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投資にまつわるお話

ラップ口座にすべてお任せは”あり”なのか!金融機関4社で比較してみた

資産運用と言えば、自分で管理すべき点として以下のような内容が挙げられます。

  • どこに資産を投じるか
  • 資産の配分をどうするか
  • 成績の良くない資産をいつ売却するか
  • 新しい投資先はどこが良いか

特に資産の売却や購入を繰り返す「リバランス」は、保有資産が増えると何かと面倒も多く『誰かやってくれないかな?』とつい人任せにしたくなるような時もありますよね。

個人投資家としての活動を楽しんでいる方にとっては、『こういったやり取りこそ醍醐味がある』と言うかもしれませんが、「投資を一任できるサービス」というのは各金融機関や証券会社でも結構用意されているのです。

このような資産運用をお任せできる口座を「ラップ口座」と言うのですが、今回は、銀行と証券会社で提供されている投資信託専用の「ファンドラップ口座」についていくつか比較していきたいと思います。

ラップは「wrap」、つまり包むという意味です。

ただし、一つ断っておくと、当サイトではこの「ラップ口座」での資産運用を勧めるつもりはありません

人の手でも、AIの自動運用によるものでも、運用成果が爆発的に上がるわけでもないのに、運用手数料だけは結構高くつくからです。

あくまでも投資家が利用できるサービスの一つとして、比較した結果をご紹介させていただきます。

契約内容や商品の比較

「ラップ口座」には、「ファンドラップ口座」という投資信託だけのお任せ口座もあります。

ここでは、この「ファンドラップ口座」について比較してみたいと思います。

契約金額契約期間口座開設対象商品
三菱UFJ銀行
(MUFGファンドラップ)
(以降、MUFG)
300万円以上
1万円単位
1年(自動更新)三菱UFJ信託銀行
に以下を開設
・普通預金口座
・投資信託振替決済口座
国内投資信託
SBI証券
(SBIラップ)
1万円以上
千円単位
1年(自動更新)SBIラップ口座8つのラップ専用ファンド
楽天証券
(楽ラップ)
1万円以上
1円単位
1年(自動更新)なし56の専用ファンド
マネックス証券
(ON COMPASS)
(以降、コンパス)
千円以上
千円単位
1年以上ON COMPASS
投資一任口座
国内・国外の投資信託

「ファンドラップ口座」は、専用の口座を開設し、運用コースを決めたら後は自動で運用を管理してくれます。

今回挙げている金融機関で言えば、楽天証券だけは、通常の「総合口座」を持っているだけですぐにファンドラップ口座である「楽ラップ」が使えるようになっています

運用開始時に自分が希望する投資方針を伝えるので、それに基づいた投資商品のリバランスなども自動で行ってくれます。

特定口座やNISA口座の利用について


上記に挙げた金融機関では、「ファンドラップ口座」は、特定口座(源泉徴収あり・なし)での運用も可能です。

ただし、「MUFG」は、以下の注釈のように制限があります。

ファンドラップでは、特定口座(源泉徴収あり・源泉徴収なしともに)のお取り扱いが可能です。ただし「資産運用口座」等で、すでに三菱UFJ信託銀行で特定口座をご利用のお客さまは、ファンドラップで重複して特定口座をお申し込みいただけません。特定口座をご利用の場合は、特定口座内で損益通算を行います。

「その他の重要な事項について」

「SBIラップ」は、現在「特定口座」を利用していれば特定口座での運用となり、「一般口座」を利用していれば一般口座での運用となります。

「楽天ラップ」と「コンパス」は、特定口座と一般口座の好きな方を選択できます。

しかし、「楽天ラップ」は一度決めた口座を途中で変更できず、変更する場合は現在の「ファンドラップ口座」の契約を一旦解約する必要があります。

なお、NISA口座での運用は各社ともできません

「MUFGファンドラップ」は、ラップ口座で運用できる最低金額が「300万円から」となっています。

ネット証券会社と比較すると、銀行で契約する「ラップ口座」は最初に用意しなければならない金額が高めとなっています。

もし、「ファンドラップ口座」を使うとして、手頃な金額から始めたい場合はネット証券のラップ口座を選択した方がいいでしょう。

実店舗の証券会社は高い


実店舗の例として、「野村證券」の「ラップ口座」の最初の契約金額は次のようになります。
・「インデックスファンド」は500万円
・「アクティブファンド」は1,000万円

運用中のカスタマイズ比較

今度は、契約後の運用中のカスタマイズについて見ていきたいと思います。

契約後の
内容変更
解約後の
換金日
リバランス分配金積立投資
MUFG追加入金OK
コース変更OK
約1ヶ月定期・臨時再投資なし
SBIラップ追加入金OK6営業日以降定期・臨時
(毎月上旬)
再投資1万円以上
楽天ラップ追加入金OK
コース変更OK
10日以内定期・不定期
(四半期・年に一度ずつ)
再投資1万円から
コンパス追加入金OK
コース変更OK
最短:1週間程
最長:1ヶ月程
不定期(おまかせ)再投資千円から

契約後の内容変更

「ファンドラップ口座」を指定した金額で新規契約すると、その後はAIなどのおまかせで自動運用が開始となります。

「SBIラップ」は、「AIによる8種類の資産へ分散投資」という1つだけの運用コースになるので、途中で「コースを変更する」という流れがありません。

それ以外の3つは、それぞれ運用コースが複数あり、契約後の運用中にコースの変更が可能となっています。

コース(プラン)数制限等
MUFG2コース11スタイルから選択・運用開始から3か月後に変更可能
・毎月1回までコース変更可能
・運用待機コース(オプション)の変更回数制限はなし
・実店舗への訪問予約が必要
楽天ラップ事前調査で9つのコースから1つを選択・運用開始の翌々月以降でコース変更可能
・契約期間中(1年)に最大12回コース変更可能
コンパス事前調査で8つのプランから自動で1つが提示される・プラン変更に制限なし

ネット証券の場合、申込時のアンケート内容が事前調査となり最適なプランを提示してくれます。

一方、銀行の場合は、窓口まで訪問してヒアリングしてもらう必要が発生する場合がほとんどでしょう。

「MUFG」の場合、事前に予約した上で最寄りの店舗へ訪問する必要があります。

コース変更に余計な手数料が発生する金融機関はありませんが、変更回数に制限を持たせているところもあります。

運用にもかかわるこのコース変更を行う場合は、計画的に精査する必要があるでしょう。

解約後の換金日

解約した場合に、どの金融機関でも現在運用中の資産を売却する必要があるため、口座に返金されるまで時間がかかります。

約定日まで祝祭日を挟んだり、事務処理の関係などで最大で1ヶ月程度時間がかかる場合もあるようです。

リバランス

運用中の資産の売買を繰り返すと、目標としている配分に狂いが生じる場合があります。

これを修正するのが、リバランス(配分調整)という方法になるのですが、概ね余計な手数料はかからずに実施してくれます。

周期は金融機関で異なりますが、月1回などの定期的な実施(必要なければ定期実施なしにする)に加え、不定期にチェックしリバランスを実施する場合もあります。

リバランスの実行時期はほぼ『おまかせ』となっているので、タイミングの設定や頻度などの変更はできません。

分配金

組み入れているファンドによっては、運用中に分配金が発生する場合もあるでしょう。

この分配金はネット証券だと自動で再投資されるので、複利による効果で運用成績が上がる可能性があります。

分配金の分だけを現金化するという処理はできませんが、どの金融機関でも組み入れている運用資産の「減額(一部解約)」という形式を取っているところが多いです。

例えば、ネット証券3社は、金額などに条件があるものの、運用途中での一部解約を手数料無料で行ってくれます

運用途中で、”少しまとまった現金が必要になった”と言う場合は、「一部解約」で運用を継続しながらの一部現金化も可能となっているのです。

一方、「MUFG」は運用コースのオプションと言う形で、「年に4回、決まった月日にあらかじめ決められた金額を運用から離して預金口座に戻す」サービスを提供しています。

ただし、運用開始時の金額が1,000万円以上など、条件が結構厳しくなっているので、基本的に運用中の現金引き出しをさせないような環境を構築していますね。

積立投資

ネット証券3社は「積立投資」にも対応しています。

設定金額で積み立てると、資産を買い付けるための資金が自動で「ラップ口座」に加えられます。

自分で運用する場合には、次の月に積み立てる銘柄を変更したりカスタマイズができますが、「ラップ口座」での積立投資は、「積立金額」と「時期」を選択するだけで、その後の銘柄買付や数量調整は自動で運用されていきます。

手数料などの比較

購入手数料変更手数料割引解約手数料
MUFG無料無料あり
2年目以降
無料
SBIラップ無料無料なし無料
楽天ラップ無料無料なし無料
コンパス無料無料なし無料

「ファンドラップ口座」の場合、ファンドの購入やリバランス、売却を自動で行ってくれるので、その都度これらの手数料が発生するのでは、投資家たちが割に合わなくなります。

そのため、「ファンドラップ口座」を利用する場合に、投資家が支払う手数料は、次項で説明する一定の報酬と、ファンドそのものの信託報酬や信託財産留保額だけとなります。

なお、三菱UFJ銀行の場合、運用開始時の金額設定や報酬が少々高めなので、長期で保有してくれた投資家へは報酬率を割引く制度があります。

報酬の比較

さて、「ファンドラップ口座」を利用する上で投資家が金融機関に支払う手数料は、ここで一覧にした「報酬」になります。

※コンパス以外は、ファンドそのものの信託報酬や信託財産留保額は計算に入れていません

各金融機関で報酬形態も様々なので、ここでは前述の4社で比較をしてみたいと思います。

報酬形態計算方法
MUFG・固定報酬型
・成功報酬型
■固定報酬
運用資産額(時価評価額)に最大1.54%(税込)を掛けた四半期分を後払いで運用額から差し引かれる形で支払う。
■成功報酬
「運用資産額(時価評価額)に最大1.32%(税込)を掛ける。後は固定報酬と同じ。成功報酬は、当年末の時価評価額から昨年末の時価評価額を差し引いた超過収益の11%(税込)を年1回後払いで支払う。
SBIラップ一律「運用資産額(取得有価証券の時価評価額)に年率0.66%(税込)を掛けて365で割った日額」を毎月、運用額の現金部分から差し引かれる形で支払う。当月分をその月の末に支払う。
楽天ラップ・固定報酬型
・成功報酬型
■固定報酬
「運用資産額(時価評価額)に最大0.715%(税込)を掛けて365で割った日額」を毎月、運用資産から差し引かれる形で支払う。当月分を当月第7営業日に先払い。新規月は、申込金をベースに契約締結日の翌営業日に先払い。
■成功報酬型
固定報酬が最大0.605%(税込)となるだけで後は同じ。成功報酬は、計算した日(1年間の契約満了日や解約日など)の時価評価額が、最新の計算期間における最新の運用額を上回っている場合、運用益に5.5%(税込)をかけた分が次の契約期間の第7営業日に後払いとして運用資産から差し引かれる。
コンパス一律運用資産額(時価評価額)の年率0.925%(税込)が「信託報酬」として運用資産から差し引かれる。

少し複雑ですが、順番に見ていきましょう。

報酬が一律

「SBIラップ」と「コンパス」は、「ファンドラップ口座」の運用に関する手数料(報酬)を一律にしています。

確認


SBI証券:0.66%+「信託報酬」=約0.91%(税込)
マネックス証券:0.925%(税込)

SBIラップは、ファンド自体に発生する信託報酬などが別計算されていますから、それを概算で含めると全体で「0.91%」くらいになります。

この2つの金融機関であれば、報酬一律の場合に、金融機関へ支払う報酬として「おおよそ年率1%弱」がかかると考えておけば良いでしょう。

報酬が固定型と成功型の2パターン

一方、「固定報酬型」「成功報酬型」の2パターンを用意している金融機関は、少し複雑になりますね。

「固定報酬型」は、「投資顧問料」「運用管理(残高)手数料(以降、管理料)」を足し合わせたのものになります。

「管理料」は、運用資産の時価評価額が高くなればなるほど料率が低くなります。

したがって、上の一覧表の「楽天証券」で言えば「最大0.715%」というように、最大どれだけかかるかを明記しています。

出所:楽天証券「楽ラップ」

「成功報酬型」は、上記の「固定報酬」に「成功報酬」を足し合わせたのものになります。

成功報酬がある分、「固定報酬」の料率が少し安くなります

運用資産の時価評価額が高くなればなるほど料率が低くなります。

出所:楽天証券「楽ラップ」

「MUFG」も「楽天ラップ」も年1回、固定報酬型から成功報酬型へと変更できます

運用がプラスになればなるほど、「成功報酬型」は手数料が増えます。

特に、実店舗を持つ銀行などは成功報酬も高く、今回の「MUFG」では、年率11%という割高な成功報酬を取っています。

比較的手数料を抑えるネット証券でも、「楽ラップ」は年率5.5%の成功報酬となっていますから、運用資産がそれほど多くなければ自身でインデックスファンドを運用した方が手数料は相当割安になると思います。

割高な成功報酬で手数料増しになるのが敬遠されるせいもあり、「楽ラップ」では、「固定報酬型」での契約数が多いようですね

投資家にとっての成功報酬とは

金融機関側の立場で見ると、強気な運用でマイナス収支となっても成功報酬の手数料が0になるだけで、顧問料や管理料での手数料は必ず手に入ります。

投資家からほぼすべてを任せられているので、投資家の資産がマイナス勘定となっても痛くもかゆくもありません。

もちろん、資産を減らさないように運用してくれるのでしょうけれども、投資家の立場から言えば「運用失敗時にはこれまでに支払った成功報酬と相殺してもらいたい」というのが本音ではないでしょうか。

投資家自身が購入するファンドを決めて、自分の裁量で売買を行った結果、マイナス運用になったのとは違い、「プロに任せた=信用した」という状態で発生したマイナス運用は、精神的にもあまり良いものではありません。

まとめ任せちゃわない方が・・

さて、「ファンドラップ口座」を提供している金融機関を色々と比較してみましたが、手数料さえ支払えば後はちゃんと運用してくれる・・・
という一見良さそうなサービスではないのかもしれませんね。

  • 選択できる銘柄がラップ口座専用
  • リバランスと限られた銘柄変更が主な対応
  • 運用会社が同じグループ会社

例えば、「SBIラップ」で言えば、通常の投資環境ならファンドの総数が「2,600本以上」ありますが、「ファンドラップ口座」での運用になると、8本のラップ専用ファンドのみに限定されます(1)

ファンド名を見ただけでも米国に偏っている気がしますね。

「先進国株式」と「ゴールド」に日本が含まれていますが、広い意味での分散がこの8本だけでできるのかどうか・・というところですね。

限られた8本で銘柄変更をしてもそれほどの効果がないですから、購入数量を変化させるリバランスが主な対応となるでしょう(2)

もちろん、この8本は「SBIラップ専用」ですから、運用会社は「SBIアセットマネジメント」になります(3)

一方、「楽天ラップ」を見てみると「楽ラップ専用」ファンドを用意(1は当てはまる)していますが、こちらは56本とファンド総数は少し多くなっています(2はそれほど当てはまらない)

加えて、運用会社も自社グループの「楽天投信投資顧問」だけでなく、「野村アセットマネジメント」「アセットマネジメントONE」など、グループ以外の運用会社が運用しているファンドもあります(3はそれほど当てはまらない)

「楽ラップ」はある程度オープンな環境と比較的割安な報酬で運用されていますが、基本的に「ファンドラップ口座」は金融機関に支払う報酬(手数料)が割高となります。

銀行の場合、ファンド自体にかかる信託報酬と合わせると、年間で2%~3%近い報酬を支払うものもあるので、「ファンドラップ口座」の利用はそれほどお勧めするものではありません。

どうしても「ファンドラップ口座」を使いたいのであれば、ネット証券だと運用資産は1万円から選べるので、余裕資金の半分くらいをお任せにして、残りは自分自身で運用するなど、自分任せと他人任せを半々にするという資産配分の形もありかもしれません。

検討する際には、ご自分でも色々と比較してみてくださいね。

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