自分の周囲に「あの人マイペースだな」と思い浮かぶ人はいらっしゃるでしょうか。
この「マイペースな人」には3種類あると思うのです。
まずは良く言われる「マイペースな人」です。
この場合は意図的にマイペースを貫く人が多く、時間は自分のためだけに流れていると考え、周りの人がどのように動いても自分のペースを一切崩しません。
どちらかと言うと周囲からは「我がまま」に見えるのですが、社会常識での生活や周囲の人からの教育などによって「時間は自分のためだけにあるものではない」と悟れば、周囲とのコミュニケーションを修正できる可能性を秘めています。
ただし、修正ができなければコミュニケーションの取りにくい人として認識されてしまう場合もあります。
周囲からも孤立してしまうのですが、その孤独感を本人もきちんと理解できているので、ますます距離ができながらもマイペースな本人はあくまで「マイペース」を貫くわけです。
組織内にこのような人がいた場合は、組織のリーダーやもしくはそのメンバーたちが、組織内のペースに合わせてもらうように指示をし続けるしかありません。
もしかすると厄介なタイプになるかもしれませんね。
2つ目の「マイペース」はこうです。
自分はマイペースだと分かっているけれども周囲に合わせようと努力する人ですね。
この場合のマイペースは、実はマイペースと言うよりは行動が少し遅めの人が周囲からそのように見られてしまっている可能性があります。
本人は至って普通にやっているつもりなのですが、周囲の行動についていけなくて、いつも遅れを取ってしまう。
本人もマイペースにやっているつもりはないので、必死に周囲と合わせようとしますが一歩・二歩ズレが生じてしまう時があるです。
ただし、この「マイペース」というのは本人に「周囲と合わせよう」という意識があるので、組織のリーダーは対応をしっかりと考えなくてはなりません。
このような人には、他の人達とは違った作業や対応をしてもらうか、もしくは「焦らなくていいから、周囲に遅れを取ってもいいからいつも通りのペースでやって」と声を掛けるか、程よく気に掛ける(見ておく)必要があるでしょう。
このマイペースは、本人の性格でもあるので、教育などで修正するわけにもいきません。
この人の特性を生かすためのリーダーの手腕が問われるタイプになるかもしれませんね。
そして、一番厄介なマイペースを最後に挙げておきます。
それは、誰がどう見てもマイペースなのに、本人がそれを自覚していない場合です。
これは、いわゆる「天然のマイペース」と呼ばれるものに近いかもしれません。
この「マイペース」は、「自分だけに流れている時間がある・・」ように周囲からは見えてしまうのですが、本人はまったくそう思っていません。
そのため、見方によっては少し「変わり者」に見えてしまう場合もあります。
例えば、以下のようなタイプです。
スーパーのレジやファストフード店のレジで自分の番が来た時に、端数のお金や商品券を探して時間が掛かったり、いつまでたっても頼みたいものが決まらなかったりして段々と後ろに長い列ができてもまったく気にしない。
お葬式の出棺の時になって泣き叫んで棺から離れられなくなり最終的に出棺の時間が遅れてしまい、会葬に来た人に迷惑をかけ、火葬場の火葬時間にも間に合わない。
道に迷った時に、周りに車がいなければ堂々と道路の真ん中に停まってスマホで調べ出す。
例として挙げてみたこれらの内容は、「まぁそれでも、しょうがないんじゃない」と寛容に思ってくれるかたもいるでしょう。
しかし、このマイペースな人にもし「自分にはマイペースなところがあるから気をつけよう」と言う意識があればだいぶ変わってくるのですが、このタイプは先述の通り「天然」に近いので気をつけようという意識は芽生えません。
ただ、これもその人の性格なので強制的にどうこう言えるものではないですし、組織内にこのような人がいる場合はおそらく本人にマイペースの自覚がないので周囲の人のイライラ感が募るだけとなるかもしれません。
組織のリーダーが抱えるメンバーとしては結構厄介な部類に入るかもしれないので、長い目で見守っていく必要があるでしょう。
いずれにせよ「マイペース」な人が組織にやって来た場合、その人のマイペースの種類をまず見極めるところから始まるのではないかと思っています。