2000年代中盤がもう20年前ですか・・・。
この数年後、実はこの頃が戦後の日本で一番景気が良かった時だと知り、筆者にとって経済は元より世の中を広く見つめ直すきっかけになった転換点でもありました。
「何も考えず、ただ一生懸命に働けば報われる」と、まだ思えていた若かりし頃の自分を思い出します・・若かったなぁ(笑)
ちょっとこの景気についても話しておきましょう。
2002年くらいから2008年くらいまでの間は「いざなみ景気」という名前が付けられ、日本はとってもイケイケの時代だったのです。
大企業や輸出企業が。
このいざなみ景気は、バブルがはじける前の1980年代後半のように盛大な個人消費には繋がらなかったので、実感が湧かない人が多く筆者もその一人でした。
おそらくこの頃に出生したウハウハの親から生まれた子供たちは、大きくなるにつれて「お金は格差を生む」という実感をしてきた世代だったのではないでしょうか。
今の格差はこの辺りから既に始まっていたと思います。
そして世の中にも多くの変化が起こりました。
今では普通に使っているSNSはこの頃誕生しています。
SNSという言葉は、この頃にはまだありませんでしたけどね
SNSやそれに伴うサービスには、以下のようなものがあります。
- Amazon Web Service(2006年)
- Facebookが一般向けサービスを開始(2006年)
- Twitter(2006年)
- GoogleがYouTubeを買収(2006年)
そして、パソコンが一家に一台となり、よほどの高齢のかたでもない限り携帯電話は誰でも持っているのが当たり前の時代となったこの頃、日本の好景気と合わせるように海外から様々デジタルサービスが日本に普及していきました。
iPhoneが日本に上陸したのはこの2年後くらい、その後すぐにAndroidスマホも普及が始まり、まさかこんなに早くパソコンが下火になっていくとは思わなかった、というくらいスマホが浸透していきました。
さて今日はこのようなデジタル社会の黎明期に、「YouTube」というまだよく分からなかったであろうプラットフォームを使って活動を始めた「リストラーズ」というサラリーマンたちによるアカペラグループのお話です。
まだまだインターネット回線の速さが十分に足りていないこの2006年頃というのは、「動画をインターネット上にアップロードする」というのは一般的ではありませんでした。
ようやく誰でも文章を投稿できるブログが一般的となっていく時代であり、動画のような重いサイズのデータを投稿するなど、まだまだという感じでした。
しかし「YouTube」と言うサービスが2005年に始まってから、誰でも気軽にそして無料で動画を投稿できるプラットフォームとしてじわじわと人気を高めていったのです。
そしてわずか1年半ほどでGoogleに買収され、投稿した動画に対して投稿者に広告収益が発生するようになっていきます。
「リストラーズ」は結成が2003年ですからYouTubeがサービスを開始するよりも前から活動していました。
そしてYouTubeが世の中に少しずつ知れ渡っていった2009年に早くもチャンネルを開設します。
最初の名前の印象から、リストラされた男たちが一念発起してアカペラグループを作ったのか、と思うでしょう。
しかしこの名前はメンバーがリスとトラが好きであると言う理由が由来となっており、心配された「リストラ」とはどうも関係がないようですね(笑)
全員本業は会社員のようですし。
言い忘れていましたが、彼らがカバーする歌はナウなヤングでイケイケな昭和歌謡です。
書くだけでも結構恥ずかしい死語だらけです(笑)
懐かしい曲ばかりだなぁ‥と思っていたらそういう理由でした。
メンバーは6人。ここ最近にアップされている動画を見る限り、スーツ姿がとても似合う普通のサラリーマンにしか見えません。
しかし実際に歌を聞いてみると・・・誰もが美声でありバックコーラスやリズムのベース担当なども皆が素晴らしい声を持っていて、(失礼かもしれませんが)見た目とのギャップが凄いです。
最初に見た印象がリストラされた中年サラリーマンだったので、歌い出した瞬間、そして全員でコーラスしている部分は本当に拍手を送ってしまいました。
リストラーズで一番再生数の高い曲は、TM Networkの「GetWild」です。
確かに昭和時代の歌とは言え、昭和歌謡とはあまり呼びたくないくらいポップな疾走感を演出するあの名曲です。
この曲でメインボーカルを務める上村さんは、きちんとアニメの冴羽獠(りょう)と同じ赤シャツに水色のジャケットを着ているんですね。
もちろん冴羽獠(りょう)には似ても似つかないですけど・・・(笑)
涙のリクエストなんかは結構踊っていました。決してうまい踊りではないんですけどね・・。でも歌は上手!
母校で歌う動画やステージ上でお客さんを前に歌う動画もアップされていますし、時期的に在宅勤務だった頃はzoom風に撮影している動画やフェイスガードをしながら歌っている動画もあります。
素人くささを出しつつも、歌は決めてくるあたりが憎いですね。
そしてサラリーマンで組織している彼らはきちんと自分たちの活動内容を報告してくれています。
資料も公式ページに公開されていて、株主に公開するようなしっかり作り込んだPDFファイルになっているのです。
以前は株式会社と付いていただけあって、企業の活動報告のようなユーモアもたっぷりですね。
この方々はおそらく筆者と同世代だと思うのです。
そして全員が東京工業大学(現・東京科学大学)を卒業してウン十年が経っても、こうして仲間たちと歌って踊って盛り上がれていると思うのです。
正直羨ましい限りです。
あまりにもその辺にいそうなサラリーマンたちとなった今でも、純粋に歌い続け、そして昔から同じメンバーで活動している彼らを心の底から応援したくなります。
「リストラーズ」
同じ時代を生きてきた戦友たちだと勝手に思っています。
楽しんで歌う姿をこれからも応援していきたいですね。


