あれほど日本のドラマというものを見てこなかった筆者もここ1年、2年で実に様々な作品を見てきました。
「24(日本版のダメだった方)」や「SUITS」、「海に眠るダイヤモンド」などは記事にもしてきました。
「金八先生」もとうとう全シリーズ見てしまいそうですし、一番お気に入りの「晩酌の流儀4」も秋冬編が終わりそうで、寂しい限りです。
さて最近とかく話題になっているドラマと言えば、日本テレビ系列の「良いこと悪いこと」ではないでしょうか。
筆者がドラマを観るきっかけとなった「Tver」では、日本テレビ系ドラマの視聴回数でトップに躍り出たのだとか。
「良いこと悪いこと」の見どころは、何と言っても「犯人は誰なんだ?」と考察で盛り上がれるサスペンスならではの展開ですね。
簡単にあらすじを書くと、
小学校の同窓会でタイムカプセルから出てきたのは、6人の児童の顔が黒く塗りつぶされた「卒業アルバム」でした。
大人になったこの6人が次々と殺されていく背景には、小学校時代にいじめを受けていた1人の少女の存在があったのです・・・。
と、まぁこんな感じで現在7話まで進んできました。
これまでもサスペンス系のドラマはたくさんありましたが、この「良いこと悪いこと」には、これまでにない、というか考察を盛り上げるための今風のヒントが様々な方法で散りばめられています。
この記事でのお話は「良いこと悪いこと」を見ていない人でも大丈夫です。
コンテンツを制作する側も大いに参考になりそうな「そう来たかっ!」と思える技をいくつかご紹介したいと思います。
オープニング曲
新しいドラマが始まると、その内容に見合ったオープニング曲が新しく発表されるケースが多いですよね。
今一番人気のある歌手などを起用して、ドラマも曲も相乗効果を狙うパターンが王道でした。
「高校教師」というドラマでは、主題歌に「森田童子/ほくたちの失敗」を起用したように、昔リリースされた曲や昔流行った洋楽などを改めて使うような場合もありました。
ただしそれは作品のテイストと合わせたものであり、「なぜこの曲を?」と観る側を疑問に思わせるものはあまりなかったように思います。
「良いこと悪いこと」の主題歌は、2001年にポルノグラフィティが発表した「アゲハ蝶」でした。
主人公たちがドラマ内で重要となる小学校時代、特に小学校5,6年生時代よりも1年ほど前が2001年になるわけですが、ドラマの告知を見ずに「良いこと悪いこと」の第一回が始まって「アゲハ蝶」が流れた時には結構驚きがありましたね。
なぜ「アゲハ蝶」が選ばれたのか?、と。
歌詞の内容がドラマの内容とリンクする部分があるとは言え、考察物だけに「アゲハ蝶」が主題歌になったのも何かのメッセージなのではないかと視聴者側は勘繰るわけですね。
しかもポルノグラフィティの6作目のシングルであり、ドラマの肝である「顔を黒く塗りつぶされた”6人”の児童」と重要な6という数字もリンクしているのです。
ちなみに曲のシングルの意味が分からない人は、お近くの年配のかたに聞いてくださいね
そしてドラマの7話目は「アゲハ蝶」の2番がオープニングで流れました。
考察系ドラマでも、あまりオープニング曲にスポットライトが当たるような作品はなかったと思います。
歌詞にヒントがあるのか・・・なぜ2番が使われたのか・・・。
主題歌も単なるバックミュージックではない可能性を匂わせる演出となっているのです。
オープニングの映像が毎回違う
同じくオープニングでもう一つあります。
ドラマで主題歌が流れ、キャストのロールが流れる時はおおよそ同じ映像が流されますよね。
しかし「良いこと悪いこと」では、話が進むにつれ、物語のヒントになりそうな映像が新たに流れるのです。
タイトルバックの映像は、小学校のグランドを子供たちが校舎に向かって走っていく姿が見られます。
第一回には6人が走っていたのに、死んでいった人たちがいなくなり今では3人だけになってしまいました。
さらにドラマ本編を見た後で、もう一度オープニングの映像を細かく見直すと不可解な点が分かったりします。
つまりオープニングの時間でさえも、キャストの名前や歌が流れているという単調な時間ではなくなるわけです。
字幕を見ないと分からない
これは昭和時代を生きた人には、「イマイチ目が向かないのではないか?」という場所になります。
それが「字幕表示」ですね。
実は小学校6年生の時に、6人の同級生からいじめを受けていた園子(演/新木優子)は「どの子」と呼ばれていました。
これ、普通にテレビの音声だけで見ていると全員「どの子」として話をしている風にしか見えません。
しかし「字幕表示」をオンにすると・・・、同級生の内の一人だけ、「どの子」という発言の字幕が「ドの子」となる人がいるのです。
この「ドの子」となる人は、ドラマの途中から出てくるようになったので、当初は表示ミスの可能性も疑われていました。
その後も明らかに一人だけ「ドの子」となるので、「もしかしてどの子は2人いる?」という考察で盛り上がるわけです。
画面の下や上に、話している内容や周辺の音が字幕で表示される「字幕表示」は、もちろん耳の聞こえないかたでも楽しめるように表示されるものです。
それを逆手にとって「字幕表示をオンにすると分かるヒントもある」としたのは、「字幕表示」の使い方の常識をひっくり返した作り手側のファインプレーでもありますね。
Tverのみ/Huluのみ
「良いこと悪いこと」の座談会は「Tverのみ」で放映されています。
そして前述の「オープニングの違いの比較」は「Huluのみ」で放映されています。
地上波放送のドラマの見逃し配信として利用される「Tver」で、逆に地上波放送では見られない裏話を「Tver」だけで観られるようにするという構成ですね。
Huluも同じように、例え地上波放送のドラマであっても「Huluにしかないよ」という関連コンテンツを作れば、Huluへの加入を促す可能性が増えるわけです。
公式ホームページも上手に活用
公式ホームページも色々な仕掛けが用意されています。
※以下、「良いこと悪いこと公式ホームページ」より引用
当初は、公式ホームページのトップの画面の左上はシークレットキャラが日テレのマークで隠されていました。
そして、物語が進み現在は、「小学校時代に児童1人1人が将来の夢を語るシーンの動画」へのリンクは、タイトルに隠されています。
ここ最近も新たに書き込まれた小学校時代の掲示板である「鷹里小の森掲示板」
も上図のように「鷹里小の森」と入力すると参照できるようになっています。
公式ホームページ上にドラマの進行具合で仕掛けが増えるような面白さは、SNS全盛の今の時代であれば、いくらでもすぐに視聴者に伝えられます。
(まとめ)
「良いこと悪いこと」は、視聴者がドラマを楽しむための技をあちこちに散りばめているのがよく分かります。
- 考察系ドラマの場合、注目度が若干落ちるオープニングから視聴者の目を釘付け
- テレビの操作性を使わないと分からない謎かけ
- プラットフォームごとの専用の配信
- 公式ホームページを使った仕掛けなど
第8話がもう間もなくですね。
エンディングに向かって、まだまだ楽しめそうです。




