選手である「タティスJr.」が
ベッツのポッドキャストに出演したんですね。
「そのタイミングで??」と驚いていた筆者の周りの人達が意外にも「ポッドキャスト・・??」という感じだったので、今回長々と書いてしまいました。
コンテンツクリエイターとして、音声コンテンツは始めやすく面白い手法でもあります。
動画クリエイターのようにビジュアルを気にする必要もないですが、一方で音声だけでリスナーを惹きつける魅力を備えなければなりません。
ベッツとタティスの会話をシーズン中のあのタイミングで聞かせた「ベッツのポッドキャスト」のように。