「24時間テレビ」という24時間ぶっ通しでやっている日本テレビのテレビ番組が1年に1回あるらしいです。
筆者ももういい年なのですが、この番組を今まで一度もまともに見たためしがありません。
それでも、ネットニュースなどの影響もあり、何をやっている番組なのかは何となく分かります。
この番組ではチャリティーマラソンをやっているそうで、そのマラソンランナーを毎回違う芸人が務めるのだとか。
今年の番組では芸人の「やす子」が日産スタジアムから両国国技館までの約30キロを14時間ほどで走ったそうです。
番組終了間際でなんとか完走したらしいのですが、これに物議を唱えた人がいました。
「三納物語」という男性ユーチューバーだそうで、何と実際に「やす子」が走った距離を歩いてみたというのです。
その理由が凄い。
日産スタジアムから両国国技館までの徒歩で掛かる予定時間を調べたら「7時間」なのに、「走ったうえで14時間かかるのはおかしい」と、つまり「番組のやらせなのではないかという疑惑が拭えないため」だそうですが、その疑惑に対する検証動画を実際に作成してしまったようです。
申し訳ありませんが、このユーチューバーのかたをまったく知らなくて今回の騒動で初めて知りました。
ご本人は、9月は動画編集を行うために京都にずっといる予定だったそうですが、この24時間マラソンが気になって「予定を全部キャンセルして日産スタジアムがある新横浜から両国国技館まで実際に歩く」と決意したそうです。
そして、実際に京都から新横浜までの新幹線の乗車券(日付も24/9/5と見えている)を持って、新横浜に戻ってきて歩き始めた様子の動画が公開されています。
おそらく本当に京都にいて、新横浜まで新幹線で戻って、約30キロの道のりを1人黙々と歩いたのでしょう(途中0人の沿道に向かって手を振っていましたが(笑))。
そして、このユーチューバーのかたの何が凄いかと言うと、「24時間テレビが終わったばかりの鮮度がある内に検証したい」というスピード感と「予定を全部キャンセルしてすぐやる」というこれまたスピード感でしょう。
おそらく、実際にかかる徒歩の時間は簡単に調べられるかもしれませんが、本当に歩いて検証してみるというのは、中々思ってもできないでしょうしね。
結果的に、途中で休憩もはさみながら歩いてみると、確かに14時間は掛かりすぎだ、と分かったようです。
さて、今回のユーチューバーの検証動画から何が分かるのか・・。
それは、今の時代、コンテンツ制作者側であれば「視聴者を騙すのは難しい」と意識しておかなければならない点でしょう。
この24時間マラソンを企画しているテレビマンは、おそらくこういう時代になってもいまだに「テレビマン」なのでしょうね。
以下のような心の声があったのかもしれません。
- 簡単に新横浜から両国までの徒歩の時間を調べないし調べられない
- ちょっと演出したけど、実際に検証する人はいないだろうから演出には気が付かない
- 演出を全世界に簡単に公開されない
企画したコンテンツに何か一味加えたいという時に、そこには信憑性がないといけません(特にそのコンテンツが募金を集める主旨なのであればなおさら)。
何でもすぐに調べられる今の時代では、例えテレビマンが考えた企画・内容であっても「視聴者が本気で調べれば簡単にバレる」と思っておきたいところです。
今回の「24時間マラソン」は、正に上の3つの気持ちをひっくり返されたわけですね。
今回のような長距離を実際に走ってみる(歩いてみる)というのは、検証する人はもちろん少ないでしょう。
しかし、検証結果があれば、それは誰でも簡単に公開できるという点を忘れてはならないし、視聴者が作り話でも楽しく見てくれるのは、「最初から作り話だと分かっているものだけ」だと肝に銘じておきたいですよね。
ほぼ番組の過剰演出が確定的となってしまった今回の件、最近とばっちりを食らっている「やす子」さんは、またもや災難となってしまいましたね。