コンテンツビジネスにおいて、現在最も勢いのあるカテゴリーはやはり「動画」になるでしょう。
「YouTube」や「TikTok」など、個人でも動画を簡単にアップロードできる時代になり、本格的に動画を撮影する人もちょっとした短い動画を撮影する人も、動画生成は情報提供の場として最高位に君臨していると言っても過言ではありません。
そのせいか、「それもYouTubeでやる?」というコンテンツも多く、「記事ページの方が読みやすいのになぁ~」というものも最近ではよく見受けられます。
「YouTube一辺倒」になりがちな最近のコンテンツ制作について少し語ってみたいと思います。
YouTubeの方が見やすいコンテンツとは
視聴者にとって、コンテンツとして動画の方が見やすいのは、以下のようなものがあると思います。
- ペットの飼育・保護などを撮影する
- 不動産の物件を実際に撮影する
- 料理の手順や調味料などを教える
- スポーツの技術を教える
- 風景を撮影する
- 有名人が語る
- ハウツーの実際の操作方法を教える
「ゲーム実況」や「DIY」などまだあるかもしれませんが、大まかに上のように挙げてみました。
もちろん、動画として見やすいとは言え、どの場合も万人受けするものではありません。
ペットが嫌いな人は、他人の家で飼われているペットの動画や保護されたペットの動画などに興味はないでしょうし、料理は嫌い、スポーツも嫌いという人はそのような動画は見ないと思います。
動画を出している有名人が嫌いであれば、その動画は見られないでしょうし、不動産情報が現時点で必要ない人や動画で説明されているハウツーを現時点で必要としていない人には受けるものではありません。
上で挙げた内、唯一風景動画は、海岸や街並みのような様々な風景から電車などの乗り物系まで、さらにそこに編集で音楽も加えられて、見るだけで視聴者の気分を良くしてくれるものが多いでしょう。
よほど綺麗な景色など見たくない人以外は、そこそこ万人受けする動画になる可能性は高いです。
それでも、上のようなコンテンツで挙げられた動画の視聴数は比較的高めですよね。
それは、やはり文章や静止画像だけで伝えるよりは、動きのある情報を提供してくれた方が「視聴者が見やすい」からです。
つまり、動きのある情報は「視聴者がコンテンツに感情移入しやすい」、「視聴者の理解が深まりやすい」というわけです。
では、YouTubeのような動画でも、文章でもどちらでも視聴者の心を掴めるコンテンツにはどのようなものがあるでしょうか。
YouTubeも文章もどちらも見やすい
この場合、まず挙げられるのは「ホラー系」ですね。
もちろん、稲川淳二のような語り口であれば、動画でも面白くなりますし、文章と画像をうまく利用しても怖い話はコンテンツとして成立しやすいでしょう。
また、島田秀平のYouTubeチャンネルのように、芸人や元スポーツ選手などの有名人を招いて対談形式のエンタメとするのであれば、動画も面白いですし、文章化しても面白い。
これはやはり「怖い話」というコンテンツがあってこそなので、それをどう表現してもある程度は視聴者を楽しませてくれるものになるわけです。
もう一つは、「YouTubeで見やすいコンテンツ」でも出てきた「ハウツー系」ですね。
これは、実際の画面の操作や動きのあるものをどのように操作するか、と言う点でいえば動画の方がコンテンツとしては分かりやすくなるのですが、画像や表などを使って、じっくり文章で説明された方が断然分かりやすい時もあります。
最後に、「雑学系」を挙げておきます。
「雑学系」は、動画(静止画像の連続含む)とナレーションの組み合わせですぐに動画コンテンツになりますし、文章と画像だけでも読み始めると止まらなくなるものです。
このジャンルで昔からあるようなサイトは、今でも続いているものが多くあり、記事も毎日更新されているようなサイトばかりです。
「動画」を使わず文章と画像だけでも見る人を楽しませてくれるサイトが多いのだな、と分かりますね。
動画コンテンツとしては
さて、これまで挙げてきた動画のジャンルを踏まえて、そのコンテンツを動画にすると視聴者にとっては、かえって見づらくなるパターンを挙げてみたいと思います。
静止画に文字だけが流れる
このタイプは、「雑学系」や「恋愛系」、「ホラー系」が多いと思います。
一時流行りましたよね。
背景も1種類だけで、淡々と文字だけが上から下へ流れていくような動画です。
このような動画は今ではすっかり見なくなりました。
動画制作側からすると、YouTubeが「コンテンツ違反として規制」したため、チャンネル登録者や視聴数が稼げても収益が発生しなくなったからです。
これは、視聴者側にしても文字を読むだけなのに、自分のペースで読めないので不人気でした。
仮にYouTube上で2倍速で読んだって、もうちょっと早く読みたい場合には、それ以上は早くできません。
だったら、「Webページの記事で文章で読んだ方が読みやすい」となるわけです。
コンテンツとしては、面白かったり、為になったりする動画であっても、視聴者の「見やすさ」が意識されておらず、制作側が楽に動画が制作できるだけのものだったわけです。
しかし、現在ではこの手の動画も少し形を変えて生き残っています。
そう、背景を動画にしてストーリーを字幕にしているような動画です。
背景の動画がストーリーと絡めた動画だとまだ分かるのですが、ストーリーと全く関係のない動画であればただ字幕を読むだけになるので、それなら動画でなくても記事の文章でも同じなわけです。
動画に章立てとなる「目次」が設定されていればまだいいのですが、それもない・・。
ストーリーが不倫や恋愛の話なのに、背景が「猫がじゃれている動画」だと動画コンテンツにする意味はないですよね。
50通りを1から順番に紹介していく
「ハウツー系」の動画に多いのですが、ランキング形式で紹介していく動画ですね。
これは、数種類から多くても10種類くらいまでなら動画で実際の動きやナレーションのかたを見ながら、と言う形にすれば動画コンテンツとしても成り立つと思うのですが・・。
どの動画かもう覚えていないのですが、「副業を50個紹介する」というのがありました。
このYouTubeの動画タイトルを見た時に、「50個も動画でやるの?」と思ったのです。
実際に視聴すると、1個目から順番に顔出しした男の人が説明していきます。
背景に「1.~」という形で表示して、男のかたが淡々と順番に説明していき、時折その内容に合った静止画か動画かが表示されていたように記憶しています。
1つの副業の紹介をおそらく20秒から30秒くらいにまとめて、その流れで50個までやるのでしょう。
8個目くらいまで見て、見るのをやめました(笑)
これも目次がなかったので、自分の好きな位置から視聴ができない、というもどかしさもありました。
この場合、まずはやはり一覧表で50個の副業のタイトルを全部見てみたいですね。
50個あるので、一覧表にしても少し縦長になるでしょう。
おそらく一番左列の副業名だけで自分にできそうな副業を探して、興味の引いた行にたどり着いて、2列目に書いてある中身を確認するというのが一番ストレスのない方法だと思うのです。
つまり、「Webページの記事の方が見やすいコンテンツ」となるでしょうね。
そういうWebページを作成しておいて、「そこから厳選して3つを解説」とか「その一覧から人気ベスト5を紹介」などの動画であればストレスなく視聴できると思うのですが、50個の副業のタイトルと内容を淡々としゃべる内容だと、為にはなるかもしれませんが、やはり途中で離脱してしまう可能性が高くなるかもしれませんね。
(まとめ)コンテンツ制作で一番大事な点は
「コンテンツ」に合った表現方法というのは意識したいところです。
確かにYouTubeやTikTok、Instagramの方が視聴数を稼げるかもしれません。
しかし、最終的に「視聴者が見て良かった」と思えるものは、「ストレスなく見やすかった」というものでもあると思います。
再生数稼ぎや収益狙いを基準にすると、結果的にアクセスの集まらないコンテンツができ上がるので注意が必要です。
では、Webページの方が見やすそうだけど、それを動画コンテンツにするにはどのような工夫が必要になるか・・。
それが、コンテンツ制作側の腕の見せ所でもあるわけですね。