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【マンガ】リウーを待ちながら

2020年7月23日

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「リウーを待ちながら」の概要

静岡県にある横走市(ストーリー上の架空の街)。

中央アジアへ派遣されていた自衛隊員の1人が帰国後に、突然病状を発症する。

横走中央病院に勤務する玉木涼穂は、当初、運ばれた自衛隊員を死に追いやった症状の原因が分からなかった。

その矢先、玉木の同僚の女性が症状を発症し、自宅で急死した。

院内感染を疑う玉木は、やがて自衛隊二佐の駒野の証言や疫研の原神の話しから、これらの症状がペストであると分かる。

そして、玉木が勤める横走中央病院には、体調不良を訴える患者たちが次々に病院へと詰めかけるのだった。

マンガ評(少しネタバレ)

2017年6月23日に第一巻の初版が発行された「リウーを待ちながら」。

その約3年後に、この漫画の世界と重なる現象が現実世界にも発生しました。

そう、新型コロナウィルスです。

本作では、「新型ペスト」の大流行によって、主人公が暮らす横走市は完全隔離されるというストーリになります。

漫画の世界とは言え、現在のコロナ時代にリンクしている部分が相当数あるので、それらもふまえて少し紹介してみたいと思います。

感染が広がり高齢者は危ない?!

コロナの場合、持病のある高齢者は感染すると命の危険性が高まる傾向にありました。

本作では抗生物質の効く肺ペストが中央アジアに赴任した自衛隊員から持ち込まれました。

しかし、一切の抗生物質が効かないペストの性質があるのも分かってきます。

そのペストの耐性は、昔、合併前の横走市で発生したサルモネラ菌の耐性を引き継いでいるため、横走市にサルモネラ菌が残っていると、そのペストに感染した患者の死亡率は100%になります。

疫研の原神が、サルモネラ菌を引き継いだ多剤耐性のペストに気が付き、診療する玉木も抗生物質の効かない患者が出始めた現状を憂いても、やはり医院長からは「高齢者だから治らないのでは」という結論が出されたりするわけです。

緊急事態宣言発動!そして都市封鎖..

おぉ、どこかで聞いたこのフレーズ。

そう、緊急事態宣言もきちんと発動されました。

ストーリーでは、「新型ペスト静岡県対策本部」が設置されます。

そして、現状ペストが蔓延している横走市は、鉄道、陸路すべてが封鎖され他の都市からの流入・他の都市への流出が一切できなくなるのです。

横走市に住む生徒は遠隔でオンライン授業を

現実では、コロナによって学校が臨時休校となり、再開の目途を立てた後も一部オンライン授業を公開するなど、学校生活そのものにも変化が出ましたよね。

リウーでも、横走市に暮らす生徒がオンライン授業へと参加する場面があります。

漫画が出版された2017年時点ではタブレットも一般的となり、オンライン化が進んでいたとは言え、ウィルスによって都市封鎖された場所に暮らす高校生が、オンラインによって授業を受ける姿を描写しているあたりが、正にコロナ時代を写しているようで恐くなります。

横走市出身住民は攻撃対象?!

コロナ禍での痛ましいニュースに、
「他県のナンバープレートをつけた車が襲われる」
というものがありましたよね。

『自粛を求められて、家から出ないように言われたにも関わらず、車でのこのこドライブなんかしやがってぇ~!』

という訳の分からない正義感を振りかざす人がいたわけです。

なんと、リウーにもそれに近い描写があります。

ある地域に横走市から引っ越してきた人がいました。

既に1ヶ月くらい生活しているのに、町内会の人が横走市から来た人は、どっかに消えてくれとお願いに来るわけです。

そして、怒った旦那さんがその町内会の人を殴ってニュースになってしまった、という話です。

横走市以外に暮らす住民は、未知の感染症にナーバスになっている上、横走市出身者を排除しようとする・・

自分が暮らす地域に、違う都道府県のナンバーがついた車が走っているのを見ただけで排除しようとする現実の世界と同じようなものですね。

個人を攻撃してそして・・

これは、コロナとは少し関係ないお話ですが、コロナ禍において誹謗中傷で自殺を選択してしまった有名人がニュースとなりました。

リウーでは、ペストを持ち込んだとされる自衛隊員が同じ自衛隊仲間から暴力を受けてしまいます。

この自衛隊員は、派遣先の中央アジアの国でペストに感染した隊員と同じテントで宿泊していただけでした。

帰国してペストに感染しているのが分かってから意識がなかったのですが、意識が戻ったところ同じ仲間から暴力を受け、最終的には自殺してしまいます。

未知の感染症が発生しているさなかに、このような謂れのない攻撃を受けて自ら命を絶ってしまったわけです。

自宅隔離とその後

やがて、感染者を自宅隔離するようにして、抗生物質の効かないペストから生還した患者も出始め、感染のピークが落ち着いてきました。

仲間の死、愛する人の死を乗り越え、玉木医師はこれからも患者を診続けていくのでしょう。

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リウーを待ちながらの情報

連載イブニングコミックス
作者朱戸アオ
巻数3巻
現況完結
おすすめ度

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