「幻夜」ってご存知ですか?
東野圭吾の長編ミステリー小説のタイトルなんですけど、2001年に週刊誌に連載されていたので、もう25年も前の作品になります。
「25年」と言うと、四半世紀です。
この頃は、携帯電話がだいぶ普及してきたけどスマホはまだまだの時代で、家庭用にもパソコンが普及してけたけどインターネット回線はまだまだ遅い時代でした。
ようやく電話回線からISDN回線に変わってきた時期で、初期のADSLを最初に体験した時には、その接続の速さに涙が出そうになったのを今でも覚えています。
スマホが当たり前、インターネットで動画を見るのが当たり前の世代には、相当大昔の話に聞こえるかもしれませんけどね。
そんな頃に連載されていた「幻夜」ですから、読んだ人は結構いらっしゃると思いますし、読んだ人ならお分かりいただけると思います。
読み始めたら止まらなくなるあの感じですね(笑)
「幻夜」を一言で言うと・・・
「底知れない野望を持つ美しき悪女と、彼女の影として犯罪を重ねていく男が破滅へと向かう物語」という感じです。
ちょっとあらすじを書いてみましょう。
1996年の阪神淡路大震災の混乱に乗じて、主人公の水原雅也は借金の返済を迫ってきた叔父を衝動的に殺害します。
叔父を殺した現場を一人の被災者らしき女性、新海美冬に見られてしまいます。
しかし美冬は雅也の殺人を隠蔽し、共に被災地を離れ東京へと向かいます。
東京に出た美冬は、その類まれなる美貌と恐るべき知略を武器に、美容・ファッション業界でのし上がっていきます。
雅也は美冬を愛し、「すべては二人の幸せのため」という彼女の言葉を盲信します。
美冬が華やかな「表の光」を進むため、雅也は彼女の指示のままに、邪魔者を排除するための裏工作や、恐ろしい悪事、犯罪に手を染めていく「影」として暗躍していくのです。
美冬の野望が大きくなるにつれ、周囲では不審な事件や、不幸になる人間が続出します。
事件を追う刑事・加藤が美冬の過去を調べるうちに、驚愕の事実が浮かび上がってきます。
「新海美冬」という女性の凄まじい秘密、そして彼女が本当に追い求めているものとは何なのか。
雅也もまた、自分が彼女の「愛するパートナー」ではなく、都合よく操られていた「ただの道具」だったのではないかと疑念を抱き始め、物語は衝撃の結末へと加速していきます。
相当端折っていますが、途中に発生する様々な事件が濃厚に絡み合っていて、すべてが繋がっているのです。
そしてそれらの真実を知ると、いかに美冬がおそろしい女性であるかが浮き彫りとなります。
震災に遭ってから東京に出てビジネスを展開する。
裏側では、実に様々な事件が起こっている。
何と言っても、日常で普通にありそうな生活上にこれだけのストーリーが絡み合うのが凄すぎて、本当に読み応えのある作品となっています。
しかも今のようにSNSがどうだ、とかスマホの画面ですぐに検索だ、とかそういう描写はもちろんなく、せいぜい携帯電話で通話したり、パソコンのWebサイトを探したり、というアナログな世界観がそこにはあります。
警察側も和久さんみたいに足を使って地道に捜査する人が多く、むしろ「一般人の方がネットに詳しくて肩身が狭い」というようなセリフもありました。
和久さんというのは、踊る大捜査線で「いかりや長介」がやっていた役です(笑)
それでも今のこの時代になって改めて読んでみても夢中になるわけですから、人物(心理、行動)・背景(情景)の各描写が見事に組み合わさった作品となっているわけです。
気になったかたは、是非読んでみてください。
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さて、こういった少し昔の作品を読むと、その時代に流行った懐かしい言葉が登場する場合があります。
この「幻夜」でも「今ではまず使わないだろう」という言葉がいくつかあったので、最後にそれらを紹介していきたいと思います。
財テク
この言葉を見た時に、少し感激しましたね。あーっ!あったね、と。
「財テク」というのは、ハイテク(ハイテクノロジー)をもじった言葉で「財務テクノロジー」の略語です。
個人でも企業でも資産を運用する手法を言います。
現在だと「NISA」や「iDeCo」、「不動産投資」のような運用方法・商品などを使って、効率よく資産を形成しているものも昔なら「財テク」と言ったかもしれませんね。
2000年問題
1999年から2000年へと西暦が切り替わる時に、コンピューターが2000年を認識できず1900年だと間違えて誤作動を起こし大パニックになる、と言われていたあの問題です。
1999年の7月は、ノストラダムスの大予言で「世界は滅亡する」というものもあり、1999年は何だかそわそわした年でした。
無事7月を乗り越えて、何十年も言われていたノストラダムスとは一体何だったんだ?とずっこけた後は、この「2000年問題」の方に焦点が移ったと思います。
結局、大した誤作動もなく無事2000年を迎えたわけですけどね。
有閑マダム
もう完全に昭和の言葉ですね(笑)
生活に余裕があり、働く必要がなく、自由な時間を社交や趣味、娯楽に費やしているお金持ちの既婚女性を指します。
つまり、今で言う「セレブ妻」です。
若いつばめ
一般的に女性から見て「年下の男性の恋人」や「愛人」を指す言葉です。
特に、年上の女性に金銭的に養われているような男性に対して使われます。
今だと「ヒモ」でしょうね。
有閑マダムとセットで覚えてください(笑)
ジゴロ
これ、本当に笑いました。
あった、あった、と。
「つばめ」と同じような意味ですけど、女性に金銭的に依存している男性を言います。
当時は何となくですけど、ジゴロという言葉はちょっと渋いモテる中年男が、女性に依存しているようなイメージでした。
若いつばめは文字通り、若い元気なお兄ちゃんが年上女性の愛人になっているイメージです。
ジゴロってフランス語なんですね。
だから格好良く感じたのかもしれませんけど、言ってみれば両方とも「ヒモ」です(笑)
古い物にもたまには触れてみる
作品そのものの面白さとは別に、一昔前の作品にはその時代にあったものが登場したりするので、振り返って懐かしむのも楽しかったりします。
「つばめ」って今でも使うかもしれませんけど、「ジゴロ」はないでしょうね(笑)

