マイクロソフトの法人ライセンスがまたまた値上げとなりました。
現在「Microsoft365 Business Standard」を使っているのですが、ここ2,3年は結構ハイペースで値上がりしていますね。
2022年3月 | 2023年4月 | 2024年4月 |
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1,360円 | 1,560円 | 1,874円 |
ウチは2025年2月にライセンスの更新となるので、2024年4月に改訂された料金が今回初めて適用されます。
年額が2万円を超えていたので、「何かの間違いか?」と思ったら2024年4月にさらに料金が上がっていたわけです。
2022年の2月に更新した時には、月額で1,360円だったのが3年後には500円も上がって1,874円となってしまいました。
中堅企業などでライセンスを相当数持っている場合は更新も本当に大変ですよね。
そこで「マイクロソフトライセンスの更新をやめよう」と考えたとします。
ライセンス料金を抑えるために、無料で済むものは無料版を使ったり、別のシステムを使ったりと考えて見た時に、筆者の環境であれば以下の点がネックとなります。
- OneDriveに保存しているデータの移行
- 各オフィスアプリを代替のアプリで利用できるかの調査
- チャットシステムの移行
- データベースの移行
- コラボレーションツールのデータ移行
順番に見ていきましょう。
OneDriveのデータ
法人ライセンスを契約すると1ライセンスにつき1TBのOneDrive容量(クラウドドライブ)が与えられます。
長くライセンスを使用していると、当然なのですがこのクラウドドライブには様々なデータが蓄積されていきます。
まずは、これらを移行する先のクラウドドライブを契約しなければなりません。
クラウド上でいつでもどこでもデータにアクセスできる便利さに慣れてしまっているので、外付けなどのローカルデバイスは選択肢ではなくなるでしょう。
もちろん、ローカルデバイスはバックアップ用として使用する場面もありますが、通常のデータ保管場所はクラウド以外には考えられません。
「Google One」や「iCloud+」、「DropBox」などのライセンス料金を色々調べたのですが、1人あたり1TBで提供しているサービスがなく、料金もOneDriveと比較すると少し高くなります。
そのため、「OneDrive」だけを利用できる「OneDrive for Business」プランを見てみると、1ユーザーが1TBまで利用できて月額「749円」となります。
しかし、「Microsoft365 Business Standard」の料金、「月額1,874円」と比較すると、1,874円の内の「749円」がOneDriveの料金とも言えるわけです。
後1,000円程出せば、OneDrive以外に各オフィス製品、Teams、コラボレーションツールなど、元々のライセンス契約時と同じ環境で色々使えますね。
それであれば、「Microsoft365 Business Standard」を使い続けた方が「OneDrive」を単体で契約するより全然コスパは高くなるような感じがします。
各Office製品の代替品
マイクロソフトのオフィス製品は優秀だと思うのですが、実はこれらに対抗するような無料で利用できるオフィス製品は昔から存在しています。
それこそ20年くらい前からあると思うのですが、「Open Office」や「Libre Office」などは、まだマイクロソフトの「Office Professional」などのインストールCDが全盛だった時代からありましたね。
最悪、これらを使ってもいいのですが、一番ネックなのは「VBA(マクロ言語)」を使っている場合です。
例えば、「OpenOffice」にも「VBA」とは違いますが「OpenOffice Basic」という言語でマクロを組めるようになっています。
しかし、互換性はないので一つ一つ動作確認が必要となります。
エクセルには、結構VBAや関数を使っている場面が多いので、これらの互換性チェックが面倒くさいかもしれませんね。
チャットシステムの代替品
チャットシステムは「Teams」から移行する必要が出てきますが、「OneDrive」同様に「Teams」を単体で利用する場合は、1ユーザー月額「599円」で利用できます。
「OneDrive」と「Temas」をそれぞれ単体で利用するだけで、月額で1,350円くらいかかるわけですね。
もう、この時点で「Microsoft365 Business Standard」を引き続き利用した方が良いという結論になりました。
「ChatWork」は使いやすくていいんですけど、料金や性能を比較すると「Teams」の方に分がありそうです。
データベースのデータ移行
一応、残りも見ておきたいと思います。
実は、マイクロソフトのライセンスをやめる一番のネックはこれだったりします。
ワードやエクセルなどがWebアプリでも利用できるように進化していくのをよそに、今でもWindowsPCでのみの使用しか許されない「Access(アクセス)」データベースですね。
顧客情報や売上管理などを管理するためのデータベースを「アクセス」で作っているのですが、「フォーム」や「レポート」をフロントで動かすために各リレーションデータを相当な量のVBAで動かしています。
これを今さら別のシステムに移行したくないのです。
これは、インターネット上で見られる必要はまったくなく、むしろローカルの限られた場所からのみ見られればいいので、「テーブル」データもすべてこの「アクセス」上で管理しています。
もちろん、「OpenOffice」にもデータベースはありますが、そのまますぐには使えません。
そのため、マイクロソフトのライセンスをやめた時に、ウチの一番の悩みどころとなるのです。
コラボレーションツール
これは、マイクロソフトのBusinessライセンスでも上位ライセンスのみで利用できる「Loop」になります。
「Loop」は、「Notion」のようにブロック構造でデータを管理できる上、他のオフィス製品にも使いまわしできる「Loopコンポーネント」が利用できるのです。
まぁ、これは使用頻度によるとは思いますが、使い倒していると代替はやはり「Notion」となるのでしょうね。
ウチはライセンス継続の判断をする際には、一番後回しに考える部分となります。
(まとめ)価格が値上がりするたびに・・
マイクロソフトのライセンス価格が値上がりするたびに、「ライセンスを破棄したらどうなるか」をシミュレーションするのですが、だいたいは「継続」で落ち着きます。
今後の料金の展開次第では、本気で見直さなければならないでしょうけれども、システムの部分も含めて移行が結構面倒なので迷いそうですね。
マイクロソフトのライセンスをやめてオフィス製品の代替を使う方法などは「小規模経営者に贈る情報整理術」サイトに改めて書いていきたいと思います。