連休明けに「退職代行サービス」を利用した人が増えた、と騒がれていましたね。
最近はこのサービスの存在も一般的になってきたので、普通に退職していくだけで崇められるような世の中になってきたかもしれません。
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この退職代行サービスを使う人って、現代の若い人が中心と言われているので、時代で区切る人が結構いますよね。
「今の若い奴は・・」、「昭和じゃあり得ない」、「俺たちの頃はそんなの許されない」・・etc
昭和時代を生きた人たちは「辞めるときくらい自分で言えよ」と、ついつい愚痴をこぼしたくなります。
昔は自分が勤めている会社を退職するなら直属の上司に相談して、「辞表」を書いて提出し、なんなら最後に菓子折りでも置いて去っていくのが一般的な退職の仕方でしたから。
それなのに何故、今の時代こんなにもこの「退職代行」を使う人が多いのか・・・。
これ時代は時代でも、その時代を生きている人間が軟弱になったのではなく、世の中に対して「そんなものまで・・!」というサービスを色々と提供できる土台があるからだと思うのです。
例えば昭和時代は、連絡手段で考えられるのは家の電話、公衆電話、手紙、直接対面するの4つくらいしかなかったんですよ。
そこに、FAXが含まれたとしてもそれは電話や手紙とほぼ変わりません。
もし昭和の時代に「退職代行サービス」があったとしてもおそらく流行らなかったでしょう。
現代みたいに「退職代行サービス」とメールやチャットのやり取りだけで完結し、本人が全く動かなくて済むのなら別ですけどね。
電話なり手紙なりで代行サービスに事の詳細を伝えて、必要な物を直接対面で相談し、場合によっては代行サービスと一緒に自分が会社に赴く・・・などと手間をかけるくらいなら、自分で会社に行って辞める手続きをした方が早い、とあの当時なら考えたでしょう。
直接「辞める」と言いづらくても、トータルで考えたらわざわざ人に頼むものでもない。
そう思えるくらい、付き合いのない人や会社と一から関係を構築するのは、もの凄く力と時間が必要だったのです。
それだけ自分の考えや意見を伝えられる相手は、非常に限られていたわけですね。
でも今であれば、SNSに「辞めるの言いにくい」とちょっと発したら、あっという間に世界中の人がその発言を見て返信してくれます。
場合によっては、そんな負の気持ちを助けるように新しいサービスが起ち上がってきます。
現代の「退職代行サービス」というのは、利用者がメールやチャットで相談し、必要な物をデータで送付すると後は代行サービス側が会社と交渉してくれます。
場合によっては、辞めると決めたら本人はその後会社に一切行く必要がありません。
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ネットワーク環境が整備されたおかげで、「退職代行サービス」というものが、利用者にとって「是非お願いしたい」と思えるサービスとして確立されただけの話なのです。
では「退職代行サービス」を使われた企業側の方に何か問題があったのでしょうか。
長年勤めてくれた人に辞められたのであれば、企業側としては痛手ですよね。
そんな時はむしろ「退職代行サービス」と密に打合せをしてその人がなぜ辞めたくなったのかを聞けるといいかもしれません。
今後の会社側が人材を扱う上での参考にもなりますし、特に長く勤めてくれたかたにこのような去られ方をすると、会社側にも何か問題があった可能性もあります。
ただ入社後すぐに辞めていった人はむしろ会社側にとってはラッキーだったと思っていいでしょう。
色々と教育に時間をかける前に去って行ったのであれば、余計な時間をかけずに済んだわけです。
そしておそらく多くの昭和世代が、「退職代行サービス」を使う人に対して不快な感情を抱く原因が、ここだと思うのです。
つまり「入ったばかりで何も分からない内に続けていけないと判断したのなら、せめて辞めるときは直接言ってこい」と。
雇う側もそれなりに慎重になるし、労力を使って雇用を決めたわけです。
雇われる側に「何か違う」と思われる部分があっても、それは仕方がないでしょう。
本来であれば辞めていく側(雇われる側)が「続けていけないのは何がダメだったのか」をきちんと会社(雇う側)に伝えていくのが、お互いのためにもなるいい方法なのです。
結局一方的に「No」を突き付けた形で終わってしまうのが、すべて無駄な徒労となってしまうのですね。
せめて早く辞めてくれた分だけが救いであるというわけです。
正直な気持ち、もし入社したばかりなのに退職代行サービスを使って辞めていく人であれば、そのような人と仕事上であまり付き合いたいくはないですね
これは世代に関係なく、個人個人の性格だと思うのですよ。
何人かの若い人に以下のように尋ねてみました。
「今の会社を退職したくなっていざその手続きをするとなったら、どのように進めていく?」
ほとんどが「長くお世話になれば、辞める時は自分で言いたい。」と言っていました。
そう、長く勤めた人ほど「退職代行サービス」を使わず自分の言葉で辞めていく人が多いんです。
思わず「今の時代~」とつい言ってしまいそうになります。
しかし利用したい人がいる、つまりニーズがある分サービスはなくならいでしょう。
「退職代行サービスを便利に利用する人がいる」という事実と、「誰もが退職代行サービスを使うわけではない」という事実を念頭に置いて、会社側も今後の雇用を考えていきたいですね。