ビジネスマッチングを行う業者は今では相当数増えました。
いわゆるB to Bを専門にしたマッチングもあれば、B to CとB to Bの両方に対応するマッチングもあります。
このマッチング業者も本質を見誤ると、色々とトラブルが起こる可能性があります。
先日、B to Cタイプのマッチング業者の紹介でビジネスを行なっている会社さんからある話を聞きました。
その会社さんは、自社でホームページを持っていて、そこからの流入もある会社さんでした。
つまり、本当はマッチング業者に仲介してもらう必要はなかったのですが、マッチング業者による“営業”でその仲介を受けるようになったというのです。
まぁ、マッチング業者はGoogleのリスティング広告により、検索されやすい状況にあるわけですから、検索でそれほど上位に表示されない自社のホームページからの流入だけだった時よりも、多少仕事の依頼が増えたそうです。
ただ、もちろん仕事を請け負う際には、そのマッチング業者には1件単価の仲介手数料を支払わなければなりません。
自社でWeb上の入り口をきちんと用意しているにもかかわらず、それ以外に余計な入口が1つ増えたというわけですね。
話を聞いた会社さんは、ある仕事の分野でマッチングされていたわけですが、当然、このマッチング業者は仲介するだけですから、その分野に詳しいわけではなく、その分野で実際の業務を担当できるわけではないんですよ。
あくまで仲介するだけ。
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一方、仕事を依頼したい顧客、この場合は個人客になるわけですが、マッチング業者のページを見て仕事の依頼をすると、それだけで要望が完結しないんです。
それもそのはずで、マッチング業者は自分たちで業務を行えず、仲介だけですから改めて担当できそうな会社達へ連絡を入れる(入札などの場合もあります)。
そしてマッチング会社から連絡を受けた会社達は、改めて顧客と連絡を取る。
この場合のエンドユーザーとなる顧客は、「マッチング業者」というワンクッションが入って、本来要望を解決してくれる会社と初めて連絡を取れるわけです。
そう、この図式ってよく見ると、マッチング業者の存在が必要ないんです。
だって、前述の会社さんは、アクセスされやすいかそうでないかは置いといて、自分のホームページというWebページから顧客が訪問できる仕組みを用意しているわけですから。
顧客だって、直接この会社さんと相談できれば、最初に問い合わせした時点で解決するんです。
結局、マッチング業者以外は、誰も利益を感じないんですよ。
だから、マッチング業者が、次のような発言をするとしらけるんです。
”マッチングシステムを大幅リニューアルします。サービスの拡充、追加を行なっていきますので、アンケートのご協力をよろしくお願いします。一度、会社さん達に集まってもらって会議をしたいと思います。事業とともに成長していきましょう“
「いやいや、おたくはただのWeb広告屋さんでしょ?」
そう、マッチング業者がいくらサービスの拡充を図ったところで、それは紹介される会社達に対して「紹介」という分野でのサービスの拡充であって、紹介される会社達が本来対応しなければならないエンドユーザーである顧客に対してではない。
紹介される会社達が見ている先は、顧客。
マッチング業者が見ている先は、顧客を紹介する会社達。
エンドユーザーの位置が違うのに、マッチング業者がさも、自分たちのサービス拡充によって顧客を紹介される会社に限らず、その先にいるはずの顧客までもを自分たち(マッチング業者)が管理しようとしている様(さま)に腹が立つ、というのです。
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まさに、何様のつもりだ!
となるわけですね。
マッチング業者の力を必要とする会社は、自社のホームページを持っていないなどのWebページの力が弱い会社でしょう。
経費をかけて、ホームページを作成したり、SEO対策をしたりという技術的な手間などを考えると、マッチング業者の力を借りた方が早い、となる。
しかし、Webからの入口をもっている会社さんからすれば、”余計なことを・・・“となるわけです。
そこへ持ってきて、マッチング業者が主導で、”自分たちのシステムを良くするからあなた達(紹介を受ける会社達)も協力して一緒に盛り上げよう“のようなやり取りをするからおかしくなるんです。
顧客の最終的な要望に、マッチング業者であるあなた達が応えられるのか、と。
別にあなた達が自分のところのシステムを新しくするのは勝手だが、“みなさんで協力して、お客様により良いサービスを提供しましょう・・。”じゃないだろう、と。
紹介を受ける会社達にとっては、顧客は自分たちの顧客ですからね。
つまり、ここで重要になるのが、その仕事の本質なんですよ。
その仕事の定義とも言えるかもしれません。
マッチング会社の定義は、Web方面に弱い会社が、どんな媒体であっても顧客を獲得できるように、自社のWeb広告力を使って両者を結びつける。
そんなところでしょうか。
実際のところ、どういった形でマッチング業者から連絡が来たのか詳細は分からないのですが、冒頭に書いたトラブルというのは、先述の会社さんがこのマッチング業者主導での集まりや連帯感のようなものを拒否した、という話でした。
つまりマッチング業者が定義を踏み外してしまったわけですね。
紹介を受ける会社さん達のテリトリーに違う武器を持って入ってきて、地雷を踏んでしまったんですよ。
まぁ、マッチング業者の方も、各会社達によりよい紹介業務をしたかっただけなんでしょうけどね。
文章の書き方が悪かったのか、言葉の伝え方が足りなかったのか、それとも自分たちの仕事の定義を見誤ったのか・・。
思わぬところで“(仲間だと思っていた)会社さん達”から反感を買ってしまったわけですね。