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投資にまつわるお話

(続)「子ども・子育て支援金」が実質負担ゼロと言っているそばから・・

2026年3月24日

前回は、会社も会社員も負担しなければならない新たな社会保険料である「子育て支援金」について書いてみました。

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さてこの記事に関して「まみまみさん」というかたから、こんなコメントを頂きました。

子育て支援金と言う話は全然知りませんでした。
というより、社会保険料が、書いてあったような払い方をされているのも知りませんでした。
この記事を見た後、職場の先輩(と言ってもほとんど年齢は同じ)に話をしてみたら、やっぱり分かっていませんでした。
自分の分を会社が払ったり、会社だけが払ったり、もの凄く取られているんだなと感じています。
子育て拠出金は、こども家庭庁が管轄していると書いてあったので、子育て支援金はどこが管轄なのか調べてみたら同じこども家庭庁でしたね。
それで、こども家庭庁のホームページ内の子育て支援金について一通り読んでみて一つ疑問に思いました。
実質負担がゼロって書いてあったんですけど、子育て支援金を新たに払っても、私たちが負担する分は何かプラマイぜろみたいな感じになると言う意味なんでしょうか?
ちょっと意味が分からなかったので取り上げてもらえたらな、と思います。
勝って言ってすみません。

まみまみさん、ありがとうございました。

まずまみまみさんの素晴らしいところは「知らなかったけど自分で調べてみた」とおっしゃっている点ですね。

官公庁のホームページというのは、とにかく分かりづらいのですぐ離脱したくなるのですよ。

こども家庭庁のページは、さすがに少し読みやすい感じはしますけどね。

「子育て支援金」の説明を一通り読んでみて分からない点があったので、すぐに質問をしてみたというのも非常に良いと思います。

さて本題の「実質負担がゼロ?」というまみまみさんが感じた疑問についてです。

確かにこども家庭庁の「子育て支援金」のページに記載の「Q&A」で、このような質問と回答があります。

Q7. 支援金を払うのに、実質負担がゼロってどういう意味?

【出自】こども家庭庁-子ども・子育て支援金制度のQ&A

このQ&Aで書いてある内容を簡単に言うと、「子育て支援金って作ったけど、被保険者(会社員など社会保険を支払うかた)の実質負担はゼロだから問題ないですよー」となります。

この点について順番に説明してみたいと思います。

社会保険の歳出改革でどうなった?

この回答では社会保険の歳出を改革して、保険料の支払い負担を減らしたからその分を「子育て支援金」に充てていると書いています。

皆さんから支払ってもらった保険料を上手にやりくりして、支出を抑えます。そうしたら次回以降の社会保険料の徴収額を抑えられるので子育て支援金の負担分が増えても問題ないですよ。

と言いたいわけです。

つまり「実質負担は変わらないので、これまでの社会保険料と言う名前の一部が子育て支援金になったようなもんです」と言っているように聞こえますね。

そしてこの回答では「令和5年度から令和8年度までの歳出改革による社会保険負担軽減の効果を計算」した結果、「子育て支援金」を増設した、と明示されています。

確かに平成の終わりから令和に入って最初の2,3年は、社会保険料がどんどん上がっていました。

令和3年度や令和4年度から見たら、確かに会社員が負担する料率は令和5年以降は少しだけ下がりつつあります。

40歳未満
健康保険料率
40歳以上
健康保険料・介護保険料率
平成29年度10.22%11.87%
平成30年度10.25%11.82%
平成31年度10.31%12.04%
令和2年度10.41%12.20%
令和3年度10.45%12.25%
令和4年度10.39%12.03%
令和5年度10.29%12.11%
令和6年度10.21%11.81%
令和7年度10.31%11.90%
令和8年度10.28%11.90%

しかしそれ以前の平成29年度あたりから見ると、むしろ現在の保険料率は上がっているので、この当時から見たら完全に「子育て支援金」は単なる「増税」と考えてもいいでしょうね。

まぁおそらく言い訳としては、『「令和5年度以降」は歳出改革に取り組んだ結果、「令和2年度~令和4年度」から見たら令和8年度の社会保険料の負担はだいぶ減ったでしょう。平成の頃は知りませ~ん』とでも言いいたいのかもしれませんね。

社会保険料、そして厚生年金保険料というのは毎年変動する可能性があり、一定ではないので、みんなこう思うわけです。

「いやいや、以前は社会保険料自体が安かったでしょ?ここ最近の動向だけで、歳出改革したからって言われてもなぁ・・・」

等級には幅がある

これはちょっと余談になるかもしれません。

実は上の表に挙げた「保険料率」というのは厳密に計算されていません。

前回も少し触れている等級のお話になります。

例えば、総支給で月額「260000円」もらっている人がいたとしましょう。

その場合、算定表は「250,000~270,000」を見ます。

北海道の令和8年度版(最新)を見ると、40歳未満の場合は「26,728円」となります。

料率は10.28%なので、これを計算式にすると「260,000円×10.28%=26,728円」となり正しいです。

では、総支給が「250,000円」の人はどうなるでしょうか?

この人も算定表通り、支払う保険料は「26,728円」となります。

でも250,000円に10.28%を掛けると・・「25,700円」ですよね。

つまり250,000円の人は、実際は「10.69%」の料率で支払っている計算になります。

そう、等級には幅があり、上の表でも挙げた料率というのは全員が各等級の中間の支給額であれば、というお話になるのです。

逆に総支給額が「265,000円」であれば、本来の10.28%の料率よりは若干安くなります。

そのため毎年の保険料率は本来支払われる平均値を取っているだけなので、実際に納められている保険料はこの料率よりも、もう少し増えたり減ったりしています。

とは言え、やはり近年は10年以上前の保険料率や厚生年金保険料から比べたらだいぶ高いので、「実質負担がゼロ」というのは到底納得できないですね。

こども家庭庁では、無責任な一言が・・

さて、だいぶ納得できなくなってきたところで(笑)、このQ&Aの「Q12」を見てみましょう。

Q12. 支援金が導入される令和8年度は、前年度と比べて社会保険料は上がらないということ?

これは正に「まみまみ」さんが聞きたかった質問ではないでしょうか。

「じゃぁ、子育て支援金以外の社会保険料は下がるってわけね」と。

あっ、名前からまみまみさんが女性だと思っているのですが、実際は分かりません。まぁ聞きたい内容はそんな感じでしょう。

なんだか、この回答の最初の2つだけを見ると「こども家庭庁」がちょっとキレている感じがしませんか?(笑)

そして後半の2つです。

これまで「歳出改革で負担はゼロ」と言っておきながら、「他方」が登場してきました。

他方では、「実際の社会保険の動向は一概に申し上げることはできない」そうです。

さらに「個人の積み立てられた状況や将来の支出の見込みを踏まえて設定するけど、個人個人でその効果は異なる」と書かれていますね。

いや、だったら「実質負担がゼロ」とか言わない方がいいんじゃないの?と思いますね。

まみまみさんのように「あっ、負担ゼロなの。じゃぁ子育て支援金が始まってもプラマイゼロだよね。」となるのは当然です。

それなのにそれを追及されると、少しキレかかった状態で「一概にそうとも言えないけど、負担0は実質ね」と言われている感じがして、何だか腹立たしいですよね。

実際、令和7年度から令和8年度だけで見れば、40歳以上の「健康保険料率・介護保険料率」は変わらないわけですから、「子育て支援金」分の負担が増えるわけです。

確かに高齢化社会で「介護保険」は上昇圧力があるでしょうから、40歳以上の人の負担は、実質0に感じない可能性が高いでしょう。

それであれば紛らわしいので「実質負担がゼロ」とは言ってほしくなかったですね。

(まとめ)

まみまみさんの納得いく答えになっているかどうかは分かりません。

ただ普段税金や保険料について、あまり気にしない人たちを騙すような文言は避けてほしいですね。

騙しているわけではないんでしょうけどね・・。

前回も書きましたけど、「子育て支援金」は令和10年度まで段階的に引き上げられるそうですから、その分社会保険料や介護保険料がちゃんと引き下げられているかどうかは、今後も確認していきたいと思います。

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